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神田雑学大学 平成20年4月18日 講座No403

地震の時、原子力発電は大丈夫か?

講 師 たんぽぽ舎 柳田 真


(クリックをすれば該当の項へ進みます。
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講師プロフィール

はじめに

新潟地震で液状化で倒れたアパート

世界の発生地震分布図と原発分布図

マグニチュードと震度の違い

過去の地震のエネルギー

神奈川、千葉、東京は地震に弱い

原発という名前は正しいのか?
その誕生から葬式までについて

原子力発電は本当に必須か

「原発の電気が1/3」は本当か?

原発は「海暖め装置」

日本の原子炉 地域別一覧

もし浜岡原発3号機が大事故をおこしたら?

報復戦争中は原発は止めよ。

もう一度地震について

地震や原発事故の時、
わが子や孫を助ける方法は?

質疑応答


                

1.講師プロフィール

柳田 真さん 1940年、愛知県瀬戸市に生まれる。高校までを名古屋ですごし、大学は東京の学校を卒業後、都庁(労働局)に38年間勤める。都庁での労働組合活動と共に、20年前から「環境保護と原発廃止をめざすたんぽぽ舎」を友人らと共に作り活動を続けてきた。

「原子力は人類と共存できない」を信念に一刻も早く原発と原爆(核兵器)を廃止する運動を、今、ライフワークとして取り組んでいる。現在たんぽぽ舎代表。 共著として「東海村臨界事故」(高文研発行)「隠して核武装する日本」(影書房発行)がある。

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1. はじめに

前に桜の花の異常と原発についてたんぽぽ舎の望月さんが話しました。神田雑学大学には三上学長さんとのご縁で、私どもの事務所を一緒に使っていただいており、感謝しております。私どもたんぽぽ舎も学習会はかなりやってきたのですが、神田雑学大学の403回にはちょっと負けますね。

この記録はなかなか抜けないだろうと思いながら雑学大学さんに負けないでやろうと思っています。今日は手元に13枚のレジメを配っています。はじめに地震の話をして、それから原子力発電の話をしたほうがテーマにも沿うと思いますので順序を逆に説明いたします。。

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2.新潟地震で液状化で倒れたアパート

まず8ページを見てください。

新潟地震で液状化で倒れたアパートの写真 昭和39年6月18日に起きた 新潟地震の液状化現象によるビル倒壊の写真です。新潟はこの60年で3回も地震に遭っているのです。

東京の臨海部も必ず液状化しますからもしその時オリンピックでもやっていたら大変な被害ですね。地震のエネルギーというのはだんだん貯まるばかりでいったん地震が起きない限り開放されないのです。地震はかならずやってくるのです。

実は敗戦の1945年からのこの50年間は地震の平穏期でした。現在はそろそろ活発期になってきているのではないかと言われています。(1995年の阪神淡路大地震以来地震活発期に)日本は地震大国です。世界の地震の15%が日本で起きるのです。

パリとかロンドンとかはしっかりとした岩盤の上にあり地震がありません。イギリスの原発なんかは始めはレンガ作りだったのです。地震は残念ながら今の地震学では予知できません。地震に備えるためには危険物を止めることが第一で、そして耐震を強化するということしかないのが現状です。

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3.世界の発生地震分布図と原発分布図

13ページの2枚の図をご覧下さい。
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原発の分布図
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過去100年間に起きたマグニチュード7以上の地震の分布図


上の図が世界の原子力発電所約440弱の分布です。 下が過去100年間に起きたマグニチュード7以上の地震の分布です。 実はこの前起きた新潟柏崎の地震はマグニチュード6.8ですからこの基準に入っていないので載せられていません。

この二つの図を重ね合わせて見ますと、分布点が重なり合うのは日本だけなことが良く分かります。世界のほかの国は地震が起きるところには原発を建てていないのです。日本の原発の一番の問題は地震の巣の上に原発がいっぱい建っているということなのです。

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4.マグニチュードと震度の違い

  マグニチュードと震度は数字が似ていますからちょっと間違えることがありますが、地面の上の揺れが震度、地面の下の揺れがマグニチュードで表されています。ですからマグニチュードがかなり大きくても上の揺れは場所や地質構造によって違うのです。

