神田雑学大学 平成19年4月27日 講座No357

紅茶の愉しみ方

講師 鈴木ゆみ子




(クリックをすれば該当の項へ進みます。
ブラザの「戻る」ボタンで目次に戻ります。)
はじめに

どんなお茶をのんでいますか。

紅茶葉の発祥と歴史

おいしいお茶をいれるために

質疑応答



1.はじめに

私が色々なことをいたします時に大切にしていることがあります。それは何事に対しても楽しくやりたいということです。楽しさというのは一人では駄目です。側にいる人がそうでないのに自分だけ楽しくてしょうがないということにはなりませんよね。そこで私はともに愉しむということが出来るように心がけています。

そして2番目には健康でありたいという気持ちがあるものですから、必ずその何かのことを健康に結びつけて考えています。どうやれば健康でいられるか、健康維持になるか、予防医学に繋がるかということを考えて取り組んでいます。

そしてもう一つは文化です。そのものについてだけ詳しくなるのではなくて、そのものをとりまく文化がどういうものであるのかを本格的に知りたいと思います。 周りの人と楽しく、健康で、色々な文化を正しく知りたいというのが、私が今まで学校でも私生活でも大事にしてきたことです。



2.どんなお茶をのんでいますか。

日本や中国では緑茶が多く飲まれていますね。中国では約70%が緑茶です。ジャスミンティーはほんの少ししか飲まれていません。日本は最近色々なお茶が増えてきましたが、緑茶のほかにハーブティーと言われているハーブ茶も飲まれています。ハーブ茶も調べてみると「エー」というぐらい歴史が長いものです。飲み物は私たちの生きていくために必須のものです。だから長い歴史がそれぞれあるのです。

イギリスなどは緑茶と紅茶が入ってくるまでは、セイージ、サルビアですね、の葉っぱを使った、日本人が今ハーブティーと呼んでいるものの一種でしょうが、これが主として普通の飲み物として長い間飲まれていました。それから地中海沿岸ではミントティー系統のハーブティーが飲まれていました。

おとなりの中国では色々の草木を使ったもの、たとえば杜仲茶だとか中国漢方をベースにした飲み物を飲んでいました。先ほど中国は70%が緑茶ですと申しましたけれども貧富の差が激しかったので、飲める方と飲めない方に分かれていたのです。緑茶が飲めないので、柿の葉っぱを使ったり、色々なものを使って飲み物を作り飲んでいたわけです。

サフランティーというのも最近出てきておりますが、これはイベリア半島とか地中海沿岸ではかなり飲まれていました。今はあまり飲まれなくなりました。日本が輸入するようになって輸出した方がお金になりますのであまり現地では使われなくなってきたのだそうです。余談ですがサフランティーは更年期障害を楽にしてくれます。逆に若いお嬢さん方や妊娠初期の方にはホルモンの関係で飲んでは駄目と言われています。

イギリスでは男性がサフランティーを飲むとすごく元気になって明るくなって女の人に優しくなると言われていて事業に失敗したような時にこれを飲むと良いと言われていたそうです。また更年期と言うのは男性にもあるのです。そういう時にはとても良いです。

日本ではハーブティーを特別のお茶のように言いますが、これは何でもいいです。庭にある食べられる葉っぱをさっと洗って熱湯を入れて少しおくとエキスが出てきます。それぞれの薬効が働く飲み物になります。 緑茶のグループ、ハーブティーのグループの他に工芸茶のグループというのがあります。工芸茶というのは緑茶をベースにして、花の香りをつけたもの、まずジャスミンティーが有名ですね。

それから緑茶をベースにして花そのもの、乾燥葉を付けた物、つぼみを乾燥させたもの、果物を乾燥したものを組み合わせたもの、などがあり、これは歴史的には私たちがハーブティーと言っているものから派生したものといえると思います。

中国に緑牡丹と呼ばれる有名な緑茶があります。毛沢東時代にも潰されないで生き残ったものですが、菊の花のようになっています。それは中国の15、6歳以下のお嬢さんが手作りで作るものです。

