神田雑学大学
2000年2月25日講演録

拍手をしよう


〜世界拍手連盟の活躍〜

演者 中村 明 様


★「世界拍手連盟」という面白い人たち!

☆面白いことが大好き!


☆E−メールで人を知る、感動を知る!


☆ネットワークを通じて拍手の対象を知る、そして拡がる人の輪!


☆貴方も、もってるネットワークの種子!


★もっと、もっと拍手をしよう!



★「世界拍手連盟」という面白い人たち!


まず、「世界」というスケールの大きな名を冠したところに、皆さん度肝を 抜かれるだろう。
頂戴した名刺を拝見すると、円の下半分に富士山が描かれ、上半分の旭日輝 くそのなかで拍手をしている手がデザインしてあるロゴが目に入る。
さらに肩書きも面白い。
今日の演者の中村さんは「ご隠居」さん、うら若き美女の「社長」さん、ち ょっと謎めいた「仕事師」さん、いかにも編集のプロっぽい「熊」さん。
しかも、この肩書きは自分で決めるのではなく、人さまがつけるのだという。
面白い人たちがやって来たものだ。それだけに今日の話が期待される。


☆面白いことが大好き!


私は、大手コンピュータ会社のサラリーマン、つまり面白くないことを40年 もやってまいりましたから、定年退職してからは面白いことだけをやっていこ うと決心しております。
もっとも、私が入社したころの会社や社会は、事業・仕事などに着手する場 合「面白そうだからやってみよう」というのがひとつの判断基準でしたが、近 ごろは「儲かるか、売上は」というようなことがその基準になっているようで す。これは、つまらないと思います。
言ってしまえば、「面白いことをやる」ということは、利益と効率追求に狂 奔する現代に、強大なカネの圧力に押し流されている現代に、抵抗しようとい う「志」だと私たちは認識しているのです。

☆E−メールで人を知る、感動を知る!


1987年ごろ、私はパソコン通信の会社におりまして、いろんな人たちとEメ ールを交換していました。
そして、メール交換を通じて様々な出会いがあり、本当に楽しいですネ。

1988年の秋に160ケ国(地域)が参加したソウルオリンピックが開催されました が、私の会社の競争会社はオリンピック情報を流す計画がありませんでしたの で、当社は何とかしてこれをやりたいと考えていました。
そんなとき、メールを通じて、親しさを増していた「熊」さんとの出会いが あったのです。
乾杯。そして話が弾んでいくなかで、熊さんから「オリンピックへ行くよ」 という言葉が出たのです。
ラッキー、「だったらオリンピック情報を流してくれないか、ただしカネの ない会社だからタダでお願いする」と申しましたら「面白そうだから、OKだ」 と言ってくれたのです。
そんなわけで、私のパソコン通信会社はオリンピック情報を流すということ になったのですが、この熊さんの情報には短文ながらも、スタート直前、ある いはゴール寸前の選手の顔がこうだったという風に感動の話は勿論のこと、開  会式で飛び立った鳩が聖火台に落ちた話や、一躍スターになったアメリカの野 球チームのアボット投手とカジノに行った話など、普通は表に出ない話も多か ったのです。(^^)
この体験から、私は「面白いこと、感動すること、拍手をしたくなることが、 Eメールのなかにある」ということを発見したのです。 

☆ネットワークを通じて拍手の対象を知る、そして拡がる人の輪!


私たちは、これまでいろんなモノに拍手してまいりました。
じゃがいも、お茶、焼酎、サツマイモ、豚、蒟蒻、葱、伊勢ひかり etc.
しかし、私たちはモノに拍手しているのではなく、その根っこにある絆、志 に感動して拍手をおくっているのです。

本日は、そのモデルとしてサツマイモに拍手した体験をご紹介したいと思い ます。

  1. 出張先の鳴門市でタクシーに乗った熊さんが、運転手さんと何げない会話 を交わし、そのなかで徳島には里むすめ≠ニいう素晴らしい芋があるこ とを知りました。ところが、熊さんはこの話を聞き流さずに、今度は一人 で鳴門を訪ねたのです。
  2. そこで熊さんは、「美味しいサツマイモをもっと広めたい、売りたい」と 望んでいた鳴門市里浦農協の高市さんと会いましたが、「広めたい、売り たい」という心だけでは感動にはいたりません。
    でも、里むすめ≠食した熊さんは「美味!」と感嘆し、さらにサツマ イモができた背景を聞いて感動し、この感動を誰かに伝えたいと思いまし た。

