神田雑学大学講演抄録 平成19年4月20日 講座No356

カタカナ英語が英語でないわけ

あなたも、あなたも、あなたも 発音の先生になれる

講師 アルファベット70音研究所

小倉 陽子


目 次

(クリックすれば該当の項へ進みます。
ブラウザの「戻る《ボタンで目次に戻ります。)

1.はじめに

2.カタカナ英語が英語でないわけ

3.「アルファベット70音《式カナ英語が英語であるわけ

4.アルファベット70音のカナを振る実習

5.質疑応答

添付説明資料*1

添付説明資料―2

添付説明資料―3



1.はじめに

 本日の演題は「カタカナ英語が英語でないわけ《ということですが、これは「カタカナ英語が英語でないわけ《をよく理解していただけば、「アルファベット70音式カナがネイティブに通じるカナ《であることがお分かりいただけるのではないかということで、このようなプログラムを組みました。

 外国では発音は学校で習うのではなく、英語を話し始めたときに主に親から習います。日本では音が難しくありませんから、特別音を習わなくても子供は日本語をしゃべれるようになります。一方外国は例えば[r]の発音でしたら舌をどこにもつけないで「アール《と言わなくてはいけない。[T]の発音でしたら必ず舌を噛まなくてはいけない。それは習わなければ出来ません。ですから発音に関しては親が教えるということが英語圏では普通に行われており、そこが日本とは大きく違うところなのです。

 日本人はこのハンディキャップをどうやって補ったらよいか、そのひとつの解決法が今日お話する「アルファベット70音《で、発音を系統立てて学習できる様になっています。副題を「あなたも、あなたも、あなたも 発音の先生になれる《としましたが、私は今日お話する「アルファベット70音《のカナをマスターしていただきますと皆様が英語の発音に自信がつき、お子様に教えることができる様になると考えたからです。また、先生なら生徒に発音をしっかり教えることができるのではないかとも考えました。期待をこめてこのような副題をつけました。

 日本人の英語は何を言っているのか、サッパリ分からないとインタービューした英語を母国語とする人たち(以下ネイティブ)は一人の例外もなくいいます。これはカタカナ英語が原因であると私は考えます。「カタカナ英語は英語ではない《とは衆目の認めるところですが、いま学校教育では、カタカナ英語が主流を成しています。

 現在、日本の大手出版社が発行している初学者用の英和辞典に振ってある発音を示すカナ表記は全くカタカナ英語といってよく、これが英語圏で通じない発音の原因だと私は考えます。ではそれに対する対策というのはまだ日本では誰も発言していません。勿論官民上げてカタカナ英語を修正しようとはせず、その動きは見えません。私は英語にかかわって50年、どうして日本人の英語は自分を含めて「口調が、調子が変なんだろうか?《と思ってずっと過ごしてきました。

 5年前、小学生向けの英語教室でのことでした。授業が終わると毎回同じ子供が寄って来て、「これどう読むのかカナを振ってくれ《と言うんです。そこで、私は「そう、じゃ外国人に通じるカナを振ってやろう《と考えたわけです。小学生が読んで理解でき、なおかつネイティブに理解される音でなければなりません。紆余曲折を経て、「アルファベット70音《が出来ました。この「アルファベット70音《がいろいろの問題を解決してくれました。この方法によって、英語の単語にカナを振りますと、読んでそのまま外国人に通じる振りガナになったように思います。カタカナ英語批判者のネイティブからはperfectではないが、much betterであると評価をいただいています。皆様がどう思われるかは、あとでゆっくりと質問を頂けたらと思います。

2.カタカナ英語が英語でないわけ

 日本語の特殊性についてです。

 日本語の音は世界の言語に比べると特殊だと言われています。世界の言語の中で子音に母音が含まれている音を子音(日本語)という例は少なく、南太平洋の言語に見られるくらいだそうです。「ん《だけは例外ですが、日本語の子音はすべて母音を含んでいます。日本語のローマ字表記を思い浮かべていただければ、全部母音がついているのが分かりますね。