日本で買いますと一個250円から500円近くします。ただし10煎は出ます。日本の緑茶は3煎目と1煎目の味がはっきり違いますね。ところがこれは10煎しても味があまり変わらずに飲めるのです。それはそれなりの作り方と気候風土、土地などによるのです。

余談ですがジャスミンティーは日本では有名ですが、中国の南の地域とか四川省とかの茶葉が良いところでは出さないです。ジャスミンティーの歴史は北京が発祥です。北京まで中国の南のお茶の産地から行くには昔のことですから距離が有りますね。時間がかかったのです。ですから茶葉が駄目になってしまうのです。そこで宮中の役人はどうしたかというと、ジャスミンの香りを付けて悪くなった緑茶を隠そうとしたのが発祥なのだそうです。

日本のジャスミン茶に使われる茶葉は皇帝にいくような高級なものではありません。後から香りを添加するので茶葉のランクは低いものが使われています。ですから本当に良い、中国でVIPが飲むようなジャスミンティーは日本の中国料理屋さんで出てくるようなものとは違います。日本ではジャスミンティーというのはお茶をやっている方からは下級と見られている場合が多いです。

本物のお茶の香りと味を愉しみながら中国のお料理を召し上がって欲しいと私は思います。(注・ジャスミンティーについて、「中国料理にはジャスミンティー」という形が日本では定着しているので、本格的な中国料理店でもよく出されます。この場合は良質な茶葉のジャスミンティーです。)

私は明時代から続いてきている中国の皇帝の茶園に行くことがかないまして、そこでいろいろ味わってきました。皇帝の茶園は今の中国でも大変な管理をされていまして、通常のルートでは外へは出てきません。売っていませんし輸出もしていません。私は木村春子先生に中国料理を習っていまして、木村先生と一緒できたので味わうことが出来たのです。このお茶は、すごく深くて良いお味でした。(注・木村春子、中山律子両先生は中国料理に関しては日本でも中国でも重要な立場の方です。)

工芸茶のほかにはバター茶、羊茶(ようちゃ)、漬物茶などがあります。羊茶というのは羊の肉の(主にマトンの肉)を入れてお茶というよりはぐつぐつ煮た鍋から、肉と一緒に汁を飲むもので、私たちにとっては「えーこれも飲み物」というようなものですが、モンゴルの方々にとってはこれも大事な飲み物なのです。漬物茶というのは3種類にグループ分けできまして、ひとつは噛んで味わうお茶です。それからそれを使って飲むもの、日本で言えば塩漬の桜の花を飲む桜湯のように。それからそれをお茶でなくお茶請けとして食べる、3種類のいただき方があります。

こうやって同じお茶でも色々な場所で気候・風土に合わせた色々なお茶の種類やいただき方があって、色々な工夫がなされている、そういうのに出会いますと人間ってすごいなーとよく感心させられました。 お茶は食事中だったり、食後やリラックスする時、人と逢いたい時の道具として、病気をなおすための薬用、の色々な面に活用されていますね。 目的はおいしいお茶が飲めればいいわけです。ですからどうしたらおいしいお茶が飲めるか、それを少し話してみたいと思います。



3.紅茶葉の発祥と歴史

基礎が分れば料理のレシピ本は要らないと言います。最近すぐ答えが欲しいという方が多いです。しかし答えだけを聞いてもそれは活用が出来ません。自分の生活の中で生かすためには、その答えの背後に潜んでいる歴史や文化的なものが分らないと活用が出来ないと思います。そんなわけで今日は美味しい紅茶のいれ方だけでなく、その背景にある歴史、文化のお話を最初に聞いて頂きたいと思っています。

これが茶葉です。この茶葉のなかに入っている酸化酵素を発酵させないようにソーっとソーっと撚って水分だけ乾燥させたのが緑茶、そして30%から70%発酵させたものがウーロン茶系です。100%発酵させたのが紅茶です。完全な発酵茶・紅茶といわれるようなものが出来たのは100年くらい前といわれ、イギリスの紅茶文化300年と言われますが、昔は70%程度の半発酵茶を紅茶と呼んで味わってきたわけです。

