11 8日神田雑学大学講座

カスピ海ヨーグルト

講師  市川加代子

目次

♪講師紹介
♪カスピ海ヨーグルトの由来
♪カスピ海ヨーグルトと市販のヨーグルトの違い
♪牛乳を飲んでお腹がゴロゴロするのは…
♪カスピ海ヨーグルトの健康効果
♪カスピ海ヨーグルトの作り方
♪保存方法
♪おいしい食べ方



<講師紹介>

 今日の講師は、ジャズ歌手であり、神田雑学大学理事でいらっしゃる、市川加代子さんです。今日は、元気で毎日を過ごしていくために、近頃、関連の本が多く出版されるなど、巷で話題のカスピ海ヨーグルトについて、お話いただきました。

 <カスピ海ヨーグルトの由来>
1985年に、京都大学名誉教授である家森教授がコーカサス地方(旧ソ連のグルジア共和国の黒海とカスピ海に挟まれた地方)から持ち帰ったものが、カスピ海ヨーグルトであるといわれています。このコーカサス地方は、世界有数の長寿地域であり、ただ生きているのではなく、元気に動き回っている100歳以上の人がとても多いそうです。そして、そこコーカサス地方に住む人々は、平均して、毎日、どんぶり1杯くらい摂っており、来客の際には、お茶代わりに出すこともあるそうです。

 ヨーグルトというのは、ご存知のように、発酵乳です。シルクロードをさまざまな民族が行き交った中で、発酵させて飲んでいた遊牧民族の影響もあって、コーカサス地方に発酵食品としてヨーグルトが定着したようです。発酵食品として日本では、醤油、味噌、納豆などが代表的で、今は、ほとんどの人が買うようになったけれども、昔は家で作っていたため、各家庭により味が違っていました。それと同じように、ヨーグルトも一軒ごとに味も成分もすこしずつ違っています。実は、今、カスピ海ヨーグルトと騒がれているものも、家森教授が持ち帰ったものがすべてではなくて、ヨーロッパを旅行した人が持ち帰るなどして、いろいろなところから、広まっているようです。

<カスピ海ヨーグルトと市販のヨーグルトの違い>
カスピ海ヨーグルトが市販のヨーグルトととの違いというのがどこかといいますと、販売ルートにのらない部分があるんですね。それはなぜかといいますと、既製の法律にそぐわないんですね。乳脂肪固形分8%以上でなくてはいけないとか、乳酸菌の酵母数が幾つ以上でなくてはいけないとか、大腸菌が陰性でなくてはいけないとか、容器包装など、規制があります。そういう点から言うと、たとえば、カスピ海ヨーグルトの発酵の温度は人肌程度であり、40度になってしまうと高すぎるので、高温殺菌ができないということで、やはり、販売ルートにはのらないということになってしまうんですね。

<牛乳を飲んで、お腹がゴロゴロするのは…>
牛乳を飲んで、お腹がゴロゴロするという人がいますよね。そういう人は、体内の乳糖の消化酵素が少ない人なんですね。例えば、お酒を飲むと、赤くなる人がいますよね。お酒を飲むと、みんな体にアルコールが入るのは一緒なのだけれども、赤くなる人とならない人がいるのは、アルコールを分解する酵素を体内に持っているか、いないかによるんです。日本人は基本的には、赤くなる人が多いのは、酵素を持っていないからなんですね。

 ただ、ヨーロッパやアメリカの人たちは、酵素を持っているので、お酒を飲んでぱっと赤くなる人は少ないですよね。やはり、同じように、牛乳でお腹がゴロゴロするという方は酵素を持っている量が少ない方なのですが、ヨーグルトにした場合、牛乳からヨーグルトに変わる段階で、お腹がゴロゴロする成分は分解されるんですね。ですから、牛乳に弱いという方でも大丈夫ではないかといわれています。心配なときは、少量から始めてみるようにするといいということですね。

<カスピ海ヨーグルトの健康効果>
カスピ海ヨーグルトは、癌への免疫力を高める効果があるとか、ピロリ菌や
O157を抑える効果があるなどといわれていますが、発酵温度が低くて殺菌ができないということもありますから、日本は多湿で、わりといろいろな菌があるので、大腸菌が混ざらないように気をつけなければいけないのですが、意外と簡単に作ることができます。

 市販のヨーグルトとどのように違うかということですが、最近、話題になっているのが、プロバイオティクスヨーグルトというのがありますが、ご存知でしょうか。これは、乳酸菌が生きたまま腸に届くということらしいのですが、乳酸菌が死んでいても関係ないんですね。乳酸菌が腸の中でどういう働きをするかというと、乳酸菌自体が動くのではなくて、乳酸菌が死んでいても、生きていても善玉菌のエネルギーになるらしいですね。だから、料理などに使って、熱を通しても、問題がないということなんですね。

 で、あの、ビフィズス菌とかいうのが森永のビヒダスとかに入っていますよね。これは、ヨーグルトメーカーがあれば、ビフィズス菌の入ったビヒダスをちょっとと牛乳を入れてヨーグルトメーカーに入れると、同じ物ができる、ということなんですね。このヨーグルトメーカーも一時期流行ったのですけれども、このヨーグルトメーカーは、発酵温度がだいたい、40度くらいになっていますから、カスピ海ヨーグルトはこの機械を使うと、菌が死んでしまうので、この機械は、使えません。市販のヨーグルトは発酵温度がかなり高いんです。だから、衛生基準にも問題なく対応できるということなんです。

