神田雑学大学 6月23日  講義録


「私はトイレットコンサルタント」

講師:村上 八千世



目次
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1. 講 師 紹 介

2. 何故トイレに興味を持ったか

3. チップトイレ

4.  トイレコンサルタントの面白さ

5. トイレのメンタル面

6. 学校トイレ出前教室

7. ビフィズス菌

8. スライドを見ながら

9. 質問


講師紹介


村上 八千世


今日は神田雑学大学はコンフォートスタイリストの村上八千世さんです。
コンフォートは快適、スタイリストは指導する人と言う意味がある。
1998年2人目のコンフォートスタイリストとして独立。
商業施設、駅、オフィス、公園、学校、病院などの実態調査を行い新しいトイレのあり方を ハードとソフトの両面から公共団体や企業に提案。
子供達に対してトイレの 大切さ、排泄の大切さを啓蒙する活動にも力を与えている。
村上さんが所属するアクトウェア研究所のホームページ:
http://members.aol.com/YMcomfort/actware.index.htm

<何故トイレに興味を持ったか>

OLをしている頃喫茶店やレストランに入ったとき「わっ!何故こんなに汚いんだ」 と、思った。
お料理はそこそこ美味しかったが、トイレが汚いと店全体の価値 とか印象、はたまた店のオーナーの人格まで見え隠れしてきてしまう。
不思議なことにトイレの汚い店は店員さんの接客態度がイマイチよくない。

また古い建物でもトイレが綺麗に掃除されていて生の花が飾ってあったりと ちょっとした心遣いをしているようなお店は店員さんの応対の仕方もマニュアル ではなく気持ちがいいと感じた。
トイレをよくすれば世の中もっと良くなる のではないか、そういった仕事をしてみたいと興味を持った。

そもそもトイレが流行りだしたのは十何年前、銀座のデパートで、口火をきった のは銀座松屋である。
銀座のOLは駅のトイレは一切使わないと言うことで、女性 が外出時に何処のトイレを使うか調べた結果デパートのトイレで着替えやらなに やらをして夜の町に繰り出すと言うデータがでた。
デパートは女性客をゲットし ようと言う事でイメージアップで一番効果が出る場所は何処か、それは一番 汚いところを一番綺麗にするのが効果的であると、トイレに目をつけたのである。
松屋の場合は見事成功し、トイレのオープニングの時、トイレの中でワイン パーティーを開いたと言うくらい綺麗なトイレで当時かなり話題になりトイレ 改造は銀座のデパートから始まり、全国的に展開していった。

<チップトイレ>

綺麗なトイレ、この戦略は大当たりしこれをきっかけにクリンアップ作戦と 称してJR東日本も新橋、横浜に有料のチップトイレが出来た。
最近は東京、品川にもチップトイレが出来た。
担当者に聞いて見るとチップトイレは充分 黒字運営との話である。

外国なんどではチップトイレが多い。
逆にタダのトイレは汚すぎて入れない。
治安がよくて安全が確保されている所には人が立っていて使う。
したがって小銭は何時も持ち歩く習慣になっている。


<トイレコンサルタントの面白さ>

この仕事が面白いなぁと言うのは トイレのコンサルタントをやっていると 言うと、「便器の形を考えているんですか?」などと聞かれることが大変多 いが便器の形を考えたことはいまだかつて一度もない。
そんな時はトイレの有り方を提案していると、答えている。
トイレを快適にするには手をかけて あげなければいけない。
たとえばレストランなどでは店員さんの教育まで 口を出したり、学校では教育方針にまで関わってくる。
トイレの作り方も 子供が掃除をするのか、業者が掃除をするのかで作り方が変わってくる。
子供が掃除をするのであれば今、指導する先生がなかなかいないので指導面で 口をだすので学校の教育方針にまで口を出させて貰っている。
そう言った 踏みこんだところまで口を出せるところがこの仕事の醍醐味ではないかと 考えている。

「学校のトイレ」
いろいろなところのイベントのトイレを提案したりいろいろしているが 今、村上さん自身関心を持ってやっているのは学校のトイレである。
学校のトイレは今、子供が学校のトイレに行けない症候群であると言われる くらいで、圧倒的な数ではないが「僕は6年間学校のトイレに一度も行った ことがありません。」と言うこどもいる。
こう言う話をするとそんなことは 聞いたことはないと言われる方も多いが、トイレの話は学校でも家庭でも 話題にさえもならない。
何故学校のトイレに行かないのか、理由は学校のトイレは非常に汚い
ベビーブーム時代学校の施設がある時期非常に沢山建設された。
現在は少子化で施設が余っている状態である。
そのベビーブームに建った施設も今や建て替えの時期がきているが なかなか建替えが追いつかずトイレも汚いままにになっていて 「トイレの花子さん」って言う映画が出来るという状況である。

学校のトイレの5K

汚い、臭い、暗い、怖い、壊れてる。


<トイレのメンタル面>

トイレに行くことが恥ずかしい、行けばいじめられると言うような風潮が あってトイレに行かない、特に男の子は小に行くのか、大に行くのか、入る ところが違うので、大にはいるとバレテしまう、バレテしまうと臭いだの汚い だの言われて苛められる、そう言う経験を一度でもすると二度と学校の トイレには行けなくなってしまうようである。
排泄をすると言う行為は 恥ずかしいことではないんだと、言うことを教え直す必要があると言う。
日本人の排泄観念が歪みだしていると言うようなことで 排泄観念を正しに行 こうと、日本トイレ協会が学校の出前教室を始め講師を派遣して話をきかせて いる。
会員である村上さんが講師で行く時は、まず排泄の大切さを分かってもら う為に、まずトイレとかウンチと言うものに親しみを持ってもらう、只汚い行為 だと思うのではなく意味のある行為であるとまず分かって貰う。
村上さん流 ウンチに名前をつけている。