そしてもうひとつ日本でブームになっているのがプーアール茶でこれは発酵茶の仲間には違いがないのですが、後発酵茶と言って後から発酵するようなかたちに熟成させたものです。

この紅茶をどのようにしていれますかという時に、知っておいていただきたいことがあります。紅茶を買うときその缶の裏側の表示を見たりお店の人にたずねてください。中国種とかアッサム種とかについて。 不発酵茶、半発酵茶、発酵茶といったのは酸化酵素の発酵の度合いで分類したわけですがここでお話したいのは、茶葉の生まれによる違いです。
茶葉の原産地の違いによって、中国種というものとアッサム種というものがあります。今から100年以上も前アッサム種が発見されて、それからアッサム種と中国種を交配してアッサム雑種というものが出来ました。

現在は100%中国種の紅茶は非常に量が少なくなっています。アッサム雑種が主流をなしています。つぎがアッサム種です。この違いをまずつかんでください。どういうふうに違うかと言いますと、葉の違いはこうです。



雲南省シーサンバンナという1000mから2000m近いところの山岳地帯に茶の原種がありました。これを中国種といいます。紅茶の為にイギリス人がそれをインドに持って行って植えたわけです。ダージリンという町に植えました。葉は小さく低木です。(注・摘み取りやすいように低木に品種改良してきています。)

日本もこの系統が入ってきましたから日本のお茶の樹も低いのです。これから緑茶も発酵茶も出来るのです。韓国も仏教の導入とともにこれが植えられたのですが、14世紀に儒教に変わったために、飲み物も全部習慣がかわり現在タドウと言われる日本の茶道と同じような形のものが少し残っているだけです。一般にはなくなっています。

この中国種は香りが非常に良いのです。こちらのアッサム種は中国種に比べますと香りはあまりしません。その代わりアッサム種は、色とこくがあるのです。ですから香りが欲しいお茶には中国種、色と飲んだときにおいしいということを求めるならアッサム種が薦められます。缶の底の原産地を見るようにと先ほど言いましたのは、そういう愉しみ方をして欲しいからです。

アッサム雑種なんては書いてありませんので,、原産国中国であったり、インドやセイロン(スリランカ)と書いてありますので確認するとよいです。 最近はこの2種類を交配したり混ぜ合わせたりして香りも色も強くすると言う研究もされています。

これらの樹は1000年も2000年も前から栽培されていたということが中国の記録に残っています。これは雲南省から発生してそれから上の方、四川省に川沿いに伝わって行ったとされています。 淹れたときの色はカップに入れた時、カップと上澄みの接触点、それがこちらの中国種の葉は薄いオレンジ系に見えます。真っ赤ではありません。ですからオレンジ系に見えたら中国種が入っているんだなと思われるとよいとおもいます。

それからこちらのアッサム種だけではオレンジ系に見えませんで赤く見えます。濃いきれいな赤い色です。オレンジ系が見えて赤くも見えるというのは、それは混ざっているかアッサム雑種です。雑種だから品質が悪いと言うことではありません。 お茶を愉しむにはまず原産国を見てください。



4.おいしいお茶をいれるために

色を見て愉しむためにはティーカップは出来るだけ外からの光りが入るように薄手で白いものがいいです。内側が金色だったり色々な色や柄がいっぱいあるアラブ諸国にイギリスが輸出する為に作ったようなカップはあまりお薦めではありません。

それからお茶の葉っぱの摘み方ですが、どの種類のお茶の樹も先端は芯と葉っぱがこういう風に付いています。葉の大きさはアッサム種と中国種は違うのですが形状はほぼ同じです。(注・栽培地と品種改良によって、正確には葉先とぎざぎざの数や大きさが違うものがあります。)これから上を摘むのが一芯二葉です。この芽が大事なのです。この芽に産毛が生えているものといない種類があります。これは種類によるもので、産毛があるのが高級とか低級と言うようなことには関係ありません。