地震の大きさはひとつしかありません。マグニチュードで表します。しかし揺れは東京で大きく揺れたけれど群馬などではゆれが少ないということになります。これが震度です。マグニチュードも震度も数字が1から7くらいまでほとんど同じなので、みんな混同してしまうことがあります。

マグニチュード4から5が中小です。 マグニチュード6は中ぐらいです。柏崎で起きたのはマグニチュード6.8ですから中ですね。それでもあれだけ原発がやられたのです。マグニチュード7以上を大、8以上を巨大地震、マグニチュード9以上になると超巨大地震と呼んでいます。日本でも起きるのは大体マグニチュード6と7の辺です。関東大震災がマグニチュード7.9でした。

マグニチュードのエネルギーの計算の仕方ですが、これは対数表示になっています。マグニチュード6をエネルギーレベルで1としますと6.2で2倍、6.4が4倍、6.6が8倍、6.8が16倍マグニチュード7で32倍マグニチュード8ですと1000倍になります。

マグニチュードが2違うとエネルギーで1000倍違うと言うことです。これが地震の基本です。マグニチュード8の地震はマグニチュード6の地震より1000倍大きいのです。これがいかに大変な地震かをお分かり下さい。

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5.過去の地震のエネルギー

11ページをご覧下さい。過去起こった地震のエネルギー比較です。

(画像をクリックすると大きく見えます)

過去に起こった地震のエネルギーの比較図

日本で起きた地震に限っていますが、明治三陸沖地震がマグニチュード8.5でエネルギーはこんなに大きいのです。ずっと下の方を見ますと2007年柏崎刈羽原発地震はマグニチュード6.8ですからこの棒線がやっと見える程度、これであれほど原子力発電がやられ大騒ぎになったのです。アメリカで騒ぎになったノースリッジ地震も同じような程度でした。

今まで原発の直下型地震への耐震性は6.5が基準でした。これでは全然駄目なのですが、これをちょっと上に上げるとなると500億とか1000億とかお金が余分にかかるのです。それでもみんなで騒いで10年たってようやく日本の原発の耐震基準はマグニチュード6.8まであがってきました。

すなわちマグニチュード6.8までは原発は耐えられますと言う話になっていて、それ以上の大きな地震には補償が出来ていないのです。理由は簡単でお金がたくさんかかるので電力会社がいやがるのです。
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6.神奈川、千葉、東京は地震に弱い

非常に残念なのは神奈川、東京、千葉は地震に非常に弱いのです。何で弱いのかといいますとまず地質学上弱いのです。ヨーロッパの土地のように地球45億年の歴史の中で30億年くらいずっと固まった強固な岩石で出来た地盤と違って、ここは土が積もって出来た土地ですから。

日本列島は出来てまだ1億年もたっていませんでしょう。そのように歴史が浅くまた、火山灰や河川の土砂が積もったり人為的に埋め立てたり、出来て100年とか200年とかいうのはその世界からみれば赤ちゃんみたいなものですからね。

だいたい埋立地が危ないです。巨大なコンクリート基礎を何十mも入れていますが、液状化現象が起こるとそれごとなぎ倒されてしまいます。 それともうひとつこの地域に沢山ある高層ビル、超高層ビルが長周期振動に弱いのです。比較的離れた東海地震や東南海地震で関東地方の震度がさほど大きくなくても長周期振動でこれらのビルは共震するという研究が出てきています。

それから関東平野の地下には巨大な地盤のくぼみが複数あり地震の時に弱く、崩れやすいと言うことで、防災科学研究所が発表しています。 日本列島全体が地震と火山で出来たようなところで、温泉や美しい山や川があってこんな美しい国は少ないと世界から来た人はびっくりしますね。それはプラスの面ですが地震はそれの代償の宿命です。だいたい100年に一回くらいしか自分のまわりでの地震が起きませんから、人間はつい目の前のことに追われて忘れてしまうのです。

19世紀までは家が木造ですから壊れてもその家の人が死ぬだけで済んだんですが、20世紀になって巨大なものが沢山出来ましたね。高速道路、ビルがあって、東京湾付近には巨大な石油タンクがあります。そのなかでも一番危険なのが原子力発電所です。ですから原子力発電所は都市には作らないのです。

