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平成20年4月25日
神田雑学大学定例講座NO404




驚きの古切手アート、講師、馬場忠雄、バック画像は座って花を眺めてる日本髪姿の美人



目次
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プロフィール
そもそも
どうやって造るのか
古切手アートの回覧
著作権問題
原料(古切手)
教えるところ
その他の楽しみ




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馬場忠雄 講師プロフィル

私は大正15年の生まれでして、当年82歳になります。戦時中は海軍の予科練生で飛行機に乗っていました。戦争が終わって無事に帰ってきました。三鷹市の日本無線(株)に就職してことから、三鷹が故郷になりました。昭和30年頃、文房具屋で切手を見て、美しいものだなと思い、収集を始めたのですが、郵便局では短片で一枚か二枚程度しか売ってくれませんでした。それがきっかけで切手収集の趣味に入ったわけですが、なんとなく続けて50年になります。その間切手ブームが起こったり、ブームが去ったりしましたが、止めないでやっていました。

ところが、会社勤めを30年ほど続けましたが、ある事情から退職しました。その時から私は暇をもてあますようになり、東京中の切手屋さんをあちこち廻りました。切手を集めることは、集めることが目的ですから、バインダーに仕舞いこむと、後は見ないのです。収集家とは、みんなそういうものらしい。私は82歳ですから、閻魔様からお呼びがかかりそうで、後があんまりない状態ですね。子供に収集した切手を渡しそうとしても、そんな面倒くさいものは要らないという。

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そもそも

たまたま大手町の逓信博物館へ行ったところ、使用済み切手の再生講座が開かれており、
紙箱や、花瓶に古切手を貼ったりすることを指導していました。立派な骨董品のようなものが出来上がるのには驚きました。その中に絵を創っている方もいました。うん、これこれ、自分もちょっとやって見ようかと思って、始めました。そして毎年4月頃に逓信博物館で行われるペーパークラフト展に自分の作品を持参したところ、日本切手普及協会の係りの人が、「こりゃいい。ちょっと置いていけ」と、飾ってくれました。

飾るにはしっかりした形が必要ですから、裏紙を貼ったり、額をつけたり、制作作業に打ち込むようになりました。2000年には、ビッグサイトで日本国際切手展が開催されました。あの大きな会場を埋め尽くしたほどの展示出品があり、盛大な催しでしたが、その中に貼り絵のコーナーが設けられました。こんな大きな展示会にも出品できると思うと、張り合いが出て打ち込むようになりました。その時に出品した作品は、記念に取ってあります、今見ると、こんなものを良く出したものだ、とても見られたものではありません。まあ、自分ながら進歩しているということでしょう。

熱心に話を聞く受講生

そんなことで、2,3年は全日本切手展などに出展して、楽しんでおりました。私が加盟している、日本郵趣協会の三鷹・東久留米・調布などの四支部合同の切手の会を開いた際、古切手貼り絵の講習会をしました。その時、三鷹協働センターの所長さんが、「これは素晴らしい!今度会場を提供するから、年末に2か月くらい展示してください」ということになりました。会場費が無料でしたから、早速お願いしました。同センターは色々な会合が行われるので、ついでに見て下さる人が大勢来られました。

今年は3回目になりますが、制作も思うようにできるようになったので、かなりバライティに富んだものが展示できそうです。漫画やら化け物、武者絵、美人画と色々揃えて百点ほど賑やかにお見せできます。あとで、個別に回覧いただきます。展示会が終わりましたら、抽選で20人の方に作品をお分けすることにしています。馬子にも衣装というか、額に入れますと、絵が実に立派に見えますから、好評を戴いております。差し上げたある方からは、
「我が家の家宝にします」といわれ、私の励みになりました。

去年は、朝・毎・読の三大新聞の多摩版に報道されました。今年は産経と毎日。雑誌、地域テレビなどが報道してくれましたので、宣伝になり、沢山の方に見て戴きました。4回目は
年末から来年2月まで、展示をやりますので、もし近くまでこられたら、お立ち寄りください。

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切り絵をしている様子どうやって造るのか

30年ほど前から朝日新聞の日曜版に載っていた、滝平二郎さんの切り絵を集めていましたから、それを使って始めました。新聞ですから30年も経つとボロボロになっていましたから、なんとかそれを生かしたいと思ったのです。線が太く、絵が生き生きしています。これが勉強になりました。私のやり方は、貼り絵というより切り絵です。2,300枚は作りました。切り絵如何によって、絵も生きてきます。切り絵が良ければ、貼り絵も良くなる。

その後が、美人画の製作になりました。
カレンダー、などに載る有名作家の作品を手本にしています。新聞・雑誌に印刷された絵からも選ぶのですが、古切手アートの作品になるか、どうかが、選ぶ基準です。絵を創作してから、貼り絵を作ることはしません。

作品を手に取って、ご覧下さい。これは年賀状、妖怪もの、歴史もの(八百屋お七)、政治漫画、ふるさと(カレンダー)、など。

パワーポイントによるスライド

源頼朝の挙兵
源頼朝の挙兵


何しろ鎧は模様が細かく複雑で、時間がかかります。長い作業で首が痛くなったり、肩が凝ったり、医者にかかったこともあります。医者に「運動しながらやれば」と忠告されました。

忍ぶ恋路
忍ぶ恋路

若侍が女のところへ雪の中に忍ぶ恋路  女がカンテラで出迎える構図

相撲錦絵
相撲錦絵

大関雷電為右衛門  相撲錦絵は派手な模様の着物が似合う。脇差を差している。
着物の柄は、適当に切手から選んで貼ります。当然、あるものしか使えません。
男性は派手な柄物を使えないので、どうしても美人画が多くなる。


姉と弟
姉と弟

滝平二郎の切り絵です。少年は裸ですが、この色の切手はありませんので、色を塗りました。

宿場の旅籠
宿屋の屋号が帳場から見ると、逆に見えるところがポイント。土間や板の間には切