新芽と若葉を摘んだのが一芯二葉。特別に中国などで王様に出したのは一芯一葉でしたが、こういう良いものは茶柱は立ちません。これを昔は手で摘んでいまして、乾燥させるのも鉄釜でやるんのですが、手でやっています。見ていると側に居てもものすごく熱いですね。

次のランクが一芯三葉、ここまでが紅茶として良いランクに入ります。中国種だけはもう1枚余分にここも使っています。アッサム種は使えません。硬すぎるのです。なぜ中国種は四枚目が採れるかといいますと背が低くて全体に柔らかいのです。でも本当に良いグレードは一芯三葉までです。茶の茎がそんなに入らないのです。入っても本当の若枝ですごく柔らかいし甘いです。

紅茶の場合はシロッコというのですがこれで揉撚して、乾燥させるのです。この厚さが4,5cmです。それが3段くらい重なってそこでどんどん乾燥させます。そして発酵させます。出来るだけこれ(葉)を砕くわけです。それで細胞の中のエキスを出して、もちろんポリフェノールも沢山出てきますし、抗酸化物質も出てくるのですが、ポリフェノール類はアッサム種の方が多いです。赤いのがその証拠です。ポリフェノールも抗酸化物質も赤い色も沢山と言いう点ではこちらアッサム種が紅茶向きの葉ということになります。

香りを求めるのなら中国種ですから、中国種を買ってきましたらまずミルクを入れないで飲んで欲しいと思います。なぜならばミルクのたんぱく質、においでせっかくの香りが消されてしまいますから。レモンなんてもってのほかです。ダージリンの最高のお茶に「レモン、ミルク?」なんて聞かないで欲しいのです。

紅茶はいれる温度が高いですからレモンオイルが出てしまいます。お茶の本来の香りが負けてしまいます。ミルクを使いたい場合はどの紅茶でも、乳脂肪分が3.6以上のものを使い、そして常温にしたものをお使いください。冷蔵庫から出したものをすぐいれないでください。

ミルクを温めて使うという方がいらっしゃいますがその温め方が問題です。60度以上にしますとたんぱく質の凝固が始まって、その前に変性も始まりますから、牛乳の変においが強くなるのです。それでお茶のにおいも消されるし成分が出なくなってしまいます。

どうしてもレモンティーが好きとおっしゃる方はレモンはあまり分厚く切らないでください。ビタミンCは酸素ですぐ酸化してしまいますから切ったらすぐラップする、切ったらずらさない、お取りいただく時にちょっとずらせばビタミンCを酸化させないですみます。(注・レモンティーでビタミンCを摂りたいと思う方は少ないでしょうが、時に味や香りではなくビタミンCのためにレモンを入れるという方がいましたので)

中国種とアッサム種の違い分っていただけたでしょうか?

今日お集まりの方々の中で私はアップルティーが好きでという方やレモンバームがあるのでそれを入れたいという方は、どちらに入れたら良いかです。レモンバームはちょっとだけ叩いて入れますとよく香りが出ます。そういうことになると、香りの少ないお茶に入れた方が良いですね。それと中国種でも「あら古いのが残っちゃった。香りが抜けている」という時にはこれに入れてもいいですが、ミントティーを作りたいときはアッサム種を使った方が良いと思います。

葉っぱでグレードの低いものはアップルティーに使われてきました。一番グレードの低い葉はティーバッグに使われてきました。今から10年前まではそうでした。今はアフリカの東海岸の方に茶畑が作られまして、ティーバッグ用に若木を使うようになりました。だからこくはありませんがさっぱりとした若い味のものができるようになりました。(注・現在アッサム雑種をティーバッグに使っているメーカーが出てきています。)

