神田雑学大学6月29日講義録

バリアフリーウェブサイトを目指して

録音図書配信事業「声の花束」

講師:徳永 洋子 様

(社)日本フィランソロピー協会 



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講 師 紹 介

日本フィランソロピー協会

バリアフリーウェブサイト「声の花束」

「声の花束(こえたば)」の内容

デ モ 

メインコンテンツを週刊誌にした

視覚障害者のパソコン、インターネット利用について

「声の花束」の今後の課題

参考になるサイト

日本フィランソロピー協会の徳永洋子さん

講師の日本フィランソロピー協会の徳永洋子さん
徳永さんは、神田雑大の教室に入ってこられた受講者の一人ひとりに資料を渡されます。 その熱心なお姿を拝見しただけで、彼女の「貢献」に対するひたむきさがうかがえます。 徳永さんは、聖心女子大学卒業後、同大学同窓会のボランティアコーディネーターを経て、現在のフィランソロピー協会に勤務され、 バリアフリーウェブサイト「声の花束」を担当されています。

新しい形のサイトだとも言える、この「声の花束」は視覚障害者をはじめ活字情報の入手が困難な方々のために、 週刊誌や生活情報などその時々の旬な情報をパソコンを使って声で録音してインターネットで配信されるものです。 今日は、その「声の花束」ご紹介していただきながら、「声の花束」が何を目指しているのか、 あるいは録音図書配信事業の背景である視覚障害者のインターネット利用の現状はどうなっているかなどをお話してもらいます。

日本フィランソロピー協会の紹介http://www.philanthropy.or.jp


フィランソロピーは英語ですが、日本では「社会貢献」の意味で使われている言葉です。個人や企業のボランティア活動や寄付活動など、より良い社会を創るための社会貢献活動全般を指しています。 日本フィランソロピー協会は、内閣府認可の社団法人で「人と企業の社会貢献」をテーマに、皆がかけがえのない存在として社会参加・社会貢献できる仕組み作り、行政・企業・NPOの橋渡し等の事業を行なっております。

その事業内容は、
1)インターネット上での週刊誌・生活情報などの音訳サービス「声の花束」のほかに、

2)基礎講座や人材育成などの研修、

3)『月刊フィランソロピー』などの出版、

4)「がんばれNPO!プロジェクト」によるNPO育成、

5)「まちかどのフィランソロピスト賞」による寄付文化の普及などを行っています

先刻お渡しした『月刊フィランソロピー』は、毎月フィランソロピーに関する特集を会員の皆さまにお届けしています。現代のフィランソロピストへのインタビュー、企業フィランソロピーの実践事例、NPO/NGOの活動紹介、関連ニュース、おすすめ書籍など、世界中のフィランソロピーの動向に関する最新情報が盛りだくさんです。この表紙には、毎月、障害のある作家の作品を使用しています。
 
ちなみに、今月の表紙をお描きになった佐賀県の多郎浦和子さんは、先天性脳性麻痺という重度の障害を負いながらも、絵画や詩やエッセイの制作に積極的に取り組んでいる方です。体がご不自由なので、口を使って絵を描いていらっしゃいます。絵画展を開かれたり、佐賀新聞に連載コラムを書かれたりと積極的に創作活動を続けておられます。

   また、研修事業の定例セミナーは、企業の社会貢献部署担当者を対象にした講座およびワークショップです。毎回フィランソロピーに関するさまざまなテーマをとりあげ、ノウハウを蓄積するための機会とするだけでなく、担当者としてのスキルアップを図り、社会貢献の理解促進につなげていただいております。イベントや交流会で、講師・参加者とのネットワークを広げることもできます。このセミナーは当協会を事務局とした企業幹事制をとっており、今年はキッコーマン梶A三菱地所鰍ノ企画、運営にご協力いただいております。

  それに今年は、岐阜県高山市において、11月に「全国ノーマライゼーション推進会議」を市と共催で開きます。飛騨高山は、バリアフリーの街づくりに取り組んでおられ、全国の自治体、福祉関連企業、観光、旅行関連会社に参加してもらって、バリアフリー推進のうねりを引き起こそうと、この会議を開催します。飛騨高山は観光地ですので、当初、老舗旅館の旦那衆は、必ずしもこの取り組みに積極的ではなかったそうです。観光地が障害者、高齢者優先の場所になったら、一般観光者にはどう思われるだろうかということでしょう。それが今では大変積極的で、例えば入り口や建物に段差があっても、従業員が快く車椅子をかついでお招きしようというような気持ちをおもちになっているようです。こうした当協会の活動は、多くのボランティアの方々に支えられております。

http://www.koetaba.net バリアフリーウェブサイト「声の花束」

を立ち上げるまでかねてより、当協会と(株)アニモの協働プロジェクトとして、アニモネットワークサークルというパソコンネット事業をしてまいりました。この事業は、障害者やその家族、福祉関係者、ボランティアの方々の自由な交流によって、障害者の社会参加とコミュニケーションの輪を広げるのが目的です。