安全だ安全だと言っていますが、東京電力や経産省の人に安全なら東京に作ったらどうかというといやそれは出来ませんという。東京にも大阪にも人口密集地には原発は作れないんですね。

地震についてはまだまだ話すことが沢山あります。「地震の日本史」という本が中公新書から出ています。なかなか面白い本ですので興味ある方は読んでみてください。例えば山内一豊夫妻も自分のお嬢さんを地震で亡くしていますし、秀吉が地震でびっくりして逃げ帰った話とか色々面白い話が載っています。縄文時代から近代までの地震の歴史が載っています。つまりそれくらい日本は地震の国なんですよね。風光明媚な土地を貰った代わりに50年や100年ごとそういう地震があることを忘れてはならないのです。

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7.原発という名前は正しいのか?
  その誕生から葬式までについて

講演中の柳田 真さん さて地震の話は以上にして、次に1ページ目に戻りまして、原子力発電所の話をしたいと思います。原子力発電所という名前が正しいかというという問題があります。実は韓国とか台湾では「核電」と言っています。核による発電ですね。英語はNuclear Powerです。

ところが日本政府と電力会社は核兵器のときは核というふうにNuclearを訳して使い、発電のときは原子力発電というふうにひとつの単語をふたつに訳しているのです。毎回テレビや新聞で繰り返すものですからみんな慣れてしまっていますが、実際は核を使った発電です。核は広島などの核兵器を想起させるので使用を避けているのです。まあ国民を多少だましているのです。

原子力発電の誕生は原爆の転用です。電気を作るために原子力炉を作ったのではありません。原爆を作るために原子炉を作ったのです。それを日本に落としました。そのあと原子力産業を維持するためには、アメリカにとってもえらい金がかかるわけです。普通にしておいたらつぶれてしまう。

ですから原子力産業維持のために電気用に使えるものを世界に輸出して多少儲けようとしたのがアイゼンハワーの政策でした。そういうことで世界に原子力発電を出したのです。それが核兵器に使われるといけないからそれを監視する機関として国際原子力機関とか色々な機関を使ってそれを監視することをやったのです。

原発はどの程度生きているか?日本で最初に出来た東海1号原発は32年間で廃止になりました。葬式費用がだいたい1000億円と言っています。ただし葬式費用はこれではすまないと言われています。理由は廃棄原子炉は放射能まみれでしょう。だから放射能を防御しながら廃棄しなければならない。それでやっているうちにお金が桁違いに上がっていくのです。

原子力関係の設備が経過で値段が上がるという例はもうひとつ挙げますと、今青森県に再処理工場を作っていますね。全国の原子力発電で出た核ゴミをあそこに持っていくわけです。あれの当初の建設費は6000億あるいは7000億だったのです。今2兆2000億円になって、電力会社は悲鳴を上げていますね。だから東電なんかは連結決算にしないような手を使っています。電力各社の共同運営会社にしていますね。

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8.原子力発電は本当に必須か

2003年に東電原発が17基全部停止になりました。関東大停電というおどかしの話もありましたが、停電にはなりませんでした。2007年3月にデータ改ざん、うそ発表、9つの電力会社でのべ一万件くらいありました。電力会社と言うのは嘘を言う会社なのです。原発だけでなくて火力、水力についても全部門で嘘を言っていたのです。

これが分かった歴史は西日本のある電力会社の水力部門から分かって、市民団体から証拠を突きつけられて、否応なしに発表させられたということです。30余年も嘘をついてきたと言うのも許されることではないと思うのですが、私も最近東電の人と話していてあきれてしまったのですが、「正直に話したからいいじゃないか」と言うのですからね。

そして2007年7月中越沖地震で柏崎刈羽原発など東電の7つの原発が止まりました。あの地震も最初は中越沖地震ではなくて柏崎刈羽地震に近い名前が付けられようとしていたのです。ところが地元の刈羽村長が大反対して、それで名前が変わったと言うことを国会議員の方から聞きました。
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9.「原発の電気が1/3」は本当か?

