神田雑学大学
2000年5月26日


重力の秘密を考える
講師  大平 和由



目次
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講師紹介
1.はじめに : 理論の骨子と展望
2.重力はエーテルの風である
3.万有向心流が存在する
4.重力現象が説明できる
5.重力に関連する理論
6.関連する図式・表
7. 発 表 先


 講師紹介

大平 和由 

神田雑学大学の本日の講義は、大平和由(かずゆき)さんの「重力の秘密を考える」 だった。
大平さんは1953年生まれの47歳、シニアが多い当雑学大学の仲間としては、際 立って若い長身の好青年である。技術者としてNKKに勤務していたが今年3月に退 職、現在は弁理士をめざして勉強中とのことであった。

大平さんが重力に特別な関心を持つ理由は、学生時代ハイジャンプの選手として、い つも「重力」と戦っていたこと、またNKK時代メンテナンス技術者として機械故障の 隠れた原因を探し出すことを通して、物事の背後にある真理を見出すことに興味と自 信を持ったからだという。
重力はニュートンによって、その力関係は明らかにされた。しかしその発生原因は未 だに解明されたとはいえない。大平さんはこの重力の発生原因の解明に、挑んでいる のである。

さてわれわれ一般視聴者は、大平さんの話を聞く前に、物理学の基礎をちょっとおさ らいしておく必要があろう。

●ニュートンの運動の3法則

(1)第一法則(慣性の法則)
全ての物体は、外部から力の作用を受けなければ、一定の運動状態を保ち続ける。つ まり静止している物体は静止し続け、運動している物体は等速運動を続ける。

(2)第二法則(運動の法則)
物体の加速度は、その物体に作用する外力に比例し、その物体の質量に反比例する。 すなわち
   「加速度a」=「力F」÷「質量m」 あるいは  
        F=ma

(3)第三法則(作用反作用の法則)
二つの物体A、Bにおいて、AがBに力を及ぼせば、BもAに力を及ぼす。二つの力 は互いに逆向きで、大きさが等しい。

●重力とは何か

地球上で一般に重力という場合は、地上の物体に地球の引力によって加わる、加速度 を意味する。
加速度とは速度の変化の割合である。例えば自動車のアクセルを踏んで加速すると き、スピード・メーターが上がっていく変化の割合である。アクセルを強く踏めばエ ンジンにより大きい加速度か発生し、スピード・メーターは速く上がっていく。

地上の高所から物体(空気の影響を受けにくい石など)を静かに落下させると、重力 によって1秒間に秒速9.8メートルずつ速度が変化する。
すなわち重力の加速度は9.8メートル毎秒毎秒である。一般にこれをgで表し、単に 重力の大きさというときはこのgを意味する。

1キログラムの物体に作用して、1秒間に秒速1メートル速度を変化させる力を1 ニュートン(N)という。
ニュートンはりんごが木から落ちるのを見て、重力の存在に気づいたと伝えられる。 1ニュートン(N)という力の単位は、ヨーロッパの小さいりんご1個(約0.1キロ グラム)に加わる重力の大きさである(0.1×9.8≒1N)。



●本論

1.はじめに:理論の骨子と展望


本理論は

 @真空は抵抗する(エーテル:超微粒子の流動抵抗)
 A万有向心流が存在する(エーテルの加速度流れ)
 B力は物体に常にペアで働く(重力・慣性力と電磁力)

を構成上の原理として推論したもので、結論として

 T 重力・慣性力は共にエーテルの加速度流動の抵抗力である。
 U Aの万有向心流は双方向流である。(加速度→重力加速度、速度→脱出速度)
 V ポテンシャルエネルギーとは、エーテル双方向流と物体との運動エネルギーで ある。

等を主張している。

今後の方向としては、理論の拡充(水星の近日点移動等の説明)と共に、本理論を応 用して「1つの加速度・2つの速度」を持つ擬似重力流れを作り出すことにより、重 力制御を行う装置の開発を考えていきたい。このような装置の応用範囲は無限にある と考えられる。

なお重力の発生メカニズムについては、現在も明確になっているわけではない。
本論は一般相対性理論よりも更にシンプルな、重力発生メカニズムを提案するととも に、重力に関連するいくつかの現象についても、新たな理論を提案するものである。



2. 重力はエーテルの風である

これが大平さんの理論の本質である。
エーテルとは、真空空間に充満している超微粒子のことである。
その存在は現在の物理学ではまだ確かめられていないが、本論ではこのエーテルの存 在を認め、それがあらゆる重力現象の原因であるとの認識から出発する。