@アニモは、富士通株式会社の「ベンチャー制度」により設立された第1号企業です。 「音」「音声」をKey Technologyとした、ハード/ソフトの開発・販売・サービスの企画・開発・販売を主な業務としています。

アニモの社長は、富士通の社員のときにテレビで高校時代の恩師がネパールで聴覚障害の子どもたちに、段ボールを使った粗末な器具で発生練習をしているのを見て、会話訓練用装置を作ってあげようと決め、福祉ビジネスをライフワークにしようと社内ベンチャー制度に応募し、独立してアニモを設立しました。

  アニモネットの中で、人気が高いのが「アニモショップ」というオンラインショッピングのコーナーです。ここでご紹介している商品は、障害者自立支援施設で作られたもの、開発途上国の人たちが作った商品、環境に優しい商品、バリアフリー機器などです。どれも大変良質なものです。お買い物をして、活動をご支援いただくということです。

そのショップをご覧になると、「銀座あけぼの」の商品があり、意外に思われるかもしれません。実は、「銀座あけぼの」の忠生工場では、現在、知的障害者を含む30人余りが働いています。この工場は今から10年前、曙の社長夫人と現工場長と、知的障害をもつそれぞれのお嬢さまたちの、たった4人でのスタートでした。 当時、社長夫人は、知的障害を持つお嬢さんにできる仕事が何かないだろうかと考えられ、商品のラベル貼りの下請けをさせてもらえるよう社長に相談しました。ところが、社長の返事は思いもよらないものでした。「『あけぼの』でやる意味を考えたら、下請けではなく商品を作るべきだ」と言われたのです。

社長の言葉に後押しされ、半年ほどで新しい商品が生まれました。本社の厳しい商品会議を経て、できあがった商品が「やきいも」という名前のお菓子でした。  さらに余談になりますが、皆さんは「銀座あけぼの」の店頭の暖簾、紙袋に書かれている、ひらがなの「あけぼの」という毛筆の字をご存知かと思います。あの字は有名な書家が書いたものだとお思いかもしれませんが、実は社長のお嬢さんが書いたものです。あるとき、社長であるお父さまが「お父さんのお店の名前だよ」とお手本を書かれると、それをお嬢さんが一文字一文字、一生懸命に書かれたそうです。

 
会社の新しいロゴを決めるとき、いくつかの候補が出たもののなかなか決まらず、そこでお嬢さんに書いたお習字を思い出した社長が出してきて、広告代理店担当者、デザイナーはじめ、皆が「これが一番いい」ということで決まったそうです。

さて、昨今は視覚障害をお持ちでもインターネットによる情報入手が可能になりました。そこで、1999年度に(財)ニューメディア開発協会(通産省管轄)と通信放送機構(郵政省管轄)から助成をうけ、昨年7月からアニモネットの中に「イーボイス」を立ち上げました。週刊誌や生活情報など、その時々の旬な情報をボランティアがパソコンを使って声で録音してインターネットで配信するサイトです。半年間の実証実験を終え、今年1月から一部有料化して、名称を「声の花束(こえたば)」に変えて、本格スタートいたしました。

日本の視覚障害者は、30万人強、そのうち点字が読める人は約1割足らずといわれていますが、その方たちを含めて視覚障害者の人たちは音声による情報に大きく依存しています。特に、病気、事故、加齢による中途失明者は、特別な訓練を必要とする点字の体得は難しく、生活情報のほとんどを音声から入手しています。 

近年、盲学校でもパソコン教育が実施され、また視覚障害者用のパソコン周辺機器の開発、読み上げソフトの開発によって、視覚に障害があっても生活や仕事にパソコンを取り入れている人たちが増えています。  それにもかかわらず、インターネットの世界はグラフィカルなマルチメディア化が進み、多くの情報が視覚障害者には届かないバリアの高い内容になっています。 

「声の花束」は、音声コンテンツ配信によって、視覚障害者の方たちに様々な情報を提供します。
また身体障害者の中でも、体の麻痺によって頭部の固定ができない方は、ディスプレーを注視することが困難で、そういった方たちも視覚情報よりも音声情報が望まれます。また高齢者は、いわゆる老眼による眼精疲労や視力の低下で、視覚情報中心のインターネット情報は馴染みにくいものになっています。「インターネットを楽しみたいけれど、目が疲れて」という方たちにも喜ばれています。

その他、在日外国人で日本語の読み書きが困難な方たち、脳障害による読み障害の方たちにも「声の花束」は役立てていただけます。 新聞、テレビなどでご紹介いただいたこともあって、お陰さまで週に平均1万3千アクセスあります。

「声の花束(こえたば)」の内容

このサイトには二つの大きな目的があります。
@利用する人々の社会参加に必要な情報構築の促進、視覚障害、高齢、肢体不自由や脳障害など、活字メディアによる情報入手が困難な方々のデジタルディバイドの解消

