神田雑学大学講座 213 (2004年5月7日)

手軽にできる予防医学の第一歩

講師 ニフィング・理子(まさこ)


目 次

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講師紹介

日本人の死亡原因のビッグスリー

「自分で気をつけて病気にならない」方法を探ろう

有害物質とはどんなものなのか

マゴワヤサシイはカミの哲理

自分の体は自分で守るための方策

まとめ




講師紹介

ニフィング・理子(まさこ)さん

 身辺の食材、生活用品を研究、そこに含まれる有害物質や懸念材質に注意を喚起、健康・保健のためにどうすればいいかを訴えるNEWAYS(ニューウエイズ)運動を展開。
 鎌倉市在住、「家族の健康は地球の健康」がモットー。

日本人の死亡原因のビッグスリー

 日本人はどういう病気で死んでいるか。調べました。
 その結果、ガンが全体の31%、心筋梗塞など心疾患で15.3%、脳梗塞など脳の病気が13.3%です。それでは病気に日本人が払う年間医療費は幾らかと言えば年間総額で24兆円。内訳はガンに2.2兆円、高血圧症に1.9兆円、脳卒中に1.8兆円が支払われたとされています。

 いま、年金、保険料問題は世上、大きな論議になっていますが、医療費問題はこれらの額の大きさからみても、うっちゃっておけない現実問題です。日本癌学会の歴代の会長4人すべてがガンでなくなっているのは、なんとも皮肉な事実ですが、ガンという病気は専門医にも手に負えない病気であることが分かります。入院したものの、医療過誤のため死亡、またはその後遺症に苦しむという事態も昨今数多く報道されています。
   抗ガン剤の投与過多で患者が死んだ事例も少なくないと報じられています。何のための抗ガン剤かと言いたくなりますね。

 関連して、ガンの5年以上生存率資料があり、それによると、抗ガン剤を投与した場合の生存率は8%、ガン患部を手術で摘出した人の生存率が10%、何もしないでそのままにしておいたら50%が生き残っているという、皮肉としかいいようのない結果が出ています。

 これにはこういう実情も指摘されるようです。  ガンは体のあらゆる部位に発生します。しかし、抗ガン剤は2か所ぐらいのガンにしか効き目がないというのです。抗ガン剤は限られた部位のガンにしか効果がないというのです。 にもかかわらず、あらゆる部位のガンに治療法のひとつとして抗ガン剤が使われているのです。

「自分で気をつけて病気にならない」方法を探ろう

 次に病気にかかる三つの原因を挙げましょう。

   第一は生活習慣に関わることです。
これには食事、運動、睡眠、休養、飲酒・喫煙等が関係します。
 食事が洋風化しました。またコンビニ食品に代表される顕著な添加物・保存料を使った食品の安全性や、野菜などの残存農薬の有無が問題になります。
 運動をしたい、睡眠や休養をとりたいと願っても思うにまかせない現実もあります。
 飲酒は過度にならねば健康にいいとされます。


 喫煙については「健康増進法」施行によって受動喫煙防止対策が取られるようになりましたが、未成年者、とりわけ年少喫煙者にどういう対策を取るかが問題です。母親が妊娠中喫煙するとヘソの緒を通して胎児がニコチン中毒になってしまうと言われます。こうなると喫煙の善悪理非を超えて、タバコを欲する体質を生まれついて持っていることになります。小学生でもタバコを吸う子になる。怖いですね。
そうでなくても、年少者の喫煙については親も黙認、または無視する傾向が強くなりました。健康に決してよくない年少喫煙の悪弊はこうして助長されています。

 第二は外部環境の問題です。
 これには病原体、有害物質、ストレス、紫外線、電磁波、放射線等の要因をあげることができます。前述の生活習慣は、自分の意思である程度、自律的に規制可能ですが、外部環境は自分の意思とは関係なく他律的に与えられる生活要因です。この中で、「有害物質」だけはその気になれば自分で排除することが可能です。

   第三は遺伝子異常、加齢等。
 これらは自分の力ではどうしようもない条件です。
 もっとも、仮にガンの遺伝子を持っていても、必ずしも病気が発現するわけではない。病気の発症には有害物質が密接に絡む場合が多いので、予防医学上、有害物質を排除して病気を遠ざけることが可能になります。

