神田雑学大学 2004年2月6日講座

サルからヒトへ・その軌跡


講師; 神田雑学大学 山本 啓一

1 縄文から人類の起源へ

現居住地の松戸市には、身近に縄文時代の遺跡があります。縄文中期(4500年ご

ろ)には人が住んでいた跡があることから縄文時代に興味を持つようになりました。暇が出来てから、縄文時代の遺跡の見学や、歴史博物館を見て回ったり、縄文時代にもうピラミッドというすごい建築物を作っていたエジプトにも興味をもって、ピラミッドやスフィンクスを見に行ったり、世界各地の博物館を見学することを趣味にしていた時期がありましたが、2000-02-26(土)60万年前の秩父原人の遺構が見つかったという新聞記事で見学にいったことがありました。2時間待ちの行列が出来ていて空には新聞社

秩父の捏造石器

のヘリコプターまで出動する騒ぎでした。しかしこの発見者がほかの場所で石器を埋めていたことが毎日新聞の記者にばれてしまい彼とその所属しているNPO法人が関った遺跡を掘り返した結果これらの遺跡はすべて捏造だという判定が下りました。これが人類の起源を調べてみようと思った原因でした。これはそのレポートです。今見ますと素人の私でもすこしおかしいんじゃないと分かります。

この捏造の発覚により、国内最古の石器は8万年前の青森の金取遺跡、、9万年前の平戸遺跡で見つかった物になりました。2003年に金取遺跡の大掛かりな再発掘が行われましたが、縄文のものしか出て来ませんでした。


2 年代測定方法について
そこで先ず知りたくなったのが遺跡や化石の年代測定判定法です。これにはその時代を判定する種々な方法があることが分かりました。面白いと思った判定法の一つに放射性同位元素C14の放射線を測定して時代を特定する方法です。今までBC500年といわれていた弥生時代の始まりがBC1000に変更されそうです。時代測定法を羅列するとカリウム・アルゴン法、フィッション・トラック法、ウラン系列法、ウラン系列法、熱ルミネッサンス法、電子スピン共鳴法、考古磁気法・古地磁気法、その他いろいろその時代を特定する適応する判定法があります。


サル、ヒト、ジャワ原人の頭蓋
脊椎の取付穴の位置に注目

3 類人猿の誕生まで
まずは人の定義はおよそ下記の通りです。
1 二本足歩行をするサルをヒトと称する。(頭蓋の背骨の取付位置が異なる)
2 歯 特に大臼歯には進化のあとが見える
3 頭蓋骨の形
4 脛骨、大腿骨から二足歩行が推測される

左図は上がチンパンジー、中が下がヒト、下がジャワ原です。脊椎の取付位置に注目。直立に都合がいいように頭蓋骨の重心部に移ってきています。

大型恐竜が気炎を上げていたときにサルの祖先が目立たないように誕生し、花を咲かせ始めた樹木の上で餌をあさっていた。

1億4千〜6.4千万年前 もぐら、ヒズミなどの食虫類から進化
75000万年前 ツバイが分かれる
7000万年前 霊長類が現れる
6500万年前 いろいろな霊長類の中からマウスぐらいの大きさのプルガトリウスが見つかる
5500万年前 初期霊長類の骨格の全身が発掘が発掘される
2000万年前 第3紀中新世と呼ばれる気候条件が温和な時代に、類人猿の集団が繁栄していた。その中から臼歯を発達させ食生活を広げた大型の類人猿が発生してくる。
1800万年前 18000万年前プロコンスル(樹上を4本足で歩く類人猿) 体重約10Kg
1600万年前 ナチョラピテクス 尻尾なし類人猿
1400万年前ケニヤ・ピテクス プロコンスルと同じくらいの大きさの類人猿。丈夫な歯を持つ。
プロコンスルからまずオランウータンが分岐しゴリラ、チンパンジー、ヒト族が誕生した。
ヒトに最も近い類人猿はチンパンジーで、DNAの違いから600万年から1700万年前に共通の祖先から分岐したと推定されている。分岐後、直立二足歩行を始めた人類の祖先が猿人です。道具や火を使う「原人」に進化のバトンを引き継ぎつつ、約100万年前に絶滅します。
1000万年前〜800万年前 アフリカに地殻変動で大地溝帯が出来る。東側の森林が消滅して行きここに二足歩行の類人猿が派生する。