エーテルの存在を仮定すると、加速度系に生じる見掛けの力とされる「慣性力」を実 在の力、すなわち「エーテルが加速度運動する物体に加える抵抗力」と考えることが できる。
慣性力をエーテルの流動抵抗であるとすると、アインシュタインが一般相対性理論を 構築するとき指導原理とした「等価原理」により、慣性力に関する本論の仮説は
  「重力は、エーテルが加速度運動する物体に加える抵抗力である」
と言い換えることができる。

しかし重力の場合、慣性力とは異なり物体が静止している状態で力が働いているのだ から、エーテルの方が加速度運動していることになる。つまり
  「重力は、質量中心に向かうエーテルの加速度流れが物体に加える抵抗力であ る」
これが「重力はエーテルの風」の意味である。
エーテルの加速度流れとは、核子(陽子や中性子)に向かうエーテルの流れの集積で ある。

なおエーテル(超微粒子)のサイズは10のマイナス20乗センチメートル以下と考え られ、陽子や電子より桁違いに小さいため、全ての物質の内部をすり抜け(存在が検 出できない理由)、その際に核子の数に比例した(つまり質量に比例した)抵抗力を 物体に加えると考えられる。

(注)
・エーテル(Ether)
光や電磁波を伝える媒質として仮定され、宇宙のどこにでも充満していると考えられ た仮想的物質。
1678年ホイヘンスにより初めて仮定されたが、光が横波であることを説明するた めに固体のように弾性を持つ物質と考える必要があり、しかも天体などの運動に少し も妨げにならないエーテルの存在は、多くの矛盾を含んだものであった。
1905年アインシュタインの相対性理論が提唱されるにおよんで、ホイヘンス以来 の実体の知れないエーテルの存在を仮定することの必要性が否定された。つまり相対 性理論によれば、単にある座標系の空間を電磁場の媒質として認めればよいのであっ て、そこにはもはや物質的意味でのエーテルは存在しない。
しかし今日でも電磁場の担い手としての真空を意味するものとして、エーテルという 言葉が用いられることもある。

・慣性力
物体の慣性により生じる見掛けの(実在しない)力。等速運動を続けようとする物体 の性質とされる。遠心力は慣性力のひとつであり、実在しない力といわれると違和感 がある。

この慣性力についての評価は、以下の3通りに分かれる。
 @ニュートン:実在しない
 Aアインシュタイン:どちらとも言えない(空間の歪みである)
 B大平:実在する

・慣性空間(慣性系)と加速度空間(加速度系)
慣性空間は等速運動をしていて、ニュートンの運動法則が成立する空間である。地上 や、等速で走行している新幹線・航空機などの内部は慣性空間である。
加速度空間は加速度か働いている空間、例えばアクセルを踏んで速度をあげつつあ る、あるいはブレーキを踏んで停止しつつある自動車の中などである。

・等価原理
重力とは実は加速度である、という認識を等価原理という。「重力」と「加速度系に 生じる慣性力」は同じものであり、区別できない。一般相対性理論は、この等価原理 の上に組み立てられている。
重力が働くということは、重力によって空間が歪むことだという全く新しい空間概念 を提出したのが、一般相対性理論である。

・特殊相対性理論と一般相対性理論
ガリレオ・ガリレイは全ての慣性空間で同じ運動の法則が成り立つ、という「相対原 理」を提唱した。
特殊相対性理論はガリレイの相対原理を拡張し、慣性空間では運動法則だけでなく電 気力学や光学など、全ての物理法則が成り立つとした。
そして一般相対性理論は、等価原理をもとに慣性空間だけでなく加速度空間など全て の空間で、全ての物理法則が成り立つ、というものである。



3. 万有向心流が存在する

「質量中心に向かうエーテルの加速度流れ」を「万有向心流」と名付ける。この流れ の存在が重力(万有引力)の原因となる。

万有向心流は加速度流れであって、その加速度の大きさは各位置の重力加速度の大き さに等しく、方向も重力加速度の向きと同一である。(図3参照)
つまり万有向心流は、「質量中心からの距離の二乗に反比例し、質量の大きさに比例 する」加速度で各点のエーテルが流動する現象である。

地球などの大質量の万有向心流は、それを構成する微小な質量の万有向心流が、全て 足し合わされたものであり、この関係は重力における関係と同じである。



4. 重力現象が説明できる

重力現象として、自然落下、潮汐現象、位置エネルギー(ポテンシャル)の発生、力 学的エネルギーの発生と保存、の四つに着目する。
  1. 自然落下
    自然落下現象は従来の理論では十分に説明できない。それは「自然落下は加速度運動 であるにもかかわらず、物体には何の力も働いていない」という事実による。
    質量1Kgの物体が自然落下しているとき、「加速度Gで運動しているのだから、1 ×G=Gニュートンの力が物体に加わっているはずだ」という、いわば「定義による 力」が存在するだけで、実際には物体に力は加わっておらず、したがってその力を測 定することができない。
    これは運動の第二法則に反するが、その理由が説明できていないのである。「重力は 反作用のない力だ」という根拠のはっきりしない説明で済まされているようである。