2ページをご覧下さい。日本は原発に依存する電気が全体の1/3になると言われていますがこれは本当かということです。これは半分本当で半分嘘なんです。

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発電設備と稼働率の図(2003年度) この図の稼働率と書いてあるところを見てください。原子力発電所は稼働率80.2%になっていますね。今は東電が7基止まっていますから70%です。火力は半分も動かしていない。水力は23%しか稼動していません。火力、水力は半分以上休ませているのです。

この原子力のグラフの黒い部分3800万kwをなくしても火力、水力のグラフの白い部分をある程度動かせば原子力の分を補えます。 つまり、原発がなくても電力は間に合うのです。

東電などは火力発電の余ったやつをアメリカに売っていますからね。ですから原発の電気が1/3というのは原子力発電を最優先に運転して他の火力、水力を休ませたときの数字なのです。その例が2003年10月3日の毎日新聞の記事です。「電力余剰を実証」「原発停止分を火力でカバー」とあります。

東電の17基が全部止まったときがありましたね。東電も関東大停電の空騒ぎが収まった後は、原発の電気は1/3という宣伝は少なくなりました。「原発がなければ停電になりますよ」と、かっては一生懸命言っていたのですが、2003年に17基全部止まってしまっても停電にならなかったものですから、多少恥じたのでしょう。あまり言わなくなりました。

その代わりに「原発はCO2を出さない」「温暖化に効く」ということに論点を完全にずらしましたね。 そもそも資源から見ても原発の燃料であるウランは、下の「地球上の再生不能エネルギー資源の埋蔵量」の図を見ていただくとわかるけれどウランは一番少ない。

(画像をクリックすると大きく見えます)

地球上の再生不能エネルギー資源の埋蔵量の図
ウランは世界中でこんなに少ししかないのです。まして日本には全然無い。ウランは50年か60年しか持たないのです。原発に中国、インドが参入したらあっという間にウランがなくなります。埋蔵原料として一番あるのが石炭です。オイルサンド、オイルシェールが次に多いですね。ウランは一番早くなくなって後に放射能だけいっぱい残します。これは誰にでも公認されていることです。今のうちに石炭をCO2を出さない形で燃せる研究をしておくことが必要なのです。



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10.原発は「海暖め装置」、
   原発はトータルで見るとCO2を大量に出す。

これは小出裕章著「地球温暖化問題の本質」の19ページから頂いたデータですが、著者に言わせれば原子力発電を正しく呼ぶと「海暖め装置」だという話です。

原発はものすごく温度の高い排水を大量に出します。タンポポ舎がツアーを出していますから浜岡原発とか東海原発とかに一緒に行きましょう。原発には放水流路があります。海のそばにね。排水をドーっと流しています。その温度が海水より7度高いのです。

なぜそんなに高いのかといいますと原子力発電はかなり効率が悪くて、投入エネルギーの1/3しか電気にならないのです。後は熱になっているのです。ですから100万Kw仕様の原発はあと200万kwは熱になってしまい、それを水で薄めて流しているのです。

現在日本には55基の原発があって、総電気出力は5000万kwです。それが1秒間に70トン、海水温より7度高い廃水を流すわけです。これは1年間になると約1000億トンになります。日本の1年間の降雨量のトータルが6500億トン、うち川として流れて海に来る量は4000億トンと言われます。

全河川流量の4分の一程度の水量の水温を7度も上げると言うことがどんなに温暖化に大きな問題かは容易に理解できるでしょう。海の生態系がかなり狂うのが当然です。これについては電力会社がかなり嫌がって調査をしません。

それと原発はトータルで見るとCO2を大量に出すという話が出ていますね。 なぜかと言いますと、まず発電を行う前にウランを掘る、輸送する、ウランを精製する、濃縮する、原発設備の建設ということが必要です。この過程で石油、コンクリートを山ほど使うのです。ここまででCO2を沢山出すということは分かりますよね。

発電の段階だけではCO2を出しません。そのかわり死の灰を沢山出します。それから前述のように高い温度の温廃水を出します。それから後工程で放射性物質のゴミを捨てる、ゴミの管理にまたCO2が出ます。放射性廃棄物は低レベルでも300年、高レベルでは100万年管理が必要です。300年後も東京電力はあるのでしょうか?その時過去の放射性物質のゴミを誰が管理するのでしょう?