A制作する人々の社会参加の促進、高齢者や障害者、育児中の女性など外出や就労が困難な方々が、パソコンやインターネットを活用して社会参加、社会貢献ができるのも特色です。
現在、「声の花束」には、約90人のボランティアが参加しています。もちろん無報酬です。これだけの方々にご協力いただけるのは、私どもが非営利団体であるということ、常々ボランティアコーディネーションのノウハウを蓄積してきたからだと思います。

では、これからデモを行います。

*こえたばマガジン(クリックをすると詳細へ)− 週刊誌が声で楽しめます『サンデー毎日』『読売ウィークリー』 の最新号記事を発売日の週末に、『サンデー毎日』『読売ウィークリー』『週刊現代』『SPA!』『AERA』の目次を翌日に音訳して掲載しています。

「音訳」という言葉は、耳慣れない方もおいででしょうが、印刷されたものを音に訳すという意味で、朗読、音読とは少し違う意味をもっています。 例えば、週刊誌の中には、写真、イラスト、表、グラフ、マンガなどがありますが、音訳という場合は、そういうものも「読みます」。どんな写真か、 イラストか、表やグラフなら、何を意味するのかということを、きちんと説明します。

パソコンでデモを聞いている
こういうことについても上手な読み方をなさいます。きちんとした技術があって、決まった方法があります。

私どもも「声の花束」を始めるにあたり、視覚障害者のための音訳の専門家に講師になって頂いて、ボランティアさんたちに講習会をいたしました。実際には、音訳者の感性がかなり反映されるようで、読み手によって違いが出ますが、こうしたものも「読む」、実際には解説するということ、これが朗読、音読と音訳の違いです。 

週刊誌に関しては、火曜日に発行したものを同じ週の土曜日に配信していますが、さすがに無料というわけにはまいりませんので、ユーザーの方に月額300円でマガジン有料会員になって頂いて、その一部を出版社にお支払いしております。実際、音訳にあたっては著作者への許諾確認から、記事内の固有名詞の読み方なども編集部にお問い合わせすることが多く、ご理解とご協力には大変感謝しております。

*こえたばブック(クリックをすると詳細へ)− 書籍が声で楽しめます 電子図書館青空文庫は、著作権切れの文芸作品をテキストでインターネットで配信しているサイトですが、その中から太宰治、宮沢賢治をはじめ、岡本綺堂の『半七捕物帳』といった娯楽小説、夢野久作、海野十三などの珍しい短編を掲載しています。 ここで、また音訳ということについてお話いたしますが、いわゆる視覚障害者のための音訳では読み手の個性を出さないというのが原則になっています。

新聞、教科書、自治体の広報など、情報を得るためには、視覚障害者の方はゆっくり時間をかけて聞くという方法をおとりにならないからです。点字図書館などで借り出した音訳のテープを、元の録音速度の、2倍、3倍にしてお聞きになることもあるそうです。

たしかに、『サンデー毎日』一冊でも、録音時間は5時間以上になります。5時間もかけて聴いてはいられませんから。私は早口ですが、だいたい1分間に450字程度、黒柳徹子さんは650字といわれていますが、それをさらに2倍の速さ、まして3倍の速さにして聞くと、一般の人にはとても聞き取れません。視覚障害者の方は、おそらく訓練によってそういうことがおできになるのでしょう。

そうした早送りの聴き方をする場合、感情を込めた読み方、速さに変化をつけた読み方は、聴き取りの妨げになるそうです。本の文字が飾りをつけた書体だったら読みづらいように、音にも飾りはいらないということです。 そこで、「声の花束」でも当初は、その点に大変注意して音訳をして頂きました。しかし、実際に視覚障害者の方にお尋ねしたところ、「声の花束」では読み手が大勢いて、個性があって退屈しなくていい、内容にあわせて感情を込めているのも、下手に大袈裟なのは聴いていて恥ずかしくなってしまうが、上手なら構わないというお答えが多かったのです。

そこで、最近は週刊誌の部分でも、情報としての記事はなるべく淡々と、娯楽性のある記事はそれなりの読み手の感情をこめて読むといったことにしています。 ですから、このBOOKの音訳は、音訳というより朗読といった感じになっています。ただ、読みの速さだけはあまりに遅いと不便だということで、なるべく速めに読んでくださいとボランティアさんたちに頼んでいます。

*こえたばインフォ(クリックをすると詳細へ) − 生活情報が声で聴けます  行政機関や企業、NPOが提供している、防犯・防災、健康、おしゃれ、家事、趣味など、さまざまな生活情報を掲載しています。この部分の音訳は、