有害物質とはどんなものなのか

 石油系の合成化学物質がそれに相当します。シャンプー 歯磨き、洗剤等の生活必需品に含まれています。アメリカのサミュエル・エプスタイン博士はガンと毒物との関連を研究した第一人者ですが、日用品とそれに含まれる有害物質について調べました。その調査は、世界各国の製品にわたり、その結果を「買ってはいけない商品」リストとしてまとめました。そうした事実を、頭の隅にいちおう置いていただきます。

 少し込み入った話になります。
「表示指定成分」という言葉があります。かつて製品に表示され、この製品にはしかじかの物質が含まれている。その物質は有害かもしれないが、そこは使用者が自らの責任で判断して対処するように……と、当時の日本の厚生省が対応の判断を使用者にまかせ、いわば責任を使用者に丸投げしたかたちになっていました。
 その後、表示成分は「全指定」となり、いいものも悪いものもすべて表示されるようになりました。日本では危険が懸念される102種類の物質が指定されました。
 アメリカでは800種類、EU諸国では3000種類もの成分が指定されているそうです。
 日本の102という数は、有害物質は入ってはいても微量だからまぁ大丈夫だろう、すぐには悪影響が出ることはあるまいという甘い考えが大本にあるようです。しかし、これは決して大丈夫ではないことをお話しします。

 身近なところでお宅のバスルームや化粧品棚にある商品を調べてください。
商品の成分表に例えばプロピレングリコール。PGと省略表記されているものがありませんか。プロピレングリコールには接触性皮膚炎を起こす、飲むと肝臓、腎臓、心臓、脳に障害を起こすことがある。溶血作用もある。吸い込むと中枢神経抑制、また染色体異常をおこす可能性があると指摘されています。 発ガン、アレルギー、環境ホルモンも懸念される危険度星二つ(星三つが最悪)の成分なのです。

   厚生労働省は、表示することで注意を喚起している、また少量だから大丈夫だという解釈のようですが、プロピレングリコールは保湿剤として歯磨きなどに含まれていますし、乾燥防止剤としてシャンプーなどにも使われています。ですから、歯磨きやシャンプーを使っているうちに有害物質はどんどん蓄積されていくのです。

 お配りしたデータを見ていただきたいのですが、発泡剤として使われるラウリル硫酸(塩・トリエタノールアミン)、ほかにエデト酸(塩)、水酸化アルミニウム等々、目に見えない小さい分子構成の化学物質、有害物質がズラリと並んでおります。
 これらは子どもの歯磨き、おしり拭きなどにさえも含まれ、皮膚を通して体内に浸透、蓄積されていく可能性があります。

   こうした石油系の化学物質の分子量はきわめて小さく、皮膚を形作る網の目を容易に通り抜けて体内に入り込むことができます。
 プロピレングリコールなどは血管の壁をスリ抜けて中に入ることもできます。  血流にのって脳、心臓、腎臓、子宮など、体のあらゆる部位に行き、そこで蓄積されていく。
   石油合成化合物ですから、脂肪とは親和性が高い。人体の脂肪のあるところに溜まっていきます。そこにガンができていく可能性があるのです。
 このように考えてくると、これでもかこれでもかの八方塞がり、心も体も金縛りにあってしまいますが、金縛りついでに、いましばらく、怖〜いお話しを……。

 例えば、私たちは入浴してボディーソープで体を洗い、シャンプーで洗髪します。洗剤の成分は、すすぎの湯とともに下水を通って流れ、川や海に入る。
 この過程で石油から合成された有毒化学物質は行く先々で生物に取り込まれ、食物連鎖・循環系の流れで今度は食物として私たちの口に入る。  石油合成化学物質は性質を変えないまま、再び取り込まれてしまう。このような呪縛の中に私たちは生きている、生きていかねばならない状況にあるのです。

