12 6 日神田雑学大学講座

ハワイ学入門

講師 大門十樹


国際教育スポーツ文化財団日本の大門と申します。

ハワイには(アメリカ全般にそうですが)たくさんの非営利団体( NPO )のボランテア グループがあります。クリントン元大統領は“教育”という大変地味な公約を掲げて再選を果たしました。その頃、アメリカは景気のはざまで失業者も多かったのですが 雇用をどこへシフトするかで悩んでいました。

その頃、たまたまIT産業が台頭してきてシリコンバレーが、あるていど雇用の受け皿になりつつあったのですが、クリントンは教育という公約を掲げながら、その底辺には無税で非営利団体の活動を育てていこうという考えがありました。

NPOの活動はアメリカにキリスト教徒が多いという宗教的な慈善団体と個人主義によるNPOがあったわけですが、この頃に税制で優遇したこともあってNPOの数が急増しました。年収300万から700万ドルの人がNPOに勤めることによって、かなりの人をシフトすることが可能になりました。

わたし供もハワイの財団ですのでNPOの範疇に入ります。これを日本と比較してみますと 日本では税制という面で殆ど保護されていない。しかし補助をうまく使って活動しているといえるかと思います。日本のNPOの資金源は自治体その他の補助をあてにしたものが多いのですが、アメリカの場合は収益事業を行いながらその利益で運営していこうという動きが強いように思われます。

 こうした背景がありますのでアメリカの場合は独立独歩、自分で稼いで活動を展開していくという動きが顕著になるのだと思います。

私どもの「国際教育スポーツ文化財団」も文字どうり教育、スポーツ、文化の三つのテーマを中心に国際交流を指向していろんな機会を提供していくというのが活動の中心になっています。お手元にあるパンフレットの写真は殆どこれらの交流の実績をとったものです。

範囲は非常に多岐にわたり子供のフットボールや学生のバスケットボール、老人の倶楽部同士の交流など、どんどん広がっていきます。

 ハワイ大学の語学研修講座のアシストや個人としてハワイのNPOに参加したいという方々の斡旋やビザの申請手続きなどをやっております。例えば日本で福祉の仕事をしているのだがハワイでアメリカの福祉活動を実際に学んでみたいとか日本語研修の方法を勉強しているのだがハワイの小中学校で実際にやってみたい方々の援助をしたりしています。

一般論として率直に申しますと日本人は私を含めて本当に英語が下手です。これは意気込みが違うからです。日本の英会話スクールに入っても一回一時間ぐらい練習すると、すぐ日本語の世界にもどって復習、予習もしない。こんな状態ではいくらお金をつぎ込んでもモノになりません。ハワイで英語をマスターしようとしてやってくる他の国の人たち、たとえば中国やフイリッピンやタイの人たちは一部屋で数人の人が寝泊りするような環境で 母国語を一切切り離して死にもの狂いで勉強します。こんなことを一年ぐらいやってどうにか英語の講義についていけるぐらいのレベルになるのです。

日本は豊かになったからでしょうか。甘えが目につきます。

 英会話を学ぶ前に英語そのもの、つまり中学校、高校で教えている基礎を学んでほしいのです。

 これまでの交流実績を申しますと1988年、ソウルオリンピックが行われた年ですが アメリカから頼まれて私を含めて数人が子供たちの交流の引率者として行ったのがはじまりです。それまで私はハワイが嫌いで気乗りがしなかったのですが実際に行ってみてハッ

としたことがあります。着いた日にホストファミリイがハワイの子供を連れてきて挨拶して家に連れていく。翌朝子供同士がホストファミリイに連れられてくるのですが子供同士互いの相手の言葉は全然知らないのに笑いながら遊んでいるのです。