 ①カタカナ英語は音の数が少ない。
  日本語: 子音+母音=1文字 ka カ
  英語: 子音+母音=2文字 [kα] クア

 日本語は例えばカ行を「カ、キ、ク、ケ、コ《と書きます。それぞれ子音です。ローマ字で表すと「ka,ki,ku,ke,ko《となります。[k]と[a]で2つの音があるのに、日本語は母音が子音に吸収された形で、一字で表され「《と表します。これがカタカナです。日本語なら、それで勿論いいのですが、この方法で英語の音を表すと大変なことになります。子音の後の母音が子音に吸収され、音が減少します。この時点で英語ではなくなります。音の数が減って、英語本来の音でなくなってしまいます。寸詰まり、前にのめった音になります。これが日本人の話す英語で、ネイティブには通じません。

 英語はどうでしょうか?英語は一記号一音ですから「ka,ki,ku,ke.ko《だとそれぞれが2音で表されています。[k]は「クッ《という音ですから[ka]は「クア《と短いですが2音なのです。2拍使っています。

 私は海外で友人に「陽子、なんでそんなに急いで話すのか《と言われました。私はぺらぺら流暢に話すタイプではないので、そう言われた時に、なぜそう言われたか分かりませんでした。ただ日本人の話す英語の語調が詰っているということは私の長年の疑問でした。私が急いで話すと思われていることと寸詰まりの語調に関係あろうとは後々まで分かりませんでした。

 ②カタカナ英語はアクセントが正しい音につけられない
 英語にカナを振ってはいけない、とネイティブは言います。何しろ音の数が少なくなってしまうのですから当たり前ですね。他にもカタカナ英語には致命的な欠点があります。ネイティブが一番重要視しているアクセントに問題が発生します。

 アクセントは母音に付くべきなのに、母音が消えているカタカナでは、正しい音にアクセントがつけられません。仕方がないので、平然と子音にアクセントをつけることになります。実際、学校教育に準じていると公言している辞典や教科書ガイド(昔の虎の巻)のカナ表記でも、アクセントが子音につけられています。

 [ka]を「カ《としますと、アクセントがつけられません。英語はアクセントは母音に付きます。[βAэγ](鞄)を見てください。アクセントは[Aэ]アに付いています。しかし大手出版社発行の入門英和辞典のほとんどのカナ表記は「バッグ《でアが消えています。「バ《が一個になっていて母音がありませんから、だからつけてはいけない子音「バ《にアクセントが付いて「ッグ《となっています。
 アクセントがどのくらい大事かというと、あちらの方はアクセントのある音を聞いて英語を理解すると言われているぐらい大事です。ですからアクセントが悪いとぜんぜん聞き取れないという結果になります。

 先ほど申しましたが、中学生になって、はじめて使う初学者用の英和辞典や教科書ガイドの発音がほとんど、カタカナ英語で書かれていることです。bagは「ッグ《とカタカナで書いてあり、アクセントはこの下線部分「バ《に付いています。ある辞典では「バぁッグ《となっていて、一番大事なアクセントのある[Aэ]が小さいぁになっています。これはとても大きな問題で、これでは何年英語を勉強しても日本人の英語はアクセントが間違っていますから通じないと言うことになります。私は去年、分上相応なんですが、ブックフェアに市場調査と「アルファベット70音《の宣伝を兼ね、ン十万かけて出店しました。

 「日本人の話す英語が分かるか。《
 ブースの前を通る外国人に問いかけました。10人が10人100%、「日本人の英語は何を言ってるのか全然わからない。どんな英語教育をやっているんだ《という返事が返ってきました。中には「私は文科省に2度行った【たぶん指導法の提案とか】《というイギリス人もいました。たぶん外国では一般市民の提案、疑問を学校や行政が真摯に受け止めるからでしょう。ブースの前を通る日本人にも色々聞いてみました。学校の先生も何人かいました。一番驚いた発言は小学校の先生です。「小学校に英語が導入されて大変ですね。《の質問に「大丈夫です。CDがあるし、ALT(ネイティブの補助教員)がいるから。《といとも簡単に答えてくれたその軽さに、こんな先生に習う生徒が気の毒に思えました。自分の英語は通じるから大丈夫と考えている皆さん!英語をしゃべっているつもりでしょうけれども、相手が色々忖度してくれて、分かって下さっていると考えて間違いないと思いますよ。

 復習します。カタカナ表記は①音の数が少なくて寸詰まりになっているということと ②母音にアクセントが付けられないということが問題でした。

 ①②の解決策として「アルファベト70音《では、子音から母音を引き出し、母音を書き足す、つまり子音を2音で表すという工夫をしました。こうすれば、アクセントが正しい音、母音につけられます。 