<カスピ海ヨーグルトの作り方>
では、作り方をご説明いたします。作り方は、簡単なんです。きれいな容器に種菌と牛乳を入れて置いておく。ただ、それだけ。とっても簡単なんです。でも、そこで、問題なのが、大腸菌を発生させないことなんですね。一番オススメの方法は、いろいろなところで紹介されていますが、牛乳パックを使う方法なんですね。1リットルの牛乳を買ってきて、牛乳を3分の2くらい飲んでしまって、残った牛乳に牛乳パックの半分くらいまで種菌を入れて振って混ぜます。カスピ海ヨーグルトの特徴は、菌が空気を必要とするということなので、密閉してはいけません。

 空気に触れさせてあげなければいけないので、牛乳パックの口をすべて広げた状態で、ティッシュをかぶせて輪ゴムでとめて室内に置いておくと、夏場は5,6時間でできてしまいます。冬場になると、なかなか発酵しないので、2リットルのペットボトルの底を切って牛乳パックにかぶせられる形にします。そして、それを黒いビニールで覆って日があたるところに置いておくととても良い保温状態になって冬でも早くできるそうです。このときにも、空気が通るように覆うことに注意しないといけないんですけれども。乾燥しないように注意することも大切です。また、種菌を多めにすると発酵がしやすくなるようです。そして、固まったら、冷蔵庫に入れておきます。

<保存方法>
これから作っていくというときに、失敗してしまうことが考えられるかと思うのですが、そういうときのために、少し菌を冷凍室にとっておくんですね。そして、失敗してしまった時には、必ず自然解凍してください。電子レンジなどではなくて絶対に自然解凍してください。常温で戻すと、上のほうに透明な水のようなものと、下のほうに白っぽいものがたまります。これは、どちらでも作ることができますが、オススメは、上のほうです。上のほうの透明な液体を取り出して、その量の倍の牛乳とあわせて、発酵させます。

 ここから取れる透明の液体は少しなので、はじめは、ヨーグルトも少ししかできませんね。ですから、また、少しずつ、増やしていくようにしてください。なぜ、上のほうの液体を使うのかというと、上のほうの液体で作ると滑らかなヨーグルトが作れます。下に沈んだほうは粒状です。少しざらざらした感じなので、それに牛乳を混ぜて作ることもできるんですが、やっぱりざらざらした感じのヨーグルトになってしまうので、上の水分を使ったほうがいいと思います。

 それから、固まり具合が悪くなってきた時には菌を休ませることが必要になるのですが、休ませる方法は2つあります。1つは、種菌を牛乳パックのようなものに入れて、新聞紙でくるんで保存するというもので、これで、1ヶ月は保存できます。もう一つの方法は、今、お話しした、冷凍保存の方法です。この2つの方法に共通して、ちょっと気をつけて欲しいのが、食べたものの残りを保存するのではなくて、出来上がったものを別の容器に移して保存し、残りを食べるということです。これにちょっと気をつけてください。

<おいしい食べ方>
もちろん、そのまま食べることはできますが、ヨーグルトがあまり食べなれていない人は、いちばん簡単なのが、ドレッシングに入れたり、マヨネーズと混ぜたりするのが良いかもしれません。あとは、お肉などを焼く前にちょっとヨーグルトにつけておくと、やわらかくなったり、ケーキに使う、トーストに塗る、ミックスジュースにする、カレーに入れるなど、いろいろな使い方ができます。発酵する時は
40度以上になってはいけないのですが、出来上がったものを食べる時には高温になっても問題ないのです。

 これを食べつづけると、カルシウムが摂れるという面でもいいですし、便秘が治ったり、やせたという人、肌がきれいになったという人もいますから、試してみるといいのではないかと思います。

 市川さんがカスピ海ヨーグルトの試食を用意している間に、神田雑学大学の世話人であり、りんごの里・アンバサダーである三上さんからりんごの食べ方の提案がありました。

 「まず、古くなってしまったりんごを適当な大きさに切り、皮付きのまま、水で煮ていきます。しばらくすると、薄いピンク色の汁が出てくるのでそれを飲むと砂糖を入れないでも甘く、体にいいような感じがするんですね。りんごの皮と身の間に、癌の細胞を自滅させる効果があるということです。その効果は、熱を加えても失われないので、生で食べるよりもいいということなんですね。そして、その汁を飲んだ後の実はするかというと、潰してジャムのようにして食べる。

 こうすると、非常に上品な味がしておいしいので、りんごを生で食べるのに時期を逃してしまったら、ぜひ、試してください。皮が気にならないし、おいしくて体にいいので、試してみてください。カスピ海ヨーグルトとの関連ですが、私も毎食後、食べていて、そのままでは、飽きてしまうということで、砂糖とレモンを入れてみたりしていたのですが、このりんごを入れてみたところ、非常においしく食べられます。」

 この後、果物がたっぷり入った、市川さん特製のカスピ海ヨーグルトを試食しました。ヨーグルトの白色が苦手だという人のために、ブルーベリーのソースが入って、目にもおいしいヨーグルトでした。


テキスト制作:平井裕子 写真撮影:橋本 曜 HTML制作:田口和男