神田雑学大学1月28日

      

竹とんぼで国際交流 堀池喜一郎さんと片田雄邦さんのトーク


竹とんぼ世界を翔ぶ


                      講師 堀池喜一郎 片田雄邦

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目次

(クリックすれば該当の項に進みます)

まえがき・講師紹介

1.堀池さんのプロローグ

2.三鷹駅前竹とんぼ教室

3."竹トンボを作るの会" in フィリッピン

4.片田雄邦さんの体験トーク

5.竹トンボ国際交流

6.2000年のミレニアム機を作ろう!

付録

参考図書
リンク集


●講師紹介

講師の堀池喜一郎さんは、三鷹でSOHOによるパソコン教育など、 シニアベンチャーとして活発な地域活動をされています。
同行のもう 一人の講師、世界竹とんぼ普及会の片田雄邦さんは、堀池さんの竹トンボの師匠です。
お二人は、日本のみならず海外でも活躍され、民間人による国際交流面で陰の力を発揮しています。

1.堀池さんのプロローグ

会社人間で過ごしてきた自分が、住いのある三鷹で、なぜこの活動をはじめたか。
自分の子供の頃は、どの家庭でも道具を使って物を作る事があたりまえだったことを思い出すからである。いま、30代のお父さんは金槌も所有していない。なくて住むといえばそうなのだが、親ができなければ子供も出来ない。30年後の日本を考えると暗澹たる思いがする。

そこで自分の手で物を作り、それを楽しもうという目的で"竹とんぼの会"を作った。
2ヶ月に1度、三鷹駅前コミュニティセンター(電話:0422-71-0025)でその会を開催している。6年目に入り、数えて39回になる。他に月一度"リサイクル市民工房"(電話:0422-34-3196)でホビー木工講習を開催している。
一昨年の暮れには、フィリピンまで出かけて"竹トンボ"の作り方を指導してきた。

さて、本日はお話だけの会ではなく、後半は実際に"竹とんぼを作る会"としたい。
世界竹とんぼを普及する会にも、興味のある方にはご参加頂きたいので、あとでHPを見て欲しい。アドレスは下記の通り。
http://www02.so-net.ne.jp/~sukoya/index.html


2.三鷹駅前竹とんぼ教室

数年前に、立派な区の公民館の工作室に、子供が工作しに来るか、来ないか、という論争がパソコン通信のフォーラムであった。ファミコンに一所懸命で来ないだろうという意見が強かった。
ならば、来るようにしてみようではないか、という仲間ができた。

仲間で、はじめに子供に興味を持たせる音楽入りの15分ものの竹とんぼのビデオを製作した。駅前の育児書の本屋さんに見せたら、三鷹駅前コミュニティセンターを使って竹トンボ教室をしたら、と市報に広告を載せて広告する方法もあると助言をもらった。
会場を借りるのも初めてだし、市報に案内掲載をお願いに行く際も、菓子折り持参で役所を訪問するなどという素人ぶり。呆れた係りの方に、ファクスで申し込めば、それでよいと言われた。

我ながら、驚くほどの会社人間であった。しかし、そこも個人では使用ができず会を作ること、さらに、10人の会員のうち5人は地域の住民であることが条件である。そこで家族を"さくら"にした名簿を作って申し込み、やっとスタートすることができた。

一度で終わらせるつもりだったが、その夜に「次回は何時やりますか、とても子供が喜んでいる」と、二人の母親からの問い合わせがあり、少なくとも反響があることに気をよくしてもう少し続けることになった。
主に小学2年生から5年生が多く、受験の前に子供らしい生活を望む親の勧めが多いようだ。

ここで写真集を回覧。

会社人間が住地区で活躍するには、パソコンやデジカメを使って、案内を出したり、参加者に写真付きのはがきを送ったり、会社では当たり前のOA技術を使ったりすると喜ばれる。
木工教室では、「大人と子供の自然教室」という名で主役が子供ではない。(子供言葉を使わない)も大事なポイントにする。

そして、コンセプトは
1. ミニチュアを使わない。すなわち、本物志向。
2. 安全教育を徹底する(プロの道具を使う・電気ドリルも使うため)。
3. ネット仲間のように、ハンドル名で呼び合うことが、プライバシーが大切な、現代において地域活動を成功させる基本。

安全教育については、特別に留意している。
最初に刃物の安全な使い方をしっかり教え、怪我は自己責任ということを覚えさせる。

道具の使い方も良く伝えることにしている。
木を割る時、ナタの脊を「木槌」で叩くと、反発力で木が割れる。金槌を使ってはいけない。道具というものは、何百年も使われてきていので、実に良く出来ていると思う。
錐にも三つ目と四つ目があって、用途によって使い分けをすることを教える。