 ③アクセントの位置についてお話します。
 3つ目の問題点です。どの音にアクセントをつけて発音するか、日本語はとてもルーズです。例えば同じ「4月:シガツ《と言っても「シ《を高く言う方と「ガ《を高く言う方がいます。関西と関東ではアクセントが違うこともあって、日本では「あなたのアクセント違うわよ《なんて誰にも言われないで済みますが、英語はアクセントが違ったら意味が通じません。英単語のアクセントは位置が決まっています。辞書にその位置が示されています。それを間違えたら絶対通じないと考えてください。

 そして4つ目の問題は④音の質が違うということです。たしかに英語には日本語にない音があります。たとえば「cat《の[A]と書く「ア《の音、[f]の「フ《の音や[v]の「ヴ《の音、[T]と書く「th《の音や「r《の音のように、明らかに日本語にない音が英語にはあります。それを日本では日本語の音に変えてカタカナ表記化して来ました。外来語がよい例です。外来語を日本語化するためにカタカナが使われました。その流れを汲んで、英語も日本語にない音を日本語の音に変えて発音することになり、あたかも英語の日本語化が起こっているようです。通じる英語であるはずがありません。

 私の調べでは日本語にない音を日本語の音にして発音すると外国人が分らない音は6つあると考えています。それは 「A,T,f,r,v,Δ《の6つです。考えてみれば6つしかないんです。(7つめがありました。[E:]アーです。[E]アは長母音[E:]になると日本語にない音に変身します。)

 以上カタカナ英語が英語でないわけについて説明してきました。カタカナ英語の欠点を補い、読んでそのまま通じるカナということで「70音式カナ《は英語であるといっていいという理由を次に説明します。

3.「アルファベット70音《式カナ英語が英語であるわけ

 「アルファベット70音《とは英語発音学習法で英語の音を系統立てて学ぶことが出来ます。その特徴は英語に読んでそのまま通じるカナを振ることが出来ます。

 *日本語にない音の表記法に工夫があり、アクセントのルールを明確にしています。
 *日本語にない音は◯や☐で囲み、ひと目で、日本語にない音と日本語の区別が瞬時にできます。


 最初は[A]の音です。日本人が普通に「バッグ《というと、「bug(虫)《という言葉になって、「bag(鞄))には聞こえません。英語圏ではハンドバッグを買うときは「ッグ《ではなくて「バ㋐グ《と言わなければなりません。わたしが本「アルファベット70音《を書いたときに、音の出し方を説明するのに口の形の絵を使いませんでした。なぜかというと、口の大きさは個人で違いますし、自分がどのくらい大きく開けたらその絵のようになるのか分からないからです。全部言葉で説明した方が間違いなく、伝わると考えました。この「bag《の「㋐《、丸のついた「ア《は口を横に出来るだけ大きく開けていうアの音という具合です。

 英語で「ア《と聞こえる音は5個あります。[A][ς][E][O][α]ですが後ろの4つは全部日本語の「ア《という音でなんとか通用します。しかし最初の[A]だけはしっかりと口を横に引いて「ア《と発音しないと通じないのです。「エ《というような口で、との指示では上十分です。絵のような口ででも上十分です。「口を横に出来るだけ大きく開けて《のほうが分かりやすいと考えました。そのような音は日本語にありませんからね。

 ですから私の70音法ではこの特別な、難しい、日本語にない音を◯で囲みました。「ア《に丸を付けて「㋐《と表記して通常の日本語発音の「ア《の音と区別してしたわけです。
例えば帽子の「hat《を発音して見ましょう。「ハット《では「hut(小屋)《になってしまいます。「ハトゥ《です。㋐口を横に思い切って引いて「ア《と発音し、そのにアクセントがありますから高めに、あるいは、はっきりと発音してください。「㋐《を正しく発音することと「㋐《にはっきりとアクセントをつけて発声するのがポイントです。

 次に[f]の音です。[f]は必ず下唇を噛まないといけません。日本語で普通に「フ《と言うと[hu]の音になります。例えば「foot(足)《という言葉、これを「フット《と発音すると「hoot(ふくろうの鳴き声)《になってしまいます。私の70音法では「㋫トゥ《と表記します。「㋫《は日語にない、声にならない下唇を噛んでフット息を吐き出す「フ《という音、アクセントは下線で表していますが、母音「ウ《にあります。はじめに練習です。ウを高めにウトゥと2,3度繰り返し、下唇をかんで短くフをつけて発音してみてください。正しい発音になります。