話がずれますがティーバッグはポットでおいれになった方が良いですよ。あれは一煎一個と言いますが、これは売るための作戦、ワンバッグで普通のティーカップで2杯はいれられます。 それから「若い樹で物足りない」という時にアップルティーなどを作るといいですね。

そういうわけでアップルティーとかジャスミンティーとかの香り茶、花茶には全部グレードの低い葉が使われてきたのがほとんどです。唯一すごくいい茶葉を使っているのが、フォションのアップルティーです。でもフォションのはきついと言われる方もいます。一番簡単なのは古くなった茶葉にリンゴをスライスして皮ごと入れればいいのです。いれたリンゴはお茶を吸って味が変わりますから普通は食べないで残したほうがよいです。

いよいよお茶を淹れます。

ポイントはお茶は葉もそうですが、水もとても大事です。それから温度が非常に大事です。水はなかなか選べませんでしょうからともかく自分の家の水を信じて浄水器を使おうと使うまいと、やかんにジャーッと水を入れてください。汲み置きはだめです。空のやかんに勢いよく入れるのです。

30cm以上高いところから水を入れて下さい。空気を取り込むためです。お水を入れましたら火にかける。そして強い火でガーと沸騰させ、熱湯を作ることです。98度以上100度くらいで3分沸騰させてください。5円玉位の泡がぶつぶつ出るくらいにです。但し3分以上はしないで下さい。トリハロルメタンが取れるという最低限が3分なのです。そしてそれ以上沸騰させると美味しい原因になる水分中の空気が飛んでいってしまいますから。さめ水と同じになってしまいます。

ぐらぐらさせている間にポットを用意します。正式には2ポット用意します。日本は歴史がないですからワンポットが多いですが、2ポットで淹れた方がはるかに楽です。下準備用のポットとテーブルに出すポットと2種類です。テーブルに出すものはサービス用ですからどんな形のものでもかまいません。ここで用意して欲しい最初のポットはこういうだるま型のものです。

茶葉を入れる時、このポットの底の真ん中に入れます。それで出来るだけお湯をジャーッと勢いよく注ぐのです。これをやってはいけない例外が一つあります。ダージリンのファーストクラス、これはそうっと端からお湯をちょろちょろと入れてやります。そうでないと雑味とが出て香りが飛んでしまうんのです。そのくらいデリケートなんのです。

だるま型では中で熱対流といって茶葉が一旦上がってまた下がるという対流が起きます。それをやらせることで中からエキスが沢山出てきます。この様子をジャンピングといいます。このだるま型が一番早く良く自然に茶葉からエキスを抽出させることが出来ます。

ポットの中、内側はすべすべのものがよいです。ザラザラではお茶の香りや味がついてしまいますから、茶の種類だけポットが必要になってしまいます。そうなるとやはり高いポットになってしまうんのですが、ともかくだるま型を使ってください。 この一芯二葉または一葉で、撚りをかけたのがOPというもので、これは淹れるのに時間がかかります。また手間がかかっていますから値段も高いです。ですが香りが良いです。

そしてこちらがBOPといって茶葉をカットしたものです。これは早くでます。 これはCTCといって主にアフリカのものです。(注・最近はアッサム種やアッサム雑種もCTCにするようになりました。) ポイントは早く短時間でいかに楽にエキスを出させるか、そして熱いうちに飲むということで、そのためにポットもカップも温めておくということが大切なことなのです。紅茶は一煎だけです。一煎と二煎でいかに差があるか試してみてください。もし差が感じられないようでしたらそれは一煎目がよく出ていないのです。

是非リラックスして良いお茶を心から愉しんでみてください。そしてここに至るまでの苦労された人たち、アッサム種を発見したロバート・ブルースさんから始まってどれくらいインドやスリランカの方たちがコーヒーと紅茶のために私たちが想像できないような苦労をしているのかを想って下さい。そのような流れがあって日本はやっと100年の歴史です。「頂きます。おいしかった。そしてリラックス出来て『やっぱり紅茶はいい!』」というふうになっていただけたら嬉しいです。

(拍手)

5.質疑応答

質問:ポットの話が面白かったのですが、緑茶は万古みたいに吸湿性のある陶器を使っていれるのに、紅茶は表面がつるつるの磁器のポットで淹れるのですか?