1)もともと提供元が視覚障害者用に用意しているテープ、
2)提供元の職員がボランティアで読んでくださっているもの、

3)こちらに原稿を渡されて、協会のボランティアが読んだものの3種類です。視覚障害者用に用意しているテープは、プロに依頼したものですから、一番お上手だと言えます。それに比べて、社員ボランティアだと、必ずしも音訳の訓練を受けていない場合もあるのですが、それでも、ご自分の仕事を伝えたいというお気持ちが表れていて、多少お上手でなくても、むしろ好評ですまた、協会の目指すところの、企業の社会貢献という点にも合致した活動で、ありがたくご協力いただいております。

最近、嬉しいことに、この部分を盲学校の高等部の授業中に副教材としてご利用いただいているというお話を聞いています。きっかけは、思春期の性の問題について、日本家族計画協会の先生にお話いただいたものを掲載したところ、保健体育の教科書では書かれていない極めて現実的なことについて指導ができると、盲学校の先生方がお使いになったのです。そこで、そのようなご利用を念頭において、新しいメニューを用意いたしました。

例えば、東京都消費生活総合センターの発行なさっている「かしこく契約」という高校生向けの消費生活に関する本が今週から掲載されました。この本は、マルチ商法にご用心、街角でのキャッチセールスにご用心といった内容の都内の高校の公民の授業で使われている副読本ですが、東京都のご協力で都内に限らず全国の盲学校でご活用いただければということで音訳化しました。

この本は、高校生向けなので、イラストやマンガが沢山使われていました。そこで、音訳化にあたっては、そうした部分を編集しなおして、耳で聴いて理解しやすいものにしました。この作業がけっこう大変でしたが、都庁の担当者の方と何度も書き直しをして原稿を作り、ボランティアの元文化放送アナウンサーの女性に読んでもらい、とてもいいものになりました。 

*こえたばカフェ(クリックをすると詳細へ) − みなさんの交流広場です。皆さんからのご意見・ご質問を書き込める掲示板を用意しています。また、現在、政府主催のインターネット博覧会に「声の花束で届けるちょっといい話」サイトを出展しています。インターネット博覧会の特定テーマパビリオンに出展しています。パビリオンは「声の花束で届けるちょっといい話」。一般の方からお寄せいただいた心温まるちょっといい話を音声とテキストで配信しています。

社会派の皆さんには、社会風刺コピーで社会参加ということで、週刊誌『AERA』の一行コピーを募集しています。電車の中吊り広告で、 『AERA』はダジャレのコピーを毎週掲載していますが、あれをサイト上で募集しています。実際に『AERA』で掲載されるのではなくて、その週の 『AERA』の記事に相応しいダジャレを募集して、上手な作品には『AERA』一色編集長からコメントと豪華賞品がプレゼントされるという、お遊びです。けっこう人気がありまして、毎週「力作」が登場しています。

例えば、森内閣の最後のころ「首相退陣、森のイシマツ」とか、アフリカ歴訪のときは「サバンナでノサバンナ」、最近では「ご用心、メル友情事接続」、情事は、「昼下がりの情事」の情事を当てています。あるいは「真紀子の話も、まーきこー」、「新庄剛の、しんぞーつよし」などというのが「今週のチャンピオン」に選ばれました。

*こえたばリンク(クリックをすると詳細へ)ご協力いただいている企業や団体、ボランティアさんたちのサイト、音を楽しむお勧めサイトなどを掲載しています。

◎なぜ、「人の声」にするのか 視覚障害者の方々がパソコンを利用なさる場合、そのほとんどの過程で読み上げソフトと呼ばれるソフトから流れる人工音声が使われます。パソコンを立ち上げるところから、ウィンドウズのコマンドもメールやワープロの文章の読み上げ、インターネット上の文字の読み上げ、見える人が眼で見る表示のすべてが人工音声で流れてきて、それに応じてキー操作でパソコンを使っていくわけです。 音声技術の進歩で、聴きやすい声になってきたとはいえ、所詮、駐車場の出口の料金支払機や、銀行の自動支払機のレベルです。  勉強や、仕事、生活に不可欠な情報をインターネットで入手する場合は、仕方なく我慢なさっているわけですが、長く聴いていると大変疲れるそうです。

「声の花束」でも、サイトへの接続、聴きたい項目の選択までは、やはり人工音声を使いますが、 内容が「人の声」で聴けるのでインターネット上では珍しい「人の声」による情報提供ということで、聴き易さが喜ばれています。読み手は、 内容を理解した上で声に出して読んでいるわけですから、単に活字を音に変えているのではなく、 意味を伝えるための発声になり、聴く側はそれに助けられて内容が楽に聞き取れます。

ですから、音訳にあたっては必ず下読みをして頂いて、内容を理解して頂いてから読んでいただきます。準備なしに読んでいただくと、たとえ読み間違えがなくても、聴いていて、今ひとつ解りづらいでき上がりになってしまいます。視覚障害者以外の方で、病床で聴いている方、ご自宅で一人で聴いている方には、回線の向こうがわに「人の温もり」が感じられると喜ばれています。 