 次は[r]の音です。舌をどこにもつけないで「ラ、リ、ル、レ、ロ《と言って見てください。こういう発声練習をすると[r]の音が通じるようになります。例えば「pray(祈る)《です。これを「プレイ《と言って「レ《の音を舌を上あごにつけて出しますと「play(遊ぶ)《になってしまいます。どこにも舌をつけないで[r]を発音すると、祈るという単語になるのです。私の70音法では「プ㋹ーィ《と表記します。「㋹《は日本語にないどこにも舌をつけない「レ《という音、アクセントは下線で表しています、母音「エ《の下にあります。

 そして4つ目の音は[v]の音です。これは下唇を噛んではじく「バ、ビ、ブ、ベ、ボ《の音です。「very(非常に)《を下唇を噛まないで「ベリー《と発音すると「belly(お腹)《と受け取られてしまいます。この「very《にはこれまで述べた日本語にない音が2つ、[v]と[r]が入っています。私の70音法では「㋬㋷イ《と表記します。「㋬《は下唇を噛んではじく「ベ《の音です。アクセントは下線で表していますが、母音「エ《の下にあります。

 そして5つ目の音が[T]の音です。「Thank you (ありがとう)《の「th《の音です。これを「サンキュー《と普通の日本音で発音しますと「sank you(あなたを沈めた)《になります。thは舌先を上下の歯の間から突き出して息を吐く音です。すべて舌を出して「サ、シ、ス、セ、ソ《と発声してみてください。この[T]が作る音はすべてまるで囲みました。 ς のつくる「サ、シ、ス、セ、ソ《と区別して「㋚、㋛、㋜、㋝、㋞《と表記します。この「thank《[TANk]にもこれまで述べた日本語にない音が2つ、[T]と[A]が入っています。私の70音法では「㋚ン㋗クユー《と表記します。ン㋗はンを鼻音にして長めに発音してください。アクセントは下線で表していますが母音「ア《の下にあります。「Thank you very much《を「サンキュウ ベリー マッチ《と言うと「あなたを沈めて腹沢山《というわけの分らないことを言っていることになりますから、これら5つの音には充分注意しなければなりません。

 6つめは [Δ]の音です。[T]の濁った音、舌を歯の間から突き出して「ズ《という時の音です。私の70音法では「㋜《と表記して通常の「ズ《と区別しています。

 そして7つ目[E:]「アー《です。「アー《は2通りの発音があります。[α]と[E:]です。短母音[E]「ア《は長母音[E:]になると大事な音に変身し日本語にない音になります。日本にないので「アー《と表します。口を横に小さく開け、口元を少し緊張させて発音します。[α]「アー《と区別します。  earth[Eэ:T] 「ー㋜《を日本語で「アース《と発音すると、馬鹿、とんま、お尻なんて意味ですよ!気をつけてください!

 さて「70音《と「50音《の関係です。「アルファベット70音《というと、皆さん聞いただけで「アイウエオ50音《とどういう関係なのかなと聞いてきます。考え方はこれに則っています。それはどういうことかといいますと子音に母音が足されているということです。50音のローマ字表を思い浮かべてください。ローマ字表は「ン《を除いてすべての子音は母音を伴っています。「70音《も同じく子音と母音で作られています。「50音《はアルファベットの小文字で表されていますが「70音《は発音記号で表されています。発音記号は1記号1音ですし、26文字では表せない音も発音記号が網羅しています。発音記号が分かる人なら、誰が読んでも、同じ発音が出来ます。

 添付説明資料―1の「アルファベット70音表:清音《と添付説明資料―2の「アルファベット70音表:濁音《の2枚の表を見てください。このページに英語の音が全部載っています。この表さえ分れば英語の辞書は全部読めます。自分で言うのもなんですが結構優れものなんです。 私はこれが出来上がったとき自分で吃驚しました。というのは私が中学生に教えていた時、[v]は「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ《の「ヴィ《だとか[d]は「ダ、ディ、ドゥ、デ、ド《の「ドゥ《だよなんて教えていたんです。それで、もしかしたら英語を読むのにも50音みたいなものが出来るんじゃないかと考えました。英語教室の生徒に頼まれたのを切っ掛けにネイティブに通じるカナを本確的に作り始めました。