    大平さんの理論によると、重力は物体とエーテルとの間の加速度により生じるのであ るから、加速度の基準は地球ではなく、エーテルに取らなければならない。そして エーテルは物体と同じ加速度Gで下向きに流れているのである。
    つまり「自然落下はエーテルに対しては加速度運動ではない」ということである。自 然落下する物体に力が加わらないのは、エーテルが重力加速度で下向きに流れている ことの証拠である。

  2. 潮汐現象
    大平理論によると潮汐現象は「他の天体の影響により、天体表面の重力が場所によっ て不均一になる現象」である。
    球体である天体表面では、本来重力の大きさは場所によらず一定のはずだが、他の天 体とお互いに公転運動している場合には、その公転の向心加速度と他の天体の万有向 心流加速度との間に差異が生じるため、天体の表面の重力加速度が不均一となるので ある。

    具体的には他の天体に向いた側とその反対側の重力が、他の部分よりわずかに減少す るのである。この重力が減少した部分の海水が盛り上がり満潮となるのである。

  3. 位置エネルギー(ポテンシャル)の発生
    位置エネルギー(ポテンシャル)は質量の存在により、周囲の空間の各点に存在する 物体に生じるエネルギーのことであるが、その発生原因は重力自体と同様に未だに不 明である。

    大平さんによれば「ポテンシャルとは、各点におけるエーテルの風による運動エネル ギー」である。
    エーテルの風の実体とは、「エーテルの風の加速度はその地点の重力加速度と同一で あり、速度は質量中心に向かう方向(向心流)と、その反対方向(放射流)の2種類 で、大きさは互いに等しい」。つまりエーテルの風は双方向流で、その2つの流れの 加速度はいずれも重力加速度という1つの大きさ、方向のベクトルに等しいというこ とである。
    この双方向流よる物体の運動エネルギーがポテンシャルである。

    さらに興味深いことに、このエーテル速度の大きさは、その地点の脱出速度に等しい ことが導かれる。本理論により、場所ごとにポテンシャルの値が異なるのは、各地点 におけるエーテル速度が異なっているから、という単純な説明が可能となる。

    (注)
    ・位置エネルギー(ポテンシャル)と運動エネルギー
    物体は高いところにある時は重力による位置エネルギーを持ち、運動している時は運 動エネルギーを持つ。
    しかしエネルギーはいかなる形をとっても、その総量は変わらない(「エネルギー保 存の法則」)。
    例えば球を真上に打ち上げる場合、打ち上げた時の運動エネルギーは最高点での位置 エネルギーに等しい。

  4. 力学的エネルギーの発生と保存
    本理論により、力学的エネルギーの保存則が説明できる。
    力学的エネルギー保存則とは「物体が自然落下するとき、その物体のポテンシャルと 運動エネルギーの和(これを力学的エネルギーと呼ぶ)は常に一定に保たれる」とい う法則である。

    本理論によれば「力学的エネルギーとは、物体とエーテル双方交流との2つの相対速 度によって生じる運動エネルギーであり、この運動エネルギー保存の式が力学的エネ ルギーの保存則に一致する。したがって、保存則が成立する理由は、自然落下と保存 則が等価の関係にあるからと説明できる。



5. 重力に関連する理論

以上に述べた項目に関連して以下の理論が導かれる。ここでは項目を提示するにとど める。
(1)「重力波」は存在しない(重力は伝わるものでなく、存在するものである)
(2)重量場でも成り立つ広義の「慣性の法則」
(3)「運動方程式」の加速度について
(4)「反作用」の発生メカニズム(力は常にペアで働く)
(5)「力学的エネルギー」について
(6)「ポテンシャル」の合成について

6. 関連する図式・表

 
  • 図1「ペアの力」と「作用・反作用」
  • 図2 重力が働く場合の「ペアの力」と「作用・反作用」
  • 図3 万有向心流の加速度

7. 発表先

 
  1. 日本応用数理学会(1996,1997,1998)
  2. 日本物理学会年会(1997,1999,2000)
以上

− 完 −
(文責 大野令治)

会場写真撮影:橋本 燿
HTML制作:鍜治 正啓
写真挿入、HTML編集:田口和男