    この感動が人の心を動かしたのか、高市さんは熊さんに里むすめ≠フ試 供品を送ることを約束しました。

  3. 熊さんは、届いた里むすめ≠友人の天麩羅屋のワカさんのところに持 参し、ワカさんは里むすめ≠フ天麩羅を作りました。
    そこへ高市さんら里浦農協のスタッフが上京し、熊さんの案内でワカさん の店を訪ねます。
  4. 感動したワカさんは東京中央青果で里むすめ≠取り扱っている福田さ んのところへ行って取引を始めることにしたのです。
  5. その福田さんは、鹿児島県の出身でした。
    われわれは福田さんの案内で、鹿児島県が経営するアンテナショップ・鹿 児島県東京事務所に行くことになり、そこでの久良木さんと知り合って、 結局は大挙して鹿児島を訪ねることになったのです。
    そこで私たちは、鹿児島には美味しいお茶があることを知り、仲間にお茶 の卸をやっている中禮さんらがいましたが、中禮さんも含めて私たちは、 この鹿児島茶を御加護茶≠ニ命名しました。
    また、鹿児島には素晴らしい砂蒸しがあることも知り「なら、サツマイモ をこの砂で蒸したら甘いだろう」ということになり、地元の人に訊ねてみ ましたら「そう言えば昔あったな〜」という返事でしたので、私たちは 長寿イモ≠ニ名付けてすすめたのです。
    ここで私は、「地方には情報はあるが、それを発信する人がいない」と考 え、FM放送の白井貴子さんの番組に採り上げてもらったり、週刊誌の記 事にしてもらったりしました。いわゆる「メディアミックス」で感動と拍 手を全国に伝えたというわけです。

    ともあれ、このモデルから言えますことは、

    1. 好奇心というアンテナを鋭くさせて、
    2. 面白い情報を入力し、
    3. 感動をもって伝えるという情報の出力をする、
      これが私たち「世界拍手連盟」のやっていることです。

☆貴方も、もってるネットワークの種子!


しかし、私たちは、特別のネットワークを生まれながらにしてもっていたと いうわけではありません。
ただ、その種子はだれもがもっていると思います。
それは何かと言いますと、だれもがもっている<五縁>がそれです。これが、 ネットワークの種子なんです。

 <五縁>


  1. 血縁=先祖・祖父母・父母・兄弟姉妹・伯(叔)父母・従兄弟姉妹・配偶者・ 親族・子供・孫
  2. 地縁=出身地・居住地・その他
  3. 学縁=幼・小・中・高・大学・その他
  4. 職縁=会社・取引先・その他
  5. 網縁=通信・サークル etc.
この種に、<好奇心 → 感動>という水を注げばネットワークという花が咲 きます。<五縁の種子> → <ネットワーク>
先にお話しましたサツマイモのモデルは、さしずめ「5)網縁」から開いた花 になるでしょう。
ただし、それぞれの縁をネットワークに育成するためには、世話人とか、キ ャップの役割をもつ人が必要です。この人がいなければネットワークの花は咲 きません。これをお忘れなく。

★もっと、もっと拍手をしよう!


いかがでしたでしょうか。
好奇心、感動、拍手、いずれも失いたくないものばっかりです。
それにしても、拍手って、何でしょう。
『世界拍手連盟』の人たちに訊ねると、彼らはこう言いました。
「心が白いこと」(熊さん)
「唯一、身体を使って音を出せる行為」(仕事師さん)
「喝采するという行為以上に、大きい意味で心からの声援をおくりたい」 (社長さん)
連盟の人たちの回答の底には、人間のもつ善性と尊さが横たわっているよう に感じられます。

 一方、日本には古来より神殿で打つ柏手(かしわで)があり、三三七拍子とい う手打ちの慣習をもっています。
仏教や、キリスト教では、祈るときに自然と両手を合わせます。
またまた、私たちは親しい人とは握手を求めたがります。
これらの行為は、拍手とは異なるものでしょうか。
また、拍手にしても、日本人のそれと、外人のそれは少し違うようにも思え ます。

考えてみれば、「手」には不思議な価値があるようです。
セックスには種の保存を基底とした<愛>が、拍手や握手には感動を基とし た<友情>が、ということなんでしょうか。
なら、私たちは拍手するという尊い行為をもっともっと使うべきでしょう。

そのことを身を持って実践されている「世界拍手連盟」の人たちに大いなる 拍手をおくりたいと思います。

− 完 −
(文責:ほし ひかる)


写真撮影:
HTML制作:鍜治 正啓 HTML編集、画像編集:田口和男