メインコンテンツを週刊誌にした理由

視覚障害者にとって、週刊誌というメディアは書物の中でも特になじみの薄いものでした。学業、仕事、生活に必要な書物は、点字、テープ、拡大写本、対面朗読といったかたちで、その内容を入手することが可能です。新聞も、家族や図書館の対面朗読ボランティアに読んでもらうことが習慣となっている方が多いようです。しかし週刊誌は、娯楽性が高く、わざわざ他人に読んでもらうまでもない頼みづらいといったことで、縁遠いものになっています。 

また、配達してもらえる新聞と違ってわざわざ買いに行かねばならない雑誌類は、入手自体が困難なものです。 さらに、電車の中吊り広告を目にすることもなく、新聞の広告欄までは読んでもらっていない視覚障害者には週刊誌を選ぶということも困難です。 これは視覚障害者だけではなく、外出困難な身体障害者、高齢者にも同様なことです。

コンビニや書店で立ち読みする面白そうな記事があるので買って拾い読みするといった、一般の人が週刊誌と接しているスタイルが、 「声の花束」なら可能になります。 週刊誌は、今までウェブ上にないコンテンツでした。週刊誌の記事は短時間で気軽に視聴できる、 また誰でも簡単に入手できるので音読ボランティアとして参加しやすいということも利点です。

視覚障害者のパソコン、インターネット利用について

ここ数年、ハード、ソフトの発達で、視覚障害があっても、パソコンが使えるようになりました。

1.視覚障害者用のソフト・ハードについては点字をお使いになれる視覚障害者のための支援ツールには、 ハードでは点字によってパソコン上の画面情報を点字で知るための点字ディスプレイがあります。点字ディスプレイはカーソル行の、 あるいはポインター位置の文字がピンの凹凸で提示されるようになっています。 その出力をサポートするソフトウェアと組み合わせてパソコンで利用できます。
 
また、文字入力したものを点字でプリントアウトするためには、点字プリンターがあります。活字を点字として出力するには、 点訳ソフトが必要です。点字ディスプレイも、点字プリンターも、大変高額なものだということで、なかなかご家庭でお使いになるのは難しいようです。 また視覚障害者で点字を体得していらっしゃる方は一割以下です。

そこで音声を使って、視覚障害のある方が楽にパソコン上の文字を読んだり入力したりできるようなソフトが一般的に使われています。ウィンドウズの画面情報に対応して、メニュー画面等を読み上げてくれるもの、一般にはスクリーンリーダーと呼ばれるものがあります。マウスが使えない視覚障害者の方のために、テンキーをつかってウィンドウズの操作ができるようになっています。

漢字の入力に際しては、仮名入力したものを漢字変換する際に漢字を音声で確認する必要があります。これは、漢字の詳細読み機能と呼ばれています。例えば、「あさ」と入力して漢字変換しようとすると、「朝日の朝、麻袋の麻、と変換候補を読み上げていき、選択できるようになっています。 また、画面上のテキストを音声で確認したい場合、音声読み上げソフトと呼ばれるものがあります。

パソコン、インターネット利用についてこうした技術の組み合わせで、視覚障害者用のメール用のソフト、 ワープロ用のソフトが製品化されています。私の知り合いの視覚障害者の方は、パソコンを覚えて、初めて手紙が書けた、 日記がつけられたと喜んでいらっしゃいます。

私宛のメールも誤字脱字がほとんどありません。また、 弱視の方のためには、コンピュータの画面上に並ぶ細かな文字やアイコンを見やすくするための 、画面拡大機能や画面色の変更機能を持つソフトウェアがあります。

インターネットの閲覧に際しては、音声ブラウザ が使われます。「音声ブラウザ」とは、視覚障害のあるかたなど、 音声でWebを閲覧したい方々のために開発された「Webページ読み上げソフト」のことです。 音声ブラウザの登場により、視覚障害者の方々にもインターネット利用が簡単にできるようになりました。

先ほどお話した画面読み上げソフト(スクリーンリーダー)と違うところは、「通常のテキスト部分は男性の声」、「リンク箇所は女性の声」というような読み分けをしたり、画面には直接表示されない「画像の代替テキスト(ALT属性)」や「フレームに関する情報」などを音声で知らせてくれるなどのナビゲーション機能が充実している点にあります。
 
日本では、Netscape Navigatorや Internet Explorerなどの一般ブラウザをエンジンにして動作するものが主流です。富士通の「眼の助」、日本アイビーエムの「ホームページリーダー」が有名ですので、そういった製品の名前をお聞きになったことがおありかもしれません。実際にそのようなソフトでサイトに接続すると、次のようにサイトが読み上げられていきます。 
1)まず、その「ページタイトル」を読み上げる。

2)ページの中身、書かれていることを「男性の声」で読み上げる

3)ハイパーリンクがあった場合、その部分を「女性の声」で読み上げる。

4)画像があった場合、代替テキストが指定されていれば、それを読み上げる。指定されていなければ、何も読み上げません。

5)画像にハイパーリンクがある場合、代替テキストが指定されていれば、それを読み上  げる。指定されていなければ、リンク先のファイル名を読み上げる。このソフトも、マウスの代わりに テンキーによって、あらゆる操作が行なえるようになっています。