答え:緑茶の場合でも緑茶のポットとほうじ茶のポットと同じになさいますか?知らない間に分けて使っていらっしゃると思います。それが日本の茶の文化です。混ぜたら駄目なんだと言うことです。紅茶も同じことでいつもアッサムのこれを飲んでいると言うのならかまいません。お茶によってはすごい匂いのものがあります。そういうものを入れた後のポットは残り香が残るのです。そういう意味でひとつで何でもまかなおうと言う場合はつるつるの硬い内面のポットが良いとおもいます。

質問:さっきプーアール茶の話が出ましたが、私買って来て飲んだんです。でも高いばかりで美味しさがよく分からない。どうして愉しんだら良いのでしょうか。

答え:プーアール茶の一番良いものはこういうレンガの形をしていてこれで5000円以上がします。独特の風味がありましたでしょう。かび臭いといいますが、それがプーアールの命なんです。そこに脂肪を分解させるリパーゼと言う酵素が出来上がっているのです。これは一煎でなく十煎くらいまで優に出ますから、高いですけれども、脂肪を分解しますし、慣れることで大事にお飲みになることをお薦めします。但し100度近い高い温度で淹れてください。そうすると雑菌もある程度は死にますから。ただプーアールは匂いが強いですから、他のお茶をいれたい時はポットは変えた方が良いですね。

質問:お茶の葉っぱ先ほど見せていただいた2種類だけなんですか?

答え:代表的な元ものがアッサム種と中国種、あとはそれを交配したアッサム雑種です。元は基本的に2種類です。

質問:前にだれかに聞いたのですが、コーヒーとか紅茶とかで香りの良いものは高いところ標高の高いところでとれる葉は香りがあって、低い方が味のほうだと聞いた事があるんですが、そういうことがあるんですか?

答え:その通りです。だけど葉だけで比べるとアッサム種よりも中国種の方が香りがあります。でおまけに中国種は最初に植えたところがダージリンと言う標高1500以上のところで、谷風がブワーと来て、霧が沢山湧いて、一日の寒暖の差が何十度もあるところに植えられています。ティーベルトと言うのですが、良質の茶が採れて標高が1200、1300以上で一日の寒暖の差が大きい所のものは、それは香りが良く出ます。

ところがアッサム種は発見されたところと栽培したところがそういうところでなかったのです。アッサム高原の標高はダージリンより標高が低いです。温度差も少ないのです。アッサム種だけのものを比べれば1000mのところで採れたものと600mのところで採れたものではまた全然香りが違います。

セイロン島にルフナという茶が採れるのですが、それは標高が最高でも600m位です。それは香りが殆んどないし、日本人はお呼びじゃないですが、不思議にサウジアラビアだとか中近東の方々が羊の油を入れたりして飲むのには使われていますね。同じ種なら標高が高いものほど香りが良いです。しかしいまのところはダージリンにかなうものはありません。   セイロン島の東側に標高が大変高い茶園があります。そこでウバというお茶がとれます。それは香りが良いです。

質問::ダージリンてよく聞くのですがこれは地名なんですか?

答え:地名です。ダージリンはヒマラヤ山脈のすぐ麓、2300から2800mくらいもある谷のようなところでと聞いています。ダージリンの土地で採れたお茶を全部ダージリンといっています。

質問アメリカ人はお茶は飲むのですか?

答え:独立戦争は紅茶の輸入問題で始まったくらいですから、清教徒たちを中心にお茶は嫌だよと言う気持ちが強いのです。紅茶で戦争と言えば阿片戦争も独立戦争もそうですね。(注・最近は紅茶といえばアイスティーがよく飲まれているそうです。)

終わり


(文責 臼井良雄)  会場撮影 橋本 曜   HTML作成 上野治子