神田雑学大学 平成15年7月25日 講義録 

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『楽しみながら フィジカル フィットネス』
NHK文化センター講師  前田 伸子(まえだ・のぶこ)

●講師自己紹介

 

 前田伸子でございます。

 今日、お話しする「フィジカル フィットネス」というのは、体力をつけて長生きするための生活法を探ろうというもので、それを誰でも、どこでも、いつでもできるようにというのがねらいです。

 あわせてダイエットにも有効ですから、女性はもちろん、中年以降の男性方にも無理なく受け入れられると思います。

 私は文部科学省認定のスポーツ・プログラマーという資格を頂戴しております。これは、健康のために運動をしたいが何をどうしたらいいのか、腕や手足を鍛えるための方法は何かというような疑問や質問に、適切な指示を差し上げることが大事な役目でございます。

 

●長続きさせることがフィットネスの基本

 

 もう30年も前のことですが、私は高脂血症の兆候を示す指数が330もありました。「これは大変」とお医者様に言われ、とにかく当時65キロもあった体重を減らそうと、ジョギングブームがくる前でしたが、ともかくやみくもに走りました。

 食事は野菜オンリー。その甲斐あって、1か月で体重は9キロ減りました。ところが風邪をひきました。急激な減量で、体力もなくなっていたのでしょう。そこでトレーニングをストップして普通に食べたら、1週間で、体重はすっかり元に戻ってしまいました()

 これではならじと、合理的なフィジカルフィットネスの勉強を始めました。

 以来30余年、現在に至っております。

 そこで会得したことは、まことに単純明快。健康作りの基本はたゆまず、気長に続けるほかないということです。

 

●運動を始めるにあたっての留意点

 

 体調の維持・向上のためにウォーキング、犬の散歩などを取り入れていらっしゃる方は多いと思いますが、運動なさる上で次の3点に留意して頂きたい。

 第一は柔軟性を養うこと。これには柔軟体操やストレッチングが有効です。これによってけがの予防ができます。

 従前の準備体操は弾みや勢いをつけて動きましたが、ストレッチは静かに筋肉を伸ばすことでより柔軟性を増すことが分かっております。ストレッチには、どこでも、誰でも、いつでも簡単にできるという利点があります。

 第二はエアロビクス。これは酸素を体に取り込む運動で、酸素を摂取することで、血液をきれいにし、循環器の活動を盛んにする。ジョギングなどで酸素を取り込むことも一法ですが、走ることは膝に非常な負担をかけることになりますから、初めて運動なさる方にはウォーキングがお奨めです。そのほか水泳、テニスなどが積極的に酸素を取り入れるエアロビクスということになります。

 アネロビクスというのは無酸素運動。エアロビクスとは反対です。五輪選手並みの100メートル走や、ウエイトリフティングは息を止めての運動で、その分、体に無理をかけます。ですから一般の方の運動はエアロビクスが最適というわけで、これは20分間続けることで効果が出てくるとされておりますが、最初、20分間がきつければ、5分でもいい、とにかく出来るところから始めることが肝要です。慣れてきたら時間を伸ばしていけばいいんです。

 第三は筋力トレーニング。何もダンベルやバーベルを使わなくとも実行できる方法があります。筋肉は使わなければ落ちますし、加齢とともに減少します。人間の体は筋肉で支えられているので、筋力が保てれば運動機能も保持できる。筋肉が働くときは脂肪を燃やすから、ダイエットにもなる。ひいては若さを保つ秘訣にもつながります。ただ、これは続けていかないと効果はありません。

 

●運動を続ける上での3本柱とは

 

 ではどうしたら、運動を続けていけるのか。三つのポイントがあります。

 第一原則は継続性であることはいうまでもありません。

 次は漸進性の原則。ソロリソロリ、できるところから少しずつやっていきましょうということです。大望み、高望みをしないで、できることからやりましょう。無理をしないでやりましょう。

 もうひとつはオーバーロードの原則。例えば腹筋運動など、最初は5回がやっとだった。しかし、続けているうち、楽々5回こなせるようになった。そうすると7回にトライする。こうして7回が10回とできるようになっていく。できるようになったところで、一段上の負荷をかけてトライする。これをオーバーロードの原則といいます。

 ともあれ、「フィジカル フィットネス」の要諦は、続けることにしかありません。

 繰り返しますが、無理が重なればトレーニングは苦行になってしまう。苦行になっては長続きはしません。

 あくまでできる範囲で、無理をせずに、一つずつ、気長にトレーニングを続けることで、けがをしない身ごなしを身に付け、有酸素運動によって循環器系を活性化、むだな脂肪を筋肉運動で燃焼させ、ダイエットにも……と、「フィジカル フィットネス」には一石二鳥三鳥以上の効用があることを知って頂いて、この後、実技に入りましょう。

 

(拍手)

 

以下 実技

 

 参考図参照のこと

 

 

●準備体操

 

首回し(左右各10呼間)   肩上下(10呼間2回) 肩回し(大小、前後各10呼間) 等々 10呼間が苦しければ途中中止するも可と再三注意あり

 

●ストレッチ

 

「呼吸を止めない、反動をつけない」、「他人と競争する意識を持たないこと」が肝要と注意あり

 

ストレッチに際しては40呼間が適当とされるが、体調、能力に応じて短縮可

 

運動・ゲームの始めに準備体操やストレッチをするのと同じく、終了後にもストレッチを実行することが望ましい

 

●筋力トレーニング

 

膝痛予防の筋トレ (ここでも「呼吸は止めない」注意再三)

膝の鍛え方 

森光子 吉行あぐりのスクワット鍛錬エピソード

 

腹筋のトレーニング 必ず膝を曲げる 腰を痛めないため

 

(休憩)

 

●心拍数

 

有酸素運動をしていると心拍数は少なくなる

マラソンの高橋尚子選手は、45。

 

220−(自己年齢)=最大心拍数

 

 この最大心拍数の60〜70%くらいの運動量が適量とされる

 

 心拍数を測る実技

 

●座ってのストレッチ

 

反動をつけないでという注意再三

呼吸止めないでの注意再三

 

●股関節のストレッチ

 

●腿を伸ばすストレッチ

 

●寝るポーズでのストレッチ

 

 起きあがるとき、反動をつけてヤッと起きると腰痛の原因になる。要注意

 





●二人一組でのマッサージ 和気藹々のうちにマッサージに

 

 

●最後は金魚体操で仕上げ

 

「毎日励行することが大事。この講座を機会に気長に取り組んでください。筋力は休めば三日で落ちるそうです。だから続けて三日は休まぬこと。雨の日など、踏み台昇降(ステップベンチ)をするとウォーキングをしたと同様の効果、いい全身運動になります。そうしたこともふまえ、ぜひお続けくださいますように」

 

(拍手 拍手 ……)

 


文責:阿部 宏、写真撮影:橋本 曜、HTML制作:田口和男