インターネットに関しては、そのサイトのデザインが視覚障害者が利用する音声ブラウザに対応しているかというのが一番大切なことです。最近はバリアフリーウェブに関する理解が進み、企業のサイトなどではあらかじめその点に留意してサイトが作られています。
では、視覚障害者の方がインターネットを利用していく場合、どんなバリアがあるのでしょう。
それに対して、「声の花束」では、どのように解決しているのかを2つの点についてお話したいと思います。
@サイトのデザイン現在では、先ほどご紹介したような音声ブラウザを利用してインターネットを楽しんでおられる視覚障害者の方々が沢山いらっしゃいますが、とはいえインターネットの急速な普及と並行し、マルチメディア化が進みWebのスタイルはビジュアル的なアプローチを追及する方向へと進みつつあります。そして、それに伴い音声化も困難になりつつあるのが現状です

「声の花束」では、「眼の助」、「ホームページリーダー」といったソフトで閲覧している方々のために、次のような点に留意してサイトを作成しています。
ホームページ作成に使われるHTML言語に関係する、少々細かいお話になりますが、今日はご自身でホームページをお作りになっている方が何人もいらっしゃると伺っておりますのでご参考までにご説明いたします。

1)各ページの先頭には必ずタイトルを入力しております。タイトルがないと、ホームページリーダーは「無題 http://www.koetaba.netを読み上げます」というメッセージを初めに読み上げます。ここでタイトルが「声の花束トップページ」と入力されているので、「声の花束トップページを読み上げます」という音声メッセージを出すことができます。

2)ページ上のアイコンや画像には、必ずコメント(ALTタグ)をつけています。皆さんも、アイコンや画像にマウスポインタを近づけると小さな吹き出しのようなものが出て、そのアイコンや画像の内容が文字で出てくることにお気づきでしょう。それがコメントとして読み上げられるのです。そうしないと、極端な例ですが一面いっぱいに画像だけがあるページの場合、無音になってしまい、見えない方には「空っぽ」のページとなってしまいます。

3)画像がハイパーリンクになっている場合、ホームページリーダーはその存在を音声で知らせます。コメント(ALT タグ)がある場合はその文字列を、ない場合はそこで記述されているリンク先のURLアドレスを女声音で読み上げます。いずれの場合もユーザーはハイパーリンクの存在を認識することはできますが、コメントがあればよりすばやく正確にその意味を理解することができます

4)文の途中で強制改行を入れていません。強制改行があると、ホームページリーダーは文の区切りとして取り扱うので、音声情報に置き換えられたとき、予想外の場所にポーズが置かれ、聞き取りにくい文章になってしまいます。例えば、「旅行」の旅と行くの漢字の間に強制改行があると、「旅行」とは読んでもらえず、「たび、ぎょう」と読まれてしまいます。文の途中では
タグ(強制改行)は使わず、改行位置についてはブラウザに任せるようにしています。

5))また、聴いていて「迷子」にならないように今聴いている所がサイト内のどの部分なのか、もとに戻るには、先に進むにはどうすればよいかが分りやすいように、サイトの構造はできるだけシンプルにしています。「声の花束」の編集室では、視覚障害をお持ちのユーザーの方々に、ご意見を伺いながら、それをもとに改善を重ねております。 


ネット上の課金システム 視覚障害者にとって、クレジットカードの所有は署名ができない、伝票確認ができないといったことからバリアの高いものだそうです。インターネット利用の視覚障害者の方が、ネットショッピングをしようとしても、有料のソフトをダウンロードをしようとしても、料金がクレジット決済の場合が多く、諦めざるを得ないということです。

「声の花束」をスタートするとき、私たちは、その実情について不勉強でしたので週刊誌の有料コンテンツについてはniftyの有料サイトでクレジットカードによる課金を実施してまいりました。すると「クレジットカードではなく、現金支払いで登録手続きする方法はないか?」との声が数多く寄せられてまいりました。 そこで、視覚障害者の方々とクレジットカードの問題に気づいた次第です。

そして、この問題について、社)日本クレジット産業協会にご相談いたしましたところ、必ずしも視覚障害ゆえにクレジットカードが利用できないわけではないというお返事でした。というのは、4月1日に、「IT一括法」でクレジットカードに関する割賦販売法も改正され、これまでは書面が絶対不可欠で、その上に電話、電子メールなどでの照会などが可能だったのが、4月以降は「電子書面のみ」のデータのやり取りで会員規約、利用明細書を送付することが可能になり、これを音声化ソフトで「聴いて」もらえる、申し込み時の署名は、ハンコでもいいはず、ただし加盟店に、その旨が周知徹底しているかが問題だ、というお話でした。結局、実際は視覚障害者の方でクレジットカードを所有している方は少ないだろうということでした。