4 猿人
下図は猿人からの古人類の推定生息年代を表計算ソフトで描いたグラフです。

;常時二足歩行 
;二足歩行が出来る 
;不明確 
;二足歩行が出来るが、矢状稜がある頑丈型人類



この図から消滅した人類が同時代に生存していたことが一目で分かります。20種類のヒト科を入れましたが、楕円印の箇所即ち550万年前から450万年前に見つかる可能性があります。

図表の中のめぼしいものを説明書きをしてみます。

700〜600万年前 トゥーマイ猿人(Sahelanthropus thadensis)

  2001年チャドで発見。 人類が類人猿と共通の祖先から枝分かれし、猿人として独自の進化を始めた直後の化石の可能性?。アフリカ中部のチャド湖のジュラブ砂漠で発見(グレートリフトヴァレーの西側)。発見場所は、当時は現在の約80倍も大きかったとされるチャド湖の湖岸で、林もあり、さまざまな動物がくらしていたとみられる。

600〜440年万年前 オロリン猿人Orrorin tugenensis  2000年 にケニア中西部のツゲン・ヒルで発見。ミレニアム・アンセスターともいう。大腿骨・手・足・指の一部・歯の付いた顎が発掘された。

580万-520万年前 カダバ猿人 1997年 エチオピアで発見
440万年前 ラミダス猿人(Ardipithecus ramidus) 1992年 エチオピアのアラミスで、バクなどの森に住む哺乳類の祖先の骨と一緒に発見、歯といくつかの骨から類人からヒトとチンパンジーに分岐した直後の人類の可能性

400万年前 アナム猿人
(Australopithecus anamensis) 1992年 二足歩行をするが顎や歯はアファール猿人より原始的

アファール猿人 420〜300万年前

アファール猿人
ゴリラ

(Australopithecus apharensis) 1974年エチオピアで発見
愛称ルーシー;小柄ながらきわめて頑丈な成人女性で、すでにしっかりと直立歩行に適応していた。右の写真はタンザニアのラエトリで見つかったアファール猿人の足跡。チンパンジーやゴリラと違ってこの足跡は指がすべて進行方向に蹴りだしていることから明らかに二足歩行をしていたことが分かる。歯は人類の特徴もいくつかみられるが、類人猿の歯に似た特徴も多く残している。アファール猿人は明らかに二足歩行をしていたが石器を使ったのではないかと必死で探しまわったが発見できていない。石器を使うのはこれから百万年を要している。

ケニアントロプス・プラティオプス (350万年前 )
2001年ケニアのトルカナ湖畔で頭蓋骨が発見との報道。アファール猿人とは別系統と考えられるが詳細は入手できていない。

アフリカヌス猿人( 300〜200万年前)南アフリカを中心に発掘されている。
ガルヒ猿人(250万年前) 1999年エチオピアで発見、石器を使って肉食をしていたとみられ、石器の使用例としては最古。足も長く、猿人から現代人への進化を跡付ける新しい手掛かりになるのかどうか。


頑丈型猿人
頑丈型猿人はいずれにしても頭蓋骨の形状から判断すると硬いものを食していて、華奢型のヒトの祖先とは食料が異なっていたため一時期共存していましたが、直接の人類の祖先とは考えられない。直立二足歩行をしている可能性がありヒト科に入っている。

● エチオピクス猿人(270〜220万年前) エチオピアで発見、ロブスト猿人に繋がる。
●ボイセイ猿人(220〜100万年前)
● ロブストス猿人(180〜100万年前) 南アフリカで発見、骨太のロブストス型猿人は、いずれの地方でも100万年ほど前まで生き残っていた可能性が高い。 頑丈型猿人


5 初期人類(原人)