そして、木工作業では出来たら、必ずほめる。大人でもほめられれば嬉しい。すると道具が欲しくなるが、一生使えるほどの木工道具が1万5千円ほどで整えらる。おもちゃ類よりはるがに安い。
10才の少年が、家具職人のおじいちゃんからもらった道具を使っていたのを見て、なにか嬉しく感じた。

私は"すこやさん"と呼ばれている。
昔風の町内会の集まりでは、プライバシーが保たれないことが多いが、ネットのハンドルネームで呼び合っている限りは、プライバシーが守られる。ある時、いつも工作室のガラス越しにそとから眺めているおじさんがいた。なかなか参加しない。ところが、半年後子供が作れるようにした木のオカリナをもって参加した。

元は鳴らした演奏家だった人で、楽しそうに子供たちに指導してくれたが、過去のことやプライバシーは話したくないという。今の地域では、プライバシーを守ることが、今後の付き合い方の大切な要素である。その方は、以後、楽しそうに、みんなにオカリナを指導している。

このプライバシーを守る大切さは、地域で訪問介護ヘルパーをしているカミさんからも言われている。近所の知人に家族の問題や、家の中の混乱を見られたくないのだ。

ここでのビデオを紹介。
ひと・ゆめ・40 というMXTV(視聴率0.5%)の取材番組である。

廃材利用の手作り作品ができるまでや、月一回の木工教室(リサイクルホビー木工の様子)が映る。木工の魅力は、何といってもだんだん上手になる事だ。

竹とんぼ教室(オカリナも作る)の様子は、子供が竹を割ることから始まる。作る会なので教室ではない。出来る人が教える。本当は子供ではなく、大人に来てもらいたいが、なかなかきてもらえない。

竹とんぼ作りに大切なことは。
1. 軽いこと。(2グラム程度)
2. 左右のバランスがとれていること(ビンの口に乗せて見る)。
3. ねじれ(火であぶる)をきちんと作ること。

そして、みんなで竹とんぼを飛ばしてみる。地域の活動に活気が生まれ、仲間で会合を楽しむ様子が良く判る。
地域活動は、肩の力を抜いてやることだ。

3."竹トンボを作るの会" in フィリッピン

フィリッピンの農村パンパンガ(ピナツボ山の麓)。ホームページを開く。
フィリッピンは100民族がおり、国語とされているタガログ語ですら、9% しか話されていないという複雑な国である。
ピナツボ山の爆発による被害は阪神・淡路大震災なみであった。おとずれた村のアエタの人は、500年間カトリックに抵抗し、帰依せずに奥山に入った民族である。火山の爆発で20億トンの灰が降り、森林が破壊されたために、山からおりてきた。今は仮設住宅の村に住み、積極的にカトリックの助けをかりて学校にも行くようになっている。

その灰のために、クラーク米軍空軍基地の軍人と家族が脱出、一夜にして基地には誰もいなくなった。それが、フィリッピンからアメリカ軍を撤退させる原因となった。スービックという世界でもっとも美しい軍港からも、アメリカ軍はすべての設備をおいたまま、消えた。その後の議会投票で、米軍撤退が決定されたのである。
しかし、その基地機能は、現在、沖縄に移った。

"竹トンボを作るの会"をアエタの村で開催した。
村人は、自分たちの道具をうらやましがっていた。サンドペーパーは手に入らないという。
村人は月に一家6人で2,000円も稼げない。2,500円あれば学費が払えるのにという状況下である。首飾り一つを¥30で売る村で、果たして竹トンボ作りの遊びが喜ばれるかどうか心配だったが、喜んでもらえた。竹をみて、竹になれている村人は、教えを聞かずにすぐ作るが、そこは日本の竹とんぼ奥は深い。そう簡単には飛ばないので、それなりに指導する。
村人たちの竹トンボ作りの感覚は、なかなか良い.。

こんなに貧しい国に贅沢な趣味の遊びを伝えて、意味があるかと疑問を感じていた頃に、世界竹とんぼ普及会を提唱する片田雄邦さんが国際交流しているのを知った。
その片田さんは外務省外郭団体の国際交流基金の"日本文化派遣"の一環として、以下の諸国に派遣を依頼されて、次のように活動している。

1回目(1997年)中央アフリカ・ザンビア(少し町から離れると電気がな い国)。
アラブ首長国連邦[コタナキタバルとクチン](こちらは石油がでる お金持ちの国)。

2回目(1999年)アジア3カ国[マレーシア・ミャンマー(ヤンゴン)
ラオス(ビエンチャン)]を訪問した。

以前は歌舞伎・茶道・いけばな等であったが最近は子供の遊び道具などに依頼が増えているための出番であった。電気のない地域でもつかえるのが竹トンボである。

報告書の回覧。(主としてアジアについて)

