神田雑学大学講演抄録
日時:平成19年6月22日

生涯現役の為の食育のすすめ 講師:渡辺稔子



目次
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はじめまして
食育とは
マイクロビオティックとの出会い
健康について
自分の身体は自分でまもろう
現在携わっていること




講師の渡辺稔子氏
(1) はじめまして

私は京王線桜ヶ丘駅の近くでマクロビオティックの小さなレストランをやっています。たまたま古井さんのお嬢さんとの縁で神田雑学大学の人たちが「江戸ソバリエ」をやっていることを知り「そばうち」の実践を見ることができました。とても楽しそうに「そばうち」をしていました。

昔、サミエル・ウルマンというアメリカにの詩人に「青春」という有名な言葉がありますが、そのなかに「時には二十歳の青年よりも六十歳の人に青春がある」という一節があるのを思い出しました。

昭和51年,牛尾先生のご縁で、食育を軸にした保育園を作るにあたって、保育士と栄養士の資格を持ち合わせている私に、保育園の立ち上げに協力してもらえないかと依頼され、携わることになりました。老人ホームの前に保育園をつくることはとても意義あることと思われたのです。当時、玄米菜食といっても相手にされず、まして子供たちに玄米を食べさせるなどということは考えられないことでした。

 それでも私達が必死にやっていた記録や報道された記事をみますと、30年前に、現在騒がれている食育というものを、既にやっていたことがよくわかります。「食育こそ教育のかなめ」という雑誌の特集のなかで、その担い手として紹介もされています。「あゆみ」という「やまと保育園」の記念誌も最近出版されました。それ以前からの、長年正食に取り組んできている団体もいくつかあります。開園数年後に、私は自然食レストラン「あかしや」を開店いたしました。

(2) 食育とは
食とは、人を良くすると書きます。「食育」という言葉は、いつ頃誰がいいだしたのでしょうか。昔から知育・徳育・体育の三育はいわれてきましたが、それに食育を加えて四育を提唱したのは村井玄斎という方ですが、玄斎よりも以前に明治の薬剤官だった石塚左玄は食育の大切さを説いています。

今、世間では食育ブームですが、いまさら食育運動とは誠に情けない話です。しかし、すぐ切れる大人、すぐ切れる子供が増え続けています。このすさみ切った社会現象に、やっと政府も腰を上げ2005年に「食育基本法」が発足しました。

食育基本法では「食をめぐるさまざまな問題に対処し、解決を目指す取り組み」を食育という とうたっています。1977年に米国ではマクバガンレポートで食事指針が出されました。 そして、日本食のすばらしさに目を向け始めました。日本はどうでしょう。逆に洋食党が増え、大腸がんや乳がんが急増しています。

食育とは、お題目を唱えて一朝一夕に身につくものではなく、本来は日常の暮らしの中で、代々受け継がれ培われてゆくものだと思います。それは、ひいては情操教育にもつながるものではないでしょうか。まさに食の原点を見直すべき時です。

「三つ子の魂百までも」と云いますが、幼児の時に人格の70%は作られると云われています。人間の基礎が作られる大切な時期ですね。実例として3人の兄弟で一番下の子は3年間、真ん中の子は2年間、一番上の子は1年間、玄米菜食と手造りのお八つでしたが、結果として小学校へ行って一番丈夫だったのは3年間、保育園に長く過した子でした。と父兄からの報告がありました。
また、春になって“つくし”をたくさん摘んできて、保育園に届けてくれた女の子もおりました。ピアノやバレーと違って、心にのこる情操教育にもなっていたと思います。やさしい心が育っているなと、とても嬉しかったです。

(3) マイクロビオティックとの出会い
マイクロビデオティックとは、自然の摂理に適った生活法のことです。(故)桜沢如一、リマ夫妻が、日本に古くから伝わる食養生と、東洋の深い知恵「易」の原理を日本柱に、「無双原理」として確立、世界に広めた新しい生活法です。実践に基づく食育論からその流れを汲む、お茶の水クリニックの森下敬一ドクター、アメリカのボストンで活躍の久司道央先生、(故)牛尾盛保ドクターその他、地道に活動している先輩諸先生方から沢山のことを学びました。


熱心に話を聞く受講生


穀物菜食
歯の形や腸の長さから考えられるように、特に日本人の穀物菜食が自然の摂理にかなっているのです。主食は、米を中心に、ソバや麦,ヒエ、アワ,キビ等の雑穀や豆類を五とする旬の野菜や海草は二、魚介類中心の動物性食品は一が副食が目安。食品添加物などの化学物質が入った食品や水は極力避けます。無農薬,低農薬の有機農法の作物が理想です。調味料は自然醸造のものを使用,砂糖は用いず、黒砂糖やハチミツを少量に替えてみたら。水は自然吸いが好ましいのですが,備長炭を水に24時間以上つけたものを使用する方法もあります。

一口百回,腹八部目
よく噛むことが健康のかなめです。唾液の中はパロチンという長生きのホルモンがあり、殺菌作用あり、消化酵素もありで大切な役目を果たしています。箸は一口ごとに下に置き、健康な人で50回以上、病気の人は100〜200回くらい噛むように心がけてください。現在では早食いやグルメ志向になっています。

 食べすぎはどんな場合でも胃腸に負担をかけます。体にとって適切な量を保つためにも、ゆっくりとよく噛んでいれば“自ず”と腹八分目になります。(「よく噛めよ」の歌を紹介)他のいのちをいただくことに感謝して・・・・