初期人類の特徴
180万年前 ホモ・ハビリス原人 1960年 脳容量680CC 石器を伴って発掘 肉食が始まる

170〜120万年前 ホモ・エルガスター原人 1984年 ケニヤのトゥルカナ湖西岸で12歳の少年の化石がほぼ完璧な形で見つかる。脳容量900CC H=163cm

160万年前 ホモ・エレクトス原人
 更新世(こうしんせい)とは約250万年〜1.1万年前大きな気象(きしょう)変化のあった時代をさし、氷河が大きく発達した非常に寒冷な時期と、温暖な時期が交互にやってきた時代です。
 この時代は人類進化の上からも、猿人(えんじん)が原人に進化し、さらに現在のホモサピエンスへと進化した、いわば人類進化の時代です。
ホモ・エレクトスとは約百六十万〜二十万年前(更新世前期〜中期)に存在していた人類の総称。ジャワのピテカントロプス(直立原人)、中国のシナントロプス(北京原人、藍田原人)、ヨーロッパのアラゴ人、アフリカのツルカナ・ボーイ など旧大陸の広範囲に分布する。脳は現代人の約三分の二。眼こう上隆起が強い。下顎は頑丈でオトガイはない。アフリカ、ヨーロッパ、西アジアでは万能型石器の握斧、東アジアではチョッパー・チョピングツールを用いていた。火の使用が認められる。

オルドヴァイ石器

250〜150年前 オルドヴァイ石器 100万年にわたって石器の技術は進歩はなし。固めの石を石で割って剥片と石核を作った。形は割れて出来たものをそのまま使用。



180万年前 ホモ・ハビリス原人 1960年 脳容量680CC 石器を伴って発掘 肉食が始まる。

180〜140万年前 ホモ・エルガスター
ホモ・エレクトスの近縁種。
170万年前 チンパンジーぐらいの大きさのホモ・エルガスターがオルドヴァイ型石器を持って脱アフリカをしている。グルジア共和国 ドマニシ遺跡 よりホモエルガスターの遺跡が発見されている。

ハンドアックス

140万年前 ハンドアックス型の石器が開発されている。これはオルドヴァイ型と異なり決められた形に加工されている。

100万年前 ジャワ原人 ジャワ島で発見(場所)
ホモ・エルガスター系統と思われる。 使用石器=オルドバイ型

60万年前 北京原人 北京近郊の周口店で発見。
火を使用している。ホモ・エルガスター系統と思われる。
使用石器=オルドバイ型

160万年前 ホモ・エレクトス 1984年 ケニヤのトゥルカナ湖西岸で12歳の少年の化石がほぼ完璧な形で見つかる。脳容量900CC H=163cmの少年でツルカナボーイと命名されている。ビタミンA過剰症の症状の痕跡があるものもいる。旧大陸に広範囲に分布し、その後古代型ホモサピエンスに移行し10万年ほど前に絶滅。



6 旧人
脱アフリカしたホモエレクトスはユーラシア大陸で原人から旧人(ネアンデルタール人等)に進化するが、その後アフリカで生まれたホモサピエンスと置き換わったと考えられている。

7 新人約十万年〜一万一千年前までの間の化石人類。現在の人類とほとんど同じ形態を持つ。欧州のクロマニオン人、グリマルディ人、中国の柳江人、周口店上洞人、ジャワのワジャック人などに代表される。現在のところ最も古い新人は南アフリカから出土している。石刃技法という精巧で効率のいい石器製作技術をもち、骨角器を豊富に使用した。ヴィーナス像、動物などの彫刻やアルタミラ、氷河時代のルーブルといわれるラスコーに見られる芸術的表現、狩猟、呪術などの宗教的行為を行った。洞穴や岩陰のほか竪穴住居にもすみ、ウクライナのメジリチなどではマンモスの骨で作った住居が多数見られている。

これが脱アフリカをして、各地の原人、旧人に置き換わったと考えられています。一時期新人のクロマニヨン人と旧人のネアンデルタール人がヨーロッパで共存をしていた証拠がありますが、DNA解析では混血することもなく現代人になったという結論がでました。