  そこで、「声の花束」では、6月からniftyの有料サイトとは別に、現金支払いにて有料コンテンツの配信を受けられるサービスを開設いたしました。その結果、今まで会員になりたくてもなれなかったという方たちからのお申し込みが増えてきております。

☆新しいボランティア活動の場としての「声の花束」
「声の花束」の制作過程では、ボランティア希望者の、時間・空間の制約を取り除くために、全国に分散している音訳ボランティアと協会の間のインターネット上のやり取りで音訳作業がおこなわれます。仕事があって時間が自由にならない、子育てで外出ができない、高齢、あるいは身体障害があって外出が難しいといった方々にも参加していただける仕組みですので、そういった方々がネットを使って社会参加、社会貢献できる場として音訳ボランティア作業を楽しんでくださっています。 

自宅で録音して、音声ファイルをメールに添付して協会に送るという作業で、はじめてボランティア活動ができたという方も沢山いらっしゃいます。 また、パソコン教室に行ってパソコンが使えるようになったが、たいした使い道がないと思っている方たち、 せっかくの技術を役立てたいと思っている方たちのお気持ちが活かされる場にもなっております。

毎週、決まった時間に必ずいらしてくださって、お手伝いくださる編集ボランティアさん、お目にかかったことがなくても、きれいな音声ファイルを毎週お送りくださるボランティアさんは、本当に頼もしくありがたい存在で、「声の花束」は、そういう方々のお気持ちの花束がネットで皆さまに届けられていくという気がいたします。

「声の花束」の今後の課題

1.パソコンが使えない人たちのために最近、「声の花束が聴きたいのですが、パソコンができません」というお問い合わせが何件かありました。確かに、視覚障害者の方々について言えば、パソコン利用は始まったばかりでお勉強中の方も含めておよそ4000人、日常的にご活用の方は1500人だと聞いております。「声の花束」を御利用頂きたい御高齢の方、ご病床の方には、すぐにパソコンをマスターして頂くのは難しいでしょう。それでもやはり、その方々にも、「声の花束」を聞いていただきたいという思いでおります。

テープに再録音してみてはとも考えました。でも、それでは皆さんが一番楽しみにしていらっしゃる週刊誌の部分を、発売週のうちにお届けするのが難しくなります。また、カセットテープは言ってみれば巻物のようなもので、お好きな記事を選択して「拾い聴き」して頂くというようなわけにはいかず、「声の花束」の良さは御利用いただけません。質問を交えながら

視覚障害者の方々が、プレックストークという機械を使って聴かれる、CD-ROMに焼き付けるデイジー録音図書、 これは検索機能がありますのでとても便利なものですが編集作業に大変手間がかかり、発売週のうちにお届けすることも、 月額300円というのも難しくなります。

そこで最近評判の、パソコン以外のインターネット端末「テレビでインターネット」と言われているようなもので「声の花束」が御利用いただけないかと思っております。

その場合、今の「声の花束」で採用している音声ファイル形式、これはリアルオーディオで、MP3のさらに4分の1に圧縮できることから、遠隔地のボランティアさんからメールに添付して音声ファイルを送っていただくことが可能になっているのですが、この音声ファイルがその端末で再生できるかどうかが問題になってきます。

そのような端末にはハードディスクがありませんから、リアルプレーヤーをダウンロードすることはできません。 あらかじめ搭載していればよいのですが、今のところないようです。また、全盲の方が、現存のそのような端末をご利用なされるかどうかは分りません。 音声ナビゲーションがなくてご無理かもしれませんが、将来視覚障害者が簡単に使えるインターネット端末が登場するかもしれません。

弱視の方なら、おそらく大丈夫でしょう。テレビなら画面が大きいですから、かえって良いかもしれません。またご高齢の方、ご病床の方といった方たちには、パソコンよりも簡単で、すぐにでもお楽しみいただけるのではないかと思います。

今後、リアルオーディオが再生できるインターネット端末ができること、あるいはブロードバンド化が進んで、 通信環境が改善されて大きなファイルが簡単に送受信できるようなって、 ボランティアとの音声ファイルのやりとりがインターネット端末で再生できるファイル形式でできるようになれば、これは実現すると思います。

  2.個々のニーズに応えるように定期的に配信される雑誌、自治体の広報、あるいはライブラリーの小説以外にも「これを読んでほしい」という方と、ボランティアの橋渡しができるようになればと思います。

例えば、「○○新聞の誰々さんの書くコラムを毎週読んでくれないか?」というご依頼をサイト内で掲示して「その新聞なら、 私も購読しているから、読んであげましょう」という方に音訳ファイルを協会に送って頂いて、それを転送する、といったことです。 これなら、受ける側には遠慮もなく、提供側も気楽に手助けができると思います。知らない人と「お願いします」「やってさしあげます」 という個人的なやりとりをするのは億劫だという方には、こんなことも便利なシステムかと思います。ただ、この場合、 音訳する原稿の著作権の許諾がどうなるのかが問題になってくるでしょう。