 殺虫剤による環境の汚染・破壊について書かれた本は御存知でしょうね。  害虫防除の薬剤をまく。虫は死にます。しかし防除対象の害虫だけが死滅するのではなく、ほかの虫たちも死ぬ。よしんば生き残ったにせよ、その体内には水銀など有害物質が蓄積されていく。その虫を食べる鳥の体内にも有害物質が蓄積・移行する。鳥は死にます。生き残っても子を産めない体になる。
 こうして、春になっても鳥も鳴かねば、生きた姿もみえない、「沈黙の春」になってしまう。とっても暗い、重い、怖い書物、レイチェル・カーソンの著作です。

「奪われし未来」。
 これは専門の科学者の共編の書物ですが、ここにはフロリダのオスワニの性器が環境ホルモンの作用でどんどん矮小化し、メス化していくケースが紹介されています。
「環境ホルモン」について世間に警鐘を鳴らした最初の本となりました。
 環境ホルモンによって人間の未来が奪われてしまうことをこの本は警告しています。
 発ガン物質やら環境ホルモンやら、お先真っ暗の三隣亡といった話が続きました。
光の窓はないものでしょうか。人間は知恵の生き物といわれます。

 知恵を働かせましょう。考えましょう。
 有害物質が病気を発生させ、環境ホルモンが悪さをする。
 そうです。有害物質を遠ざければ……。
 正にそれです。手軽にできる予防医学の第一歩はここにあります。

マゴワヤサシイはカミの哲理

 卑近な例を髪にとりましょう。雑学大学の皆さんの関心も高いでしょうから(笑)。
 毛髪・頭皮は、生理学的にも生化学的にも、深遠な意味を有する部位です。
髪を美しく保つための秘訣は、マゴワヤサシイの法則だと言われてきました。
 こういうことです。
 マは豆類、ゴはゴマ、ワはワカメ、ヤは野菜、サは魚(青魚類)、シは椎茸、イはいも類。これを食べれば発毛を促し、育毛に役立つとして古来、言い伝えられた食材です。これは医学的にも根拠がある、いわば万古不易の真理、神の哲理といっても大げさではないようです。

   こうしてみると日本の食性というのは実に理に適ったものであった。「マゴワヤサシイ」習慣をお守りくださいませ。(「もはや手遅れ!」の声。会場・笑声)

 関連して思いつくままに幾つかお話ししますと、

●朝シャンは濡れた地肌が汚れを吸着する。健康面から推奨できない。

●髪に艶を与えるのはコンドロイチン、髪の活性化にはヨウ素、髪の組成源としてアミノ酸を必要とする。

●ノリ、コンブ、イワシ、サバ、メカブ、ワカメ、オクラ、納豆、なめこ、卵、凍り豆腐、鶏のささみ、鶏のレバー等々が発毛・育毛によろしい。
 また低温殺菌の牛乳もお勧めです。

●毛母細胞を活性化させるのはミネラル。カキ(牡蠣)、エビ、サバ、ホタテなど忘れずにお摂りください。これらに含まれる銅、亜鉛等のミネラルが有効。

●タンパク質の代謝にはビタミンB群。青魚、レバー、うなぎ等。
 頭皮にはビタミンAがいいといわれます。緑黄色野菜に含まれます。

●ビタミンE、Pは頭皮の血行を促します。スジコ・タラコ・ナッツ類でEを摂りましょう。ミカン・レモン・グレープフルーツからはPが摂れます。

 前述したプロピレングリコールやラウリル硫酸は髪や頭皮を痛めます。細胞を破壊し、体内でタンパク質を溶かす。それによってガン細胞ができやすくなる。
 化学合成物質が怖いのは正にそこです。正常な免疫細胞を壊す働きをする。その結果、体内各所にガンを発生させるのです。
 常人にもガン細胞は日夜できているのですが、免疫細胞が普通に働いていれば、ガン細胞になりかけた細胞を食べてしまうので、この部位がガン化することはないのです。

 ハルダ・クラーク著す「ハーブでガンの完全治癒」という本には、ヒトの体内に住む吸虫が実は化学合成物質が大好物。体内の脂肪集積箇所に合成物質が取り込まれると、ワッとばかりにそこに集まる。そして毒素を排出する。この毒素が発ガン物質で、それによってヒトはガンを発症するという説を立てています。
そこでクラークは、吸虫が嫌うハーブでガン征服に成功した100の症例を紹介しています。