あとは原発施設の管理、これに石油を使うのです。今チェルブノイルの事故を起した施設が劣化してぼろぼろになってきて危ないと言うので防護壁を作り直そうとしています。それに1000億も2000億もかかるので、日本に援助してくれと言ってきています。ああいうことが日本中の原発で起こるのです。それをいまのところ電気料には入れていませんから、これを勘定に入れると原発の電気代はものすごく高いものになってしまいます。

政府や電力会社は今まで原発はCO2を出しませんと言っていたのですが、さすが批判されまして、いまは原発は発電過程でCO2を出しませんというように変更しました。今まで言ってきたことが嘘だったということです。10日ほど前の新聞にCO2排出企業が出ましたね。電力会社と鉄鋼がずらっと上位でした。10位までに東電や関電があって、20位まで数えると日本の電力会社は全部入っていました。これが温暖化への影響の実態です。
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11.日本の原子炉 地域別一覧

5ページをご覧下さい。
(画像をクリックすると大きく見えます)

日本の原子炉 地域別一覧 日本の原子炉をこうして見ますと東電と関電と中部電力で半分以上占めますね。東京電力が持っている原子力発電所は東電の管内ではないことに注目してください。これは福島県と新潟県にあるのですから、本当は東北電力の管内です。関電も自分の管内ではないのです。福井県ですからこれは北陸電力の管内なのです。自分の管内は都市が多いから原発を作る場所が無い。そうやって他の電力会社の管内に作るのです。

このあいだ事故を起した柏崎の人達がなんて言って怒っているか。あそこで作った電気はみんな東京に行っている。地元に全然来ていない。東京のための設備で自分たちが事故の心配、放射能の心配をしなければならない。そういう怒りです。中部電力は自分の管内に作りましたが、ここも土地に困ったのです。やっと浜岡を無理やり探し出したのですが、実はあそこは巨大な東海地震の起こるところと言われているのです。



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12.もし浜岡原発3号機が大事故をおこしたら?

もしも浜岡原発3号機が大事故をおこしたら?と書いてありますが、ここは今回の町村合併で御前崎市になりました。合併のときどちらの名前を取るかで浜岡を捨てたのです。浜岡茶という名前も嫌だ、風評被害で売れないという話です。原発現地は自分の名前を誇りに出来ないのです。

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「原発事故」京大 灘尾健著(1995年)の図 浜岡町の方が財政的に良かったと思いますが御前崎市になりました。浜岡茶というのも今は名前を消してしまっています。ここに5基ある原発のうち一基が事故を起しただけで、東京、千葉、埼玉まで居住不適、農業は駄目な地域になります。それほどの放射能が出ます。

これは京都大学の瀬尾さんの発表です。 これはアメリカの資料をもとに計算されたものです。これに対する政府とか電力会社の反論はきいていません。
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13.報復戦争中は原発は止めよ。

アメリカは9.11テロのあと往復戦争に出て、イラクとアフガニスタンに爆弾を落としたのですが、あの戦争中私たちは「原発は止めるべきだ」というアッピールをしました。というのはもしテロリストが本気でやる気になって原子力発電所に飛行機を突っ込ませたら原爆何百発分の被害になるんですね。

9.11であの4機の飛行機がかなり正確にぶつかる技術があったので、もしあれが最初からアメリカに100基くらいある原子力発電所を狙っていたら歴史上最大の惨禍だったでしょう。だからテロ側にも沢山の人を殺すことは避けようという知恵があったのかなという解釈もあるのかもしれません。

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14.もう一度地震について

地震保険というのはありますが原発の事故だけはイギリスのロイド保険会社でもお断りです。あの世界に冠たるロイド保険が原発事故があれば、もし原発保険をしていたらつぶれますからと言います。これは覚えておいて下さい、それから耐震偽装は姉歯さんだけかというと原発での耐震偽装はずいぶんあるということです。いくつか証拠も持っています。

それと地震速報の意味を少しお話します。地震の時P波とS波と出ますがP波が早く来てS波が遅く来るのですが、その差はわずかの数十秒、その差を利用してお知らせすると言うことなのです。つまりP波が来てそれをキャッチし、次の本格的な揺れを伴ったS波が来るまでに50秒とかあるのでその間に緊急放送などでお知らせするのです。

例えばクレーンを揚げているときなどは降ろすことは出来る。走行中の新幹線などは止めることが出来ます。ただし地震予知ではないですね。地震速報が地震予知みたいに誤解されているけれど、それは違いますということです。P波をキャッチして、もうあと30秒後に地震が来ますよというお知らせをするということです。
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15.地震や原発事故の時、わが子や孫を助ける方法は?