視覚障害者のパソコン利用について最後に、参考になるサイトをご紹介します。

(タイトルをクリックしますとHPへ行きます)

1.Webアクセスを考える会http://thinkman.cup.com/ 
視覚障害者のパソコン利用の現状を訴え、ユニバーサル・デザインによる情報のバリアフリーに配慮したWebサイトの製作に理解と協力を求め、Webアクセシビリティーの向上を図る事を目的として結成した会。「音で楽しむインターネット」と題するメール・マガジンを発行しています。

2.IBMバリアフリーの扉 http://www6.ibm.com/jp/accessibility/
ホームページリーダーなどのソフト情報、視覚障害者に聞き易いホームページ作成法などの情報。サイトのバリアフリー度を診断するi-Checker がダウンロードできます。 ご自分のホームページをお持ちの方は、是非一度、診断なさってみてください。

3.バリアフリーWEBデザインガイド  http://www.din.or.jp/~hiro-/barrierfree/
視覚障害者が利用しやすいバリアフリーなページを作るためのノウハウ集。個人の方が作られたサイトですが、バリアフリーウェブを作る際の手引書として有名で、私どもも参考にしております。

4.全国視覚障害者インターネット接続支援連絡会(ASV)  http://asv.jp.org/
インターネットの設定およびソフトのインストールをするときに、どうしても画面を見なければいけない場面が発生します。視覚障害者のインターネット利用の支援を目的としたボランティアの活動紹介や技術情報のページです。神田雑学大学の皆さんの中には、パソコン教室の講師やサポーターをなさっておられる方もおいでだそうですが、どうか皆さまのお力も、こうしたところでもご発揮いただければと思います。

5杉田正幸HP   http://www.people.or.jp/~sugita/
大阪府立中央図書館書士 杉田正幸氏による視覚障害者の情報処理関係の情報です。ご自身の論文の他にも、参考文献、サイトなどが系統的に紹介されている、大変充実したサイトです。

6.和波たかよしHP   http://www.music.co.jp/~wanami/" 
国際的なヴァイオリニストで全盲の和波たかよしさんは、パソコンのヘビーユーザー。音楽活動に関する話題の他に、御自身のパソコン活用のお話、エッセイ等が掲載されています。彼のエッセイの中に「視覚障害者への対応マニュアルなどというものがあるそうだが、電気製品じゃないんだから」というくだりがありまして、私は大変考えさせられました。

先日、障害者が行きやすいレストランなどを紹介するサイトの方とお目にかかったときも、「バリアフリーだっていうことで、段差をなくす、車椅子用のトイレを作るというけれど、じゃあ車椅子で行ってみたら、不便はなくても迷惑そうな表情で店員に対応されたら、これは駄目。階段があって車椅子で入れなくても、お店の人が車椅子を担いでくれて、『いらっしゃいませ!』と歓迎してくれたら、十分バリアフリーです」とおっしゃっていました。

「声の花束」でも、より良いバリアフリーウェブサイトを目指すと同時に、いつも社会参加が阻まれがちな立場の方々への共感を忘れずにいたいと思います。一方的な配信ではなく、ユーザーの方からのお声が届くオンラインコミュニティになること、そのお声を反映して、その方たちが必要とするものを提供していくこと、その方たちの状況の改善に、サイトの外でも協会の活動の中で取り組んでいく努力を続けていきたいと思います。ありがとうございました。

(拍手・拍手・拍手)

★真の市民社会を目指していかがでしたでしょうか。
有史以来、私たちは
1)先ず「政府・行政セクター」という制度をつくり、

2)やがて経済活動が活発になってきて「企業セクター」という組織をつくってきました。しかし、このままでは「支配」「管理」という概念だけが社会を覆い、一般市民の幸せは彼方のままだという思いから、

3)第三のセクターとして「市民セクター」の醸成を目指すようになりました。ただし、この流れの源は自我 個性を尊重する欧米文化の土壌から生まれたものです。が、もはや「市民セクター」の考え方は、世界民主化の時代では地球上の普遍的なものとなってきていることは、皆さまご承知の通りだと思います。端的に言えば、市民セクターの成長がその国の民主度、あるいは強さに繋がるのです。

そういう眼でわが国を見てみますと、「お上」意識の強さに今さらながら驚愕することが多々あります。丁度そんなとき、 某首相はしきりに「構造改革」と言い始めました。しかし、その「構造」とはいったい何でしょうか?そうです。

「真の構造改革」とは、まさに「市民セクター確立」「NPOの成長」を指すのです。市民参加は、市民権、民主主義の根幹に関わる問題なのです。 そういう意味で、「フィランソロピー」に賭けている徳永さんは、もしかしたら21世紀の日本を救う聖女! かもしれませんネ。

文 責:ほし ひかる
写真撮影 :橋本 曜
HTML制作:上野 治子