4.片田雄邦さんの体験トーク

東南アジアにはどこにも竹がある。子供を中心ノ遊び方としたので簡単にとけこんでもらえた。竹工作(うぐいす笛・はと笛・呼子笛・竹へび・だるま 落とし等など40種類×4=160個持参した)展示と、竹とんぼの作り方を指導した。現地の子供達は、おもちゃを渡しただけでどう遊ぶかわかる。むしろ、電子オモチャに浸かっている日本の子供は、すぐ飛ばせない。

15センチ程度の竹とんぼが、わが国のお土産屋さんで売られているが、それではサイズが大き過ぎて、大人でも上手に飛ばせない。竹トンボは、親指と人差し指を直角にした差し渡しの竹の長さ以内が、よく飛ばせる大きさ。
この大きさは、機械作りに不向きである。だからこそ、手作りが必要となる。
竹とんぼは"空中浮遊物"である。したがって、―バランス―が最も大切となる。意外にこの事が、物の本にも書かれていない。

5.竹トンボ国際交流

私は、アジア3ヵ国に行くのに、自作の竹トンボ1000機、仲間から贈られた600機の合計1600機。ワークショップ用の竹とんぼの材料は、1派遣地区200機×4=800機・予備200機を準備した。
成田を発つ時から、交流が始まると考えている。往きがキャセイ航空だったので、飛行機の中でロゴをまず探す。竹トンボを作成して、プロペラに航空会社のロゴを貼り、コックピットに持参すると、大体機長が大喜びで中に入れと言ってもらえる。これも国際交流の一つである。

キャセイ航空からは、お土産をたくさん戴いた。それを、また訪問国でばら撒きながらの旅行となる。マレーシア航空はフライト1時間しかなく、製作時間が少ないので、ホテルでロゴ入り竹トンボを作り、飛行機にのってからプレゼントしたら、やはり機長が大感激して"コックビットに入れ"という。その結果、機長の後ろの席でシンガポール空港着陸を実体験するという幸運にも巡り合った。

竹トンボに反応する航空会社は、大方は先進国である。私は、竹トンボに千代紙を貼ることで「江戸竹トンボ」と名付けた。 "いせ辰"の千代紙を竹トンボの翼の先端に貼ることを原則としている。

参加している国際竹とんぼ協会では主に「スーパー竹とんぼ」を作っている。
厚い竹の板から削り出して薄い翼を作る。翼の先端に鉛を貼りつけると、遠心力が働くことにより多く回転するので、より良く飛ぶことになる。
滞空タイプ(最高18秒)と、高度用(角度がきつい・最高高さ45m・飛行距離120m)があり、毎年一回競技会が開かれている。

6.2000年のミレニアム機を作ろう!

 さて、2000年のミレニアム機を作ろう!。 まず、よく飛ぶ竹トンボとは。
1. 軽いこと。
2. 左右の羽根のバランスが、よく取れていること。
3. 左右の羽根に、角度(迎え角)が、ついていること。
4. 左右の羽根に、軸が直角に、取り付けられていること。

その作り方とは。
1. 材料の用意(用意されていた竹は長さ:90mm。幅:12から14 mm。)

(クリックすると自動(ストリ−ム)再生されます。(約10秒))
2. 道具(布ヤスリ40番・電熱器・ビン(かん)・瞬間接着剤・軸(お団子の 串:135mm)。
3. 羽根の角を丸くする(危険防止のため)。
4. 羽根を曲げる。竹の中心にアルミを巻き熱を加える。竹の中にはでんぷん があり、熱すると柔らかくなる、冷えるとその形のまま固まる性質がある。
左右同じになるように、ひねり、冷えるまで固定する。形は、たれ目加減。
5. 重さのバランスをとる。バランスが悪ければ下がる方の裏側をヤスリで削 る。
6. 軸をさし、取付角度、迎え角を正確にして接着する。
7. 2000年のロゴを貼る。
(国旗をはればアミニティ竹とんぼとなり、各国の友好に役だつ。)

(クリックすると自動(ストリ−ム)再生されます。(約10秒))
慣れれば5分で完成。…

さて、飛ばすと、誰もがつかの間、童心にもどったような大騒ぎ。

(クリックすると自動(ストリ−ム)再生されます。(約10秒))
あまり器用でない人は目標とまったく反対に飛ばしたりの大騒ぎ。
とばすにもコツがいるようだ。

(文責) 岩崎礼子
写真撮影:杉本正 HTML制作:大野令治
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田口和男