「奇跡の食品」としてサプリメントが注目されてきました。
 注意していただきたいのは、サプリメントにも合成品が多いということです。合成品は天然物と分子式は寸分違いませんが、合成品には特許権が生じます。金が絡みます。天然・自然に存在する天然物には当然のことに権利の発生はありません。
 合成品が体によくないことは前に申し述べました。懸念されるところです。

 ビタミン、ミネラルは総合的に摂取しないと効果はないと言われます。ビタミン、ミネラル、タンパク質が同時に摂られると、それぞれが相乗的に働いて傷んだ細胞を修復するのだそうです。
 ガン患者が良質のサプリメントによって回復した事例も紹介されました。

 私が関係しているニューウエイズという団体は、ビタミンとミネラルで、自分の体は自分で治す、自己治癒力を向上させることをねらいとしています。

 前段階として、病気にならない体造り、心くばり、すなわち有害物質を体内にいれないことが大切です。

 病気にならないためには、どうすればいいのか。
 これは予防医学の根幹です。「病気になった」「検査だ」「入院だ」といった治療医学は、医師にとっては金になる仕事、オイシイ業務です。逆に、予防医学はすんなり金になる仕事ではありません。それかあらぬか、日本では予防医学への関心は残念ながら低いのが実情です。 しかし、これからは「自分の体は自分で守る」ことが大事という意識が高まってくると思います。

自分の体は自分で守るための方策

●水が第一。きれいな品質の良い水を。鉛管を通る水道水の飲用は論外。きれいな水を飲もう。しかし、プラスチック・ラベルが熱で圧着された日本のペットボトルは熱で成分が水に溶融している虞あり。見かけより何より、紙ラベル添付の外国産のボトルのほうが健康への配慮は行き届いているといっていいでしょう。

●茶、清涼飲料に書かれたビタミンC等の表示は、単なる酸化防止剤だと理解すべし。それも合成品である可能性が大。安全性を言うなら水がいちばん。

●漢方には水の波動に関する一理論がある(省略)

●要するに、水、ビタミン、ミネラル、タンパク質の総合配剤が健康の保持・向上に大いに裨益する。

●加えて免疫力アップ。例えばボケ防止にはイチョウ葉のエキスがいいとか、最近いわゆるエキネシアなどが喧伝されている。

●抗酸化物質の摂取で活性酸素を除去し、望ましい健康状態を保とう。
 ぶどうの種、ウコンなど、自然物だが、くれぐれも農薬に汚染されていないことを確認すること。

●植物油、青魚、トウモロコシ、アマニ油等必須脂肪酸を摂る。

●マーガリンはトランス脂肪酸といい、原料を石油系の溶剤で溶かし出して作る。従って健康的にはマーガリンよりバターがベター。
 オリーブオイルは、安全面からみて評価できる植物油。
 大量廉価販売薬店の目玉になっている何番絞りか定かではない食用油などは要注意もの。

●1950年代以降、花粉症、アトピーなどに苦しむ人が多くなったことと、化学物質が一般的に普及したこととが軌を一にしていることが気懸かりだ。

●食物繊維で腸内をきれいにしよう。

●「脳を壊す食品をなぜ作るのか」という告発の本もアメリカでは出た。
 子どもの凶暴化、社会秩序の混乱、破壊などは、今の食べ物、とりわけファーストフードの影響が大きいのでは……といった示唆に富む検証が多い。具体例は固有名詞を挙げて盛りだくさん。例はアメリカだが、日本にも似た例は少なくない。他山の石としてとらえたい。

まとめ

 自己責任というと、はやり言葉めいて使うのにためらいを覚えますが、予防医学の第一歩は「自己責任」から始まるのです。
 身の周りには悪い条件が充ち満ちています。食品、化粧品、掃除用品等々の成分を、疑えばキリがないことは現代に生きる人間として不幸なことではありますが、これもわが身を守る道なれば致し方ありません。
 さまざまな本を読み、情報を得て判断の材料とし、明日の歩みの方途を探っていきたいと思います。
 終わり (拍手)

編集/構成:神田雑学大学 阿部 宏

会場写真撮影:橋本 曜 HTML制作:大野令治