一物全体・身上不二
生物は、一物全体で生命バランスが保たれています。玄米も豆類も芽の出る生命力があります。野菜の皮も葱のひげやアクも大事な働きを持ち、捨てずにうまく料理すれば旨味に変えることが出来ます。穀物は精白せず、魚も全体が食べられる小魚が理想。また、環境と身体は一体。身近な季節・風土から自然に生まれてくるものを頂くのが、身体に最も無理がなく適しているのです。

アクも、大事な働きをもち、捨てずにうまく料理すれば旨味に変えることができます。米も丸ごと食べられる玄米、魚も小魚がいいのです。また環境と身体は一体。身近な季節・風土から自然に生まれるものを食することが、身体に最も無理がなく、適しているのです。

陰陽調和
 マイクロビオティックの「陰陽原理」を頭に入れて、バランスのとれた食事を調えます。例えば地表面を基準として、上に向って伸びる遠心力を持つ葉采類や果物は陰性(▽)で、身体を冷やし組織をゆるめます。逆に下に向って伸びる求心力を持つ根采類は陽性(△)で、身体を温め組織を引き締めるなど、それぞれの性質に違いがあることを考慮して、陰陽の調和をはかってください。
 夏の暑い時は体を冷やしてくれる陰性の作物(胡瓜,茄子、トマト,西瓜など)冬の寒い時には体をあたためてくれる根菜類(ゴボウ、人参、大根、山芋など)と理にかなっているのです。南方の暑い地方には陰性の果物が豊富です。

 現在では流通機構が発達しているので、一年中世界中の食品が手に入りますが、正しい判断力が問われます。嗜好に走ると病気のもとを作ってしまいます。陰陽の問題は、大変大きくて、深くて面白いテーマです。“陰あれば陽に”“表大なれば裏また大なり”。この世の中は、常に二面性があることを理解すれば、物事が客観視でき、人間関係もスムースにいくのではないでしょうか。「マクロビオテックの目的は最高判断を身につけること」

講師の渡辺稔子氏 (4) 健康について
健康の三大条件と云えば 気・血・動ですが、これに現在では環境が加わりました。精神的なもの、食べ物、運動状態のバランスと、よい環境が加われば申し分ないのですが・・・ストレスの多いこと、食の乱れ、運動不足に環境汚染と問題が堆積しています。できることから改善していかないと間に合いませんね。

食のもとは た べ も の 
広義のたべものとして、太陽・空気・水・土がありますが、太陽の恵み・きれいな空気・安全で美味しい水・生きている土、完璧を求めるのは無理かもしれませんが、少しでもよい方に近づけたらいいと思います。地球の汚染も深刻化しており、地球レベルの問題になってきています。

「病気とは、血液の酸毒化(アジドージス)である」
この玄葉に出会った時は”目からうろこ“でした。私は、こどもの頃から体が弱くてずーっと悩んでいました。通学と通院と半々の日々で、高校卒業の時は単位もすれすれに、」やっと卒業出来たありさまでした。上京して栄養学を学ぶことになるのですが、解決できず不調は続いていました。そんな時に“新栄養”という月刊誌をめくっていて、上記の玄葉に出会ったのです。おかげで長年の悩みからは開放されました。

●三白の害 三白とは白砂糖・玄米・化学調味料を云いますが、食養の世界を知って、自分の体調の悪さは白砂糖漬けが原因であること気付きました。昔、アメリカの映画で「サンセット大通り」の主演女優、(故)グロリア・スワンソンさんのハズのダフティーさんが「砂糖病」(シュガーブルース)という本を出版しています。かった来日の際にご一緒する機会があり、スワンソンさんのサイン入りの本が我が本棚に鎮座しています。

昔から白砂糖はカルシゥム泥棒と云われているように代謝される時にカルシゥムやビタミンを道ずれにします。 白砂糖や果物のとり過ぎは体を冷やし、イライラや病気のもとです。気をつけましょう。
 
(5) 自分の身体は自分でまもろう。
病気は医者が治すものでも薬が治すものでもない。自分自身の治癒力を高めることなのです。今までの治癒力を食い改めることは大変難しいことですが、反省を繰り返しつつ、よかれと思う方向に努力してみましょう。ハレの日の食事、普通食、食事療法の三つのパターンを頭に入れてやれば混乱も起きないでしょう。病気治しの食事療法は徹底した方が回復が早いです。

玄米菜食は生活習慣病やダイエットに最適です。「食事療法とは、がん細胞を枯渇させることである」とスワンソンさんも説いています。浄血することが大切。メタボリックシンドロームとか、デトックスという言葉がはやっていますが、玄米のデトックス効果は抜群ですよ。夏の水分対策(むくみ)によい方法を御紹介します。

◎ 玄米クリームスープ 玄米を炒って10倍の水を加えてコトコトと煮て塩少々加え、分量の1〜2割、水分が減少したら火を止め、木綿袋に入れて濾し、もみだした重湯を飲みます。

◎ 小豆スープ 小豆カップ1、昆布3センチ、水カップ5を加えて、約30分くらい煮て、その煮汁を飲みます。

(6) 現在携わっていること
●「お元気ですか」月刊誌の料理欄担当  
● 熱海「お元気食育養生所」のメニュー作成
●クリニックの「今月の健康だよおり」を作成


営業しているお店「あかしや
〒206-0011 多摩市関戸2−23−21 電話 042-371-2978

営業時間 12:00 〜14:30 (火〜金) ランチタイム
        17:00〜23:00 (月〜土) 夜の部
       定休日 日曜、祭日

京王線聖跡桜ヶ丘東口から徒歩 3〜4分
スローフードの店です。どうぞ皆様一度お運びくださいませ。
本当に美味しい玄米ごはんを食べにおいでませ!



終り



文責 得猪 外明
会場写真撮影 橋本 曜
HTML制作 和田 節子