 それで色々工夫して出来上がったのが「70音《です。清音、濁音、半濁音、特殊音という「50音《と全く同じ仕分けに出来上がりました。英語の音を纏めた「70音《と日本語の音を纏めた「50音《が妙に一致したのを見て「あっ!《と驚きの声を上げました。(人間の発する音の共通点を見た気がして)。
 そして「50音《に興味を覚え、調べました。平安時代に出来たそうです。日本人は字を持たない悲しい民族だったとおもっていましたが、1200年も昔に、きちんとした構成でつくられた「50音《を知って、先人の卓越さを思ったことでした。

 ところで「アルファベット70音《というネーミングですが、あまりこだわらないでください。そういいながら私は少し拘っていますけれど。70音表には母音は10個ありますが、私たち日本人の常識では母音はあくまで5個なんです。だから母音は、5個にしました。単にネーミングのためですから10個を5個にしても大勢に影響がないので語呂を優先しました。清音は行が14行ですから、それに母音の数5をかけると14行×5で70音となります。 「ア《は5個あるよ!「オ《は2個あります!という但し書きが付きますが、「アルファベット70音《にしました。本当はアルファベット140音といえば、正確なんですけれども。どーも、そんなことです。

 ちょっと長くなりますがいよいよ70音表の解説です。
 まず添付説明資料―2の「アルファベット70音表:清音《を見てください。一番上の横一行が母音で左側の縦列が子音です。日本語にない音は〇で囲んで示しています。

 ア行です。「ア《が5個あります。どうしても覚えてほしいアは[A]です。「㋐《ですね。その理由は前に言ったとおりです。

 カ行は二行あります。㋕行は「クウア、クウイ、クウエ、クウオ《のような音で、私が高校生の時でしたが、校長先生が「運動会 ウンドウクゥワイ《なんておっしゃっていました。現代仮吊遣いで、この音はなくなりましたが、英語にはあります。
 カ行は[k]は一字の時はいつでも「ク《と発音します。「ク カ㋐ キイ クウ ケエ コオ《と覚えましょう。

 それから次のサ行、これも2行あり、上のサ行は日本語にあるサ行です。 「ス サア スィイ スウ セエ ソオ《と覚えましょう。因みに「シ《はありません。

 ㋚行は日本語にありません。子音thの音です。記号は[T]で㋜と表記します。これは舌を出して発音してみてください。一字だったら㋜、それに母音がつくと、㋚㋐ ㋜ィイ ㋜ウ ㋝エ ㋞オとなります。「㋜ ㋚㋐ ㋜ィイ ㋜ウ ㋝エ ㋞オ《と覚えます。

 次はタ行です。[t]は一字だったら「トゥ《と読みます。母音が付いたら「タア、ティイ、トゥウ、テエ、トオ《となります。「トゥ タア ティイ トゥウ テエ トオ《と覚えます。

 次はナ行です。「ンヌ《と言って鼻に抜けます。必ず「ヌ《は鼻に抜いてください。 「an apple《 は「アナプル《ではなくて「アンナプル《となります。私のカナ使いはカナが発音記号の数だけありますからしつこいようですが、これをしつこいと言っていたら通じないんです。偉い先生たちは簡単にしよう、簡単にしようと簡単にした結果、通じなくなったんですから、発音記号の数だけ真剣に読んで発声練習をしているうちに読めるようになります。ナ行の音は「ナア、ニイ、ヌウ、ネエ、ノオ《で全部鼻に抜けます。「ヌ ナア ニイ ヌウ ネエ ノオ《と覚えましょう。 

 次のハ行には[h]のハ行と[f]のハ行(㋩行と書きます)と二行あります。
 [h]のハ行は息を吐き出します。「フ ハア ヒイ フウ ヘエ ホオ《と覚えます。

 その次の㋩行の音は[φ]の音です。[f]の音は下唇を全部噛みながら言ってください。「㋫ ㋩ア ㋪イ ㋫ウ ㋬エ ㋭オ《と覚えてください。

 次はマ行、[μ]の音です。[μ]は「ム《で唇を閉じるだけです。「ンム《という感じです。「マ、ミ、ム、メ、モ《でなく、口を閉じた音ですから「ンマ、ンミ、ンム、ンメ、ンモ《という具合に発音します。
 「ンム マア ミイ ムウ メエ モオ《と覚えましょう。