地震の時や原発事故の時、わが子や孫をどうして助けたらよいか、最近私にも可愛い孫娘ができたものですからどうしてもこんなことを考えてしまうのですが、地震が起きて原発に被害が出たというときに、ちょっとした知識があるのと無いのではずいぶん生存率が変わる可能性があります。

原発事故の時は原発の方から風が来た場合はこの風の吹いてくる方向にも吹いてくる延長の方向にも逃げてはいけません。風の吹いてくる線に直角の方向に逃げるのが正解です、歩いてでも良いから風向きの直角方向に10km圏外へ逃げることが必要です。

放射能は距離が離れるほど減ります。そのとき最低限帽子と濡れ手ぬぐいがあるとだいぶ違うのです。放射能が降ってきたり、空気が汚染されていますでしょう。頭に帽子、濡れ手ぬぐいで覆面です。自分の子供や孫を助けるにはこういう小さなことが大事です。

日本の原発は半分が25年〜30年以上経っていてボロになってきています。原発自体が老朽化していることと地震が活発期に移行しつつあるという点でかなり事故の危険が高まっています。たんぽぽ舎は放射能測定器を持っていて広報活動をするつもりです。

熱心に聞いている皆さん

ソ連の崩壊だってチェルノブイリの事故が遠因だと私は見ています。今のロシアはソ連の半分くらいの国になってしまいましたね。事故を一発起したら日本も国土の3分の1くらい10県くらいが駄目になってしまうでしょう。これは他人事ではないのです。前例がチェルノブイリでありアメリカのスリーマイルでは寸前で止まったのでそこまで行かなかったのですが、アメリカはそのためにこの30年間一基も原発を作らなかったのです。 今日のお話はこのくらいにしましょう。(拍手)
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16.質疑応答

質問:

お話を聞くとなんで日本で原発が推進されてきたのだろうという疑問がわきますが、なぜそんなリスクを犯して電力会社は原発を推進するのか、国はなんで原発を国家プロジェクトのようにして保護してきたのでしょうか?

答え:

私どもが推測する理由は2つです。
まず今の電力会社の電気料金の決め方が、非常に原発を作ると儲かる方式になっていることです。総原価方式というのですが、全部かかった費用に上乗せして何%利益を得てよいと言う風になっていますので投入の資本が大きければ儲けも大きいわけです。原発一基で4000億くらいかかります。正しい市場競争原価ではないのです が、電力会社は原発をすると儲かるのです。

ただ当初は電力会社も迷いました。初期投資が大きくて、事故が起きたら会社が持たないではないですか。それで政府は2つ手をうちました。ひとつは事故の時に補償は300億円しか払わなくて良い。今では600億円になりま したが、事故が起きると実際は被害は国家予算並みの50兆円くらいまで行きますから、これは補償しないでよいといっているような制度です。法律が作られました。

それと9電力とも不安だったので9社でお金を出して日本原電という会社を作ったのです。共同会社です。何か起こっても自分の会社がつぶれないための会社です。そこで最初何年間か原発をやってみたという歴史があります。それと政府がなんでこれを推進したのか?今まで30年間で延べ12兆円くらい税金を入れています。毎年5000億円くらいです。ひとつの産業にこんなにお金を注いだ例はないでしょう。

それはこういう原子炉を沢山持っていると原爆がすぐ作れる、核兵器がすぐ作れると言うことが理由だと思います。日本の歴代国会で首相は「日本は核兵器を持つことが出来ます。出来るけれど今は政策として持ちません。」と言っています。

核武装がいつでも出来るというのは国家のステイタスだと考えている人は多いのです。自民党の中川昭一さんや中曽根康弘さんは公然と言っていましたね。核武装について論議しようと。今持っていないんだから論議しようと言うのは持つことを論議する話です。
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講座企画・運営:吉田源司 文 責:臼井良雄  写真撮影:橋本 曜  HTML制作:上野 治子

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