アフリカで誕生した新人ホモサ・ピエンスが暑さや寒さを克服し、名の生物を駆逐して克服して全世界に広がりました。日本では10万年前の地層から石器見つかったいます。 ただしこの頃は温暖期で大陸とは繋がっていなかったのでもう一つ前の氷河期18万年前から13万年前の氷河期にもう渡って来ていたと言うことになります


イヴ仮説
ホモ・サピエンスの誕生に関しては、分子生物学者のウィルソンとサリッチは世界各国から集めた、147人の妊産婦の胎盤殻取り出したミトコンドリアのDNAを調査し、女性にだけ引きつがれるミトコンドリアDNAには代々の女性の記録が残っているので、それを遡ると20万年前に存在したアフリカの女性であったという仮説を立てていた。2003年になってやっとエチオピアで16万年前の地層からホモサピエンスの化石が発見されたという記事が朝日新聞2003−06−12に載っていました。人類はアフリカ単一起源説が有力になりました。

  参考記事(朝日新聞より)



8 人類水生進化説
陣類推精神仮説(アクア説)の出発点は、人の持っている特異性は陸では特異かも知れませんが海で生活をしていて陸に戻ったとすると理由を付けられる点が多い。

海に入った哺乳類はいくつかいます。ヒトはこれらの哺乳類とよく似ている点があります。ヒトはクジラやイルカ、ジュゴン、マナティなどとよく似ている点がある
A 体毛がない・・・サバンナで暑さ対策のため体毛が無くなったという説よりも海に入っていた時期に無くなったということに妥当性を感じる。
B 皮下脂肪・・・海に入った動物たちは毛皮を失った代わりに皮下脂肪を持って保温効果を有している。
C 二足歩行・・・水辺で暮らす類人猿のなかには特殊な例として二足歩行になるものもいる。また泳げる唯一のサルとしてテングザルがいる(ビデオを参照)。また二足歩行に必要な背筋の柔らかさは海で泳いでいる動物特有のものでもある。
D 涙・・・ヒトは陸上の動物としては唯一涙を流す動物です。海で暮すワニ、海イグアナ、亀などは涙を出して塩分を排出している。
E ヒトは鯨に次いで深く潜る事ができる。また他の類人猿には無い上唇の溝は鼻を蓋をするに都合がよかったのではないだろうか。
F その他・・・幼児の水泳教室での観察からも、水の中で暮らしていた性質を観察することが出来る。

再び陸へ
海中のほうが身を脅かす生物が少なく暮らしやすかったかもしれないが、地殻変動により海が干上がったため陸に再び戻らざるを得なかったのではなかろうかというのが人類水生進化説です。しかしヒトが水辺で生活していた頃の化石がまだ発見されていません。

終わりに
以上で本日の講演を終わります。もう一度人類の生息グラフを見ていただきたいのですが、DNAは時系列に比例的に変化して行きます。ほぼ直線に並んでいますがいくらか違っているところがあるところから未だ発見されていない人類の祖先があることが予想されます。またホモサピエンスが出現してからほんのわずかしか経っていないことが分かると思います。ここ250万年の間にサルが人類らしくなって来ていますがさらに大きく目を向けると地球の歴史の中で大きな転地の変動が1億年単位で5回ります。その時期の地層の境が変わると生存した生物の種類がががらりと変わったのですが、6千5百万年前に恐竜の絶滅以来大きな天地の変動が起こっていません。250万年前から地球に氷河期が現れるようになりましたが、この時期にヒトへと進化した時期でした。気候の変動があり、絶滅した種族がありましたが、ホモサピエンスは現在の繁栄を謳歌しています。最近の地球の温度上昇はこれまで地球が経験したことのない急激な温度上昇だと言われています。いずれは冷えて火星のような惑星になるのかもしれませんが、さて人類はいつまで生存が可能なのでしょうか?


文責・HTML編集 山本 啓一   会場写真撮影 橋本 曜