 次は[ψ]のヤ行。[ψ]は一字で「イ《と読みます。口をおちょぼ口にして発音するヤ行です。 「イ ヤア イイ ユウ イエ ヨオ《となります。[ι《は口を横に大きく開いて発音します。[ι《と[ψ]は音は違いますが、意味が通らなくなるほどの違いがありません。

 次はラ行、これも[λ]音と[r]音と2行あります。
 [λ]音は舌先を上の歯茎につけて発音します。母音がついた場合は日本語のラ行でいいのですが子音1字の時は特にしっかり舌先に注意して発音してください。大事に発音してほしいので、四角で囲んだルとしました。「ル ラア リイ ルウ レエ ロオ《と覚えましょう。
四角で囲んだ口ルは舌を歯の上につけたままで「ル《と発音します。「apple[Aєπλ]で㋐プ口ル《です。 「アプル《でもなければ「アプウ《でもありません。「アプウ《とカナを振ってある本を見たことがあります。とんでもないです。上歯茎の後ろに舌先をつけて「ル《と言うので「ウ《と聞こえますが「ウ《と言ってはいけません。

 次は日本人が苦手な[ρ]のラ行です。どこにも舌をつけないで「ア ㋶ア ㋷イ、㋸ウ ㋹エ ㋺オ《と言ってみてください。明らかに[λ]のラ行と違いますでしょう。[ρ]は1字ではほとんど発音されません。[ρ]は1字はアと発音します。

 次がワ行で「ウ ワア ウイ ウウ ウエ ウオ《と覚えましょう。唇を突き出して発音します。ということでアルファベット70音表:清音の表が終わりました。

 添付説明資料*2にはアルファベット70音:濁音の表があります。今日は丸印の付いている日本語にない発音だけやっていきます。

 まず[Δ]の音で始まる丸で囲んだ◯ザ行です。舌を噛んで「◯ズ ◯ザア ◯ズィイ ◯ズウ ◯ゼエ ◯ゾオ《と練習してください。これ約束どおりやらないと本当に通じませんから。

 次が[ω]音のバ行、私流に書けば丸で囲んだ◯バ行です。下唇を噛んで「◯ブ ◯バア ◯ビイ ◯ブウ ◯ベエ ◯ボオ《と発声して練習してください。

 以上がアルファベット70音表、清音・濁音2表の説明です。この表の中のカナ表記は全ての英語の発音を網羅しています。英語にはこの表でカナが全部振れます。はじめは大変と思っても、意外と簡単というのが、これを学んだ人の意見です。70音のカナを振った文を見ると分かりますが、日本語では通じない音は、そんなに多くありません。大部分は日本語の音で発声してもあまり問題になりませんから、丸印をつけたものだけは、きちんと音の出し方を練習し覚えていただけば良いのです。そんなに沢山あるわけではありません。でも、アクセントのルールは決して忘れないように!です。

 一部はつづりから日本語にない音が判断できますよ。φ、ω、ρ、ηの綴り字をみたら、これは日本語にない音と思えば良いのです。φが出たら必ず下唇を噛む。ωが出たら下唇を噛む。rが出たら舌をつけない、ηは[Δ]の音か[Τ]の音で舌を歯の間から突き出す、これだけ注意していれば良いのです。

4.アルファベット70音のカナを振る実習

 次は実習をして見ましょう。この表を見ながら英語にカナを振っていきます。英語に、ネイティブに通じるカナが振れると言うのが、「アルファベット70音《発音学習法の真髄なんです。

 英語の発音記号を見てカナを振るにはまず下記のステップがあります。
①発音記号を切る ②カナを振る ③アクセントをつける―下線を引くです。


①発音記号を切る
   1.母音の後で切る[:]があればその後で切ってください。
   2.子音と子音で切る。[τ∑]と[δθ]は切らないんです。これは注意してください。なぜならこれ等は2つの記号で一つの音「チ《「ヂ《を表しているからです。こうやって英単語発音記号を切りますと「子音だけの音《、「母音だけの音《、「子音と母音を足した音《の3つのグループに分かれます。

②カナを振る―70音表をみてカナを振っていくわけです。

③アクセントをつける。母音に下線を引いて、仕上げです。

 実例でやってみましょう。「apple(りんご)《です。発音記号は「Apl《です。まず母音の後で切る。それで[A]の後ろに/を入れます。次は子音と子音を切る。[π]と[l]の間にスラッシュを入れます。「A/p/l《ですね。これを70音表で見るわけです。[A]は「㋐《ですね。[P]は「プ《ですね。次に[l]ですから「口ル《です。それで「プ口ル《とカナが振れたことになります。アクセントは母音につきますからこの場合は㋐の下に横バーをつけました。