<学校トイレ出前教室>

学校によっては村上さんが「今日はどんなうんちが出ましたか?」と、 パネルを上げて聞いても恥ずかしがって手を上げてくれない学校が 結構ある。
おおらかな子供たちが多い学校は嬉しがってわぁ? と 手を上げるが、恥ずかしいムードがまん延してる学校は誰一人手を上げて くれないのである。
もっと酷い学校は、今日はトイレとうんちの話に 来ましたと言うと、もう耳を手でふさいだまま時間中ずっと聞くまいと する子供達の学校もあるというのだ。

スライドを見ながら

  • 暗いイメージの学校のトイレ
  • 扉の壊れたボロボロの学校のトイレ
  • きれいになったトイレ写真2枚
  • うんちのパネルを持った子供

    神経質な子供の多いところは、このパネルじたい持つこと事態嫌がる 「排泄」に関心をもってもらうためにまずうんちに名前を付けた。
    柔らかいものから「うんぴ」「うんにょ」「うんち」「うんこ」「うんご」 である。
    それぞれが「色」「形」「ニオイ」が異なり、身体の健康状態をあ らわしている。
  • 講師の説明に合わせて子供達の前でうんちスタイルで実演する先生

  • 先生の実演の後なので、子供が張り切っていきんでいる実演の写真
出前教室の生徒の気分で、と、5つのウンチの名前のついているスライド を見ながら、最近出たうんちは?などとにこやかに描かれた絵を指しながら 話が進む、汚い物とは全く思わせない、いや思わないから不思議である。
若くて美しい村上さんの口から飛び出してくる「うんぴ」「うんにょ」 「うんち」「うんこ」「うんご」は爽やかな響きであった。


<ビフィズス菌>

年を取るとビフィズス菌という腸内菌が少なくなって、ウェルシュ菌という悪玉菌 が増えてくる、悪玉のウェルシュ菌が増えるとうんご状態に近くなり臭くなる。
赤ちゃんの時はビフィズス菌が一番多く、年とともに減ってくるヨーグルトなどで 多少改善される。

<スライドを見ながら>

「トイレいろいろ」
  • 江戸時代のトイレ
  • 昔パリの町、まだ下水がない頃、二階の窓から汚物を捨てている、その下で 二人の婦人が話をしている絵。
ここで有名な話を。
下にいる人は上から降ってくるものをよけながら歩かなけ ればいけない状態で、パリの町は汚物で汚かった。
そこでエピソードを二つ。
女性が履くハイヒールはつま先で立って歩くのに楽な ようにハイヒールが出来た。
男性のシルクハットとマントは、汚物が直接かから ないように着用した。
匂い消しのために香水が発達したという話も有名である。

「環境問題」

富士山の頂上のトイレは汲み取り式で溜めたし尿はどうするか、7月、8月は山開 きで8月の最終日になるとトイレを放流する、しかし富士山は土が豊富でない為 にしみ込んでいかない、し尿の川状態になって流れて行く、白く見える流れは ティシュペイパーである、ティシュペーパーは水に溶けないのでトイレット ペーパーを持参して欲しいと言う。「阪神大震災の時のトイレ」震災直後の学校のトイレの写真、被災後2時間で和式トイレのキンカクシが汚物 に埋もれてる状態、勿論水は出ないので流れない、汚物の上に新聞紙を敷き その上で用をたし又新聞紙と、行った具合にサンドイッチ状態で用をたしていた。
交通網がままならぬことと、仮説トイレはトラックに6機しか乗らない状態で 満足に行き渡るまで3週間かかったという。
「手作りトイレ」
  • サッカーゴールに幕をかけただけのトイレ
  • 廃材で作ったトイレ
  • 組み立て式トイレ
  • ダンボールで囲んだトイレ
  • 狭いトイレの中に仮説トイレを置いたもの


「葛飾区の防災公園」
  • 地下水を汲み上げるポンプがついている、いざとい時はブースを汲み上げて 水洗トイレにする。
  • ベンチの上を取ると釜どになる。
「スエーデンのトイレ」

<質問>

沢山の質問、話題などがあった中から二つばかり紹介。
  • 高齢になってきて動きが取れないような方のためのトイレのデザインは?多種多用にそろっていて、寝たままで出来るもの、ベットも横に置いて 使う家具に見せかけたトイレ、便座が上下するトイレ。
    押し入れをそのままトイレに改造できるピットなども開発されている。
    住宅の提案をする時、介護は何が近くにあったら便利か考えると、キッチン 風呂、トイレなど手の届く範囲にあるのが最高ではないかと、考える。
    居間を10センチ広くしたところでさほど快適差は変わらないが、トイレを 10センチ広くするといろいろな可能性が出てくる。
    手すりが付けられる、 棚をつけられる、棚をつけたことによって絵が飾れるとかトイレの10センチ は大きい。
  • トイレ使用直後の匂い消しについて大便の匂いは空気より重い、明確に比重がパッ!と上がる訳ではないので 換気が上にある場合鼻先を通って上に抜けるので、換気は下に取ることを 薦めている。

− おわり −
(文責:和田 節子)

会場写真撮影:橋本 燿
HTML制作:鍜治 正啓
HTML編集、画像選定、編集、貼り付け:田口和男