これが国際交流の原点だと思ったのです。

 ハワイに行った人は病みつきになって毎年行く人が多いようです。ハワイの魅力とはなんなんでしょうか。

環境がいい。アロハスピリットにあふれた人との出会い。もあるでしょうがハワイの人の一端をお話ししましょう。私の意見では、いわゆる田舎ッぺ すなわち素朴で誠実な面があると思います。あとは空気と水 そして風があります。ハワイの水は二十年前に降った雨が濾されてでてきたものです。それから時間が止まったと感じる場所だと思います。

 昨年9月11日のテロによってニューヨークを訪れる観光客が激減しましたがハワイも かなりの影響をうけました。かっては日本各地から一日4000人ほどの人がホノルルを訪れていましたが事件直後は激減し六ヶ月たった3月ごろからやっと以前の水準にもどりました。バブルの絶頂期には7千人から8千人もの人が訪れていました。

 3月の統計で世界からハワイを訪れた人は57万人。このうちアメリカ人が58%日本人が22%で外国人ではダントツです。また日本人の平均滞在日数は9.1日とかなり長期間滞在しています。またホテル代を含む滞在費の平均は一日170ドルでした。

このうちホテルの宿泊費はオアフ島の平均で110ドルです。

ハワイアン倶楽部をうまく利用されますと50$ぐらいですみますので是非ご利用ください。

最近のアンケートで世界で一番住みやすいところはカナダのバンクーバーでそうです。

世界のランキングのなかでハワイは27位ですがアメリカではトップになっています。

次はボストンが37位ですが日本の都市はひとつも入っていません。

 ハワイの歴史をたどると、おおもとはポリネシアンの人たちが丸木舟か帆船かわかりませんが辿りついたのが始まりという説と、もともと原住民がいたという説もあります。

私の感じではタヒチの人たちの風俗、習慣が似ているようで部族同士の反目、闘争なども きわめて似ていると思います。

 ハワイには軍事基地になっている島を含めて八つの島がありますが、それぞれに部族が 違っていてこれを統一したのがカラカウア王朝です。

明治のはじめに、ここの王子に日本の皇族がお嫁にいくという話もありましたが結局実現しませんでした。結局カラカウア王朝はハワイをアメリカに売ったわけです。

それをビショップ財団という大きな財団にして運営しているわけです。この財団は非常にドライな財団で日本人とは意識も考え方もかなり違っています。

 ハワイといえば日系人を連想する人が多いのではないでしょうか。アメリカにはハワイを初めシアトルその他日系人が多くいますが、ここにおられる方々、すなわち60歳前後までは日本の宗教に拘りを持っていますが三世、四世となってくるとクリスチャンの比率が多くなってきます。これが二世ですと日本に対する郷愁が強いせいか各宗派の会合には万難を排して参加して日本を偲んでいるわけです。これが盆踊りのような行事に便乗して 文字どおりお祭り騒ぎになるわけです。

ハワイの人口は121万人ですが日系人はその17%を占めています。いわゆるハワイアンは12%に過ぎません。30%強がアメリカ本土から来たひとで残りは東南アジヤほか いろんな国からやってきた移民です。

 ハワイ大学の話をさせていただきますと、ハワイ大学の本校に在校生が21000人、その中に英語研修を司るセクションがあって日本人を含むアジヤ、他のひとが語学研修にやってきます。日本人が約8%ですから1700人ぐらいの日本人が学んでいるわけです。語学研修の効率をあげるために初級、中級、上級のクラス分けがありますが、殆どの日本人はベーシックといわれる初心者コースにひしめいているわけです。

 英会話を勉強してハワイ大学の講義についていけるようになるには会話だけでなく英語そのものを必死に勉強しなければ出来るものでなく、その点日本人はまわりに日本人が多いせいか甘えがあって上達しません。その点韓国やベトナムやミャンマーなど最初から明確な目的を持ってきたひとは、それはそれは厳しい勉強に耐えていくわけで日本人で本気にやろうとする人はそのくらいの覚悟がなければやっていけません。


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