 では次に「peach(桃)《です。発音記号は[pi:τ∑]です。母音の後、[:]があればその後で切りますから[pi:]と[τ∑]で切ります。[pi:/τ∑]ですね。それで70音表で見ると「ピー《と「チ《になります。アクセントは母音につきますから「イ《の下に横棒です。「ピイーチ《と振ります「ピーチ《ではありません。「イ《を高め、長め、はっきり発音する「ピーチ《ですからずいぶん違う発音になります。

 次は「Φνδγε(裁く)《です。発音記号は[δθςδθ]です。母音の後で切る。だから子音と母音の組み合わせた[δθς]と子音の[δθ]の間で切るわけです。アクセントは母音に来ますから「ア《の下に下線で「ヂヂ《と振るわけです。「ジャッジ《では通じません。むしろ「ジジ《と言う方が通じます。(英語はジ[θ]とヂ[δθ]は違う音。日本語はヂ=ジとしています。)

 このようにしていくと全部ヨミガナが振れます。今まで短い単語ばかりでしたが、長い単語、それも日本人が発音して最も通じないという有吊な単語にチャレンジしましょう。ある有吊作家の話です。友人がアメリカに行って「motivation(動機付け)《が誰にも通じなかったといいます。それで私はブックフェアのブースでこれを大きく書いて目に付くようにしておきました。通る人通る人にこれ読んでみてくださいとやったんです。四日間、毎日何十人も通ります。時間を空けずに通る人に話しかけます。とにかく多くの人を呼び止めました。100人?150人?かぞえてみませんでしたが、2人だけ読めた人がいました。一人は女の人、「どうして読めたの《と聞いたらご主人がアメリカ人でした。あと一人は25前後の男の人が読めたんです。「どこで発音習ったんですか《って聞いたら「僕韓国人です《といってました。純粋日本人は誰一人発音出来ませんでした。これを発音記号で書きますと[μουτΕωεэτΣΕν]となります。11個音があります。11個言わなくては通じないんです。これにカナを振ってみましょう。まず母音の後で切る。[mo/u/tΕ/ve/i/ΣΕ/n]と分かれます。これをカナに直すと「モウタア◯ベイシァンヌ《です。モチベーションとずいぶん違いますでしょう? 日本人の「モチベーション《では通じないわけですよね。

 このくらいで「カナを振る《をやめましょう。これをやっていきますと全部英語にカナが振れます。ただ丸で囲まれた字をしっかりとその通り発音していただかなくてはいけない。それとアクセントです。たったこの2つを直すだけで日本人の英語が本当に通じるようになるということなんです。

 文章の流れに中でのアクセントについても少し付け加えさせてください。日本で習う英語文章の読み方は一語一語明快に強く言いますね。私たちの父親の年代も特に「Do you have a T-shirt?《と全部の単語を1音1音強く発声したようです。英語は「Do《にも「you《 にも「have《にも「T-shirt《にも各々全部アクセントはあるのです。しかし文章で読むとき、会話の時、全部にアクセントをつけるわけではありません。大事な単語にだけアクセントをつけます。その単語のアクセントを高く言えば良いのです。どこでも自分が読みやすいところにアクセントを付ける。つけたい単語の正しいアクセントのところを強調すればいいのです。「have《なら「ハ◯ブ《だけを高い音で言えば良いのです。

 時間ですからこの辺で私の話を打ち切って質問をお聞きしたいと存じます。またもう少し詳しく知りたいという方は、私が昨年書きました、文芸企画発行の「アルファベット70音:5時間で学ぶ英語の発音《、定価が1200円ですが書店でお買求め頂けたら幸いです。

5.質疑応答

 アルファベット70音によるカナが振られた会話文を読んだ後、質疑応答に移りました。

質問:目からうろこという感じでした。もう少し若いときにお話を聞いておけばと思いました。この70音表はすごい発明だと思います。よく調査して丸をつける「カナ《とそうでない「カナ《を整理まとめたものです。特許が取れるんではないでしょうか?是非広めるべきだと思います。
答え:ありがとうございます。私の力は小さいですからまだまだ大きな影響は与えていないのですが、日本の英語教育になんとかお役に立ちたいと念願はしています。

質問:オーストラリアなどでは「Thank you 《を「タンキュー《という人がいますがそれでも通じるのですか?
答え:サンキューよりずっと通じます。タンキュウのタでは舌を口蓋につけていますから。それと何故日本人のが通じないかと言うとアクセントが悪いのです。同じ外国人でも中国人は通じやすいようです。最近日中辞典を買い込みまして気付いたのは中国語には、[f]の音が沢山あるのだということです。日本ではこれはみな[h]の音で表しているわけです。「飯《は中国では[fan]ですが日本では[han]ですね。私が前に教えた大学生が、中国語を勉強したら自分の英語の発音が良くなったと言っていました。それで中国の子供たちはどうして発音を覚えるのかと思って私は知り合いの中国人の方に初等教科書を取っていただいたんです。そこで驚いたことは小学校一年の教科書に漢字がないんです。全部アルファベットの小文字が並んでいる、これが発音記号なんです。ですから当然[f]の音もありますし、[r]の音もあります。

質問:アクセントのルールというのは初めて聞きましたが。
答え:日本の教育では教えられていません。「アクセントのある音は強く発音する。《これが学校で教えられているアクセント教育です。【私は辞書を片っ端から見ました。少なくても10冊以上、また、インターネットでアクセント、発音に関するサイトにアクセスしました。全部アクセントは強く発音するとされています。日本の教育の一元性の恐ろしさを見ました。日本中であるいは私だけが、違うと叫んでいます。】一冊だけ「New handbook of English《という本に2重母音は前の母音を高め、長めに発音するのがコツだと書いてありました。私はそれからなお、調べまくりました。「http://www.englishclub.com《にぶつかってアクセントにルールがあるということを見つけたのです。アクセントのルールは何か、「一つの単語に必ずアクセントがある。《「それはloudlyに発音すると言うこと。《「アクセントは子音につけてはいけないということ。母音につける。《とありました。これに気がついて私はこの表にたどり着いたのです。

質問:日本では今でも初めに英語の発音記号の正しい読み方を教えていないんですか?
答え:文部省の指導要綱を見ますと中学校では教える必要はないと書いてあります。日本語の発音も教えていないのになんで英語の発音を教えるのかというのです。そんなことってありますか?中国語を勉強する人もフランス語を勉強する人も一番最初に発音を徹底して習いますよね。そこが一番大事だからです。難しいといって、避けて通りません。私はアクセントのルールに気づいてからは外人と話すのが平気になりました。この年末年始にかけて、オーストラリアに住んでいたときに仲良くしていた、オーストラリア人のご夫婦がきました。    日光や富士を案内しました。陽子は英語が上手になったと言われましたが、私の英語力は全然以前と変わっていないのです。発音さえ勉強すれば、皆さんの知っている英語がそのまま通じるようになるのです。初めに音ありきなんですね。

質問:我々も発音記号は習ったんじゃないかな?
答え:発音記号は高校で教えるところがあります。一つ一つの音を習っても、母音をつけると、先生自身がローマ字のように読んで教えます。それがカタカナ英語になってしまいます。また辞書にも書いてあります。私は拙著にそういう事実を全部載せました。1つ1つの発音記号の音を習うだけでは、英語が通じないのは、皆さんで、私たちで実証済みです。

質問:カタカナで発音を教えるのではなくて、発音記号で最初から教えれば良いわけですか?
答え:でもね。発音記号だけで習っても、ここにアクセントがあるからとかということを習っていないと[mo]は「モ《になっちゃうんです。「モオ《と読むことを教えていないから、結局日本語読み、ローマ字読みの発音記号になって通じないのです。ですから私はアルファベット70音表を使って発音記号の読み方を初めに教えることが、画期的な効果を発揮すると思います。
最後に英語の歌を70音表で表して歌ってみたいと思います。添付説明資料*3に野口雨情作詞の「しゃぼんだま《の歌をあげました。これを歌ってみたいと思います。歌を歌うのは発音練習にいいのです。文章全体にアルファベット70音でフリガナを振り、アクセントの位置もはっきり表記してありますから、歌っても外国人に通じます。歌うときも母音にしかアクセントはつけられないことにご注意下さい。(しゃぼんだま英語版独唱)
拍手


添付説明資料*1



添付説明資料―2



添付説明資料―3



おわり
文責: 臼井良雄
会場写真撮影:橋本 曜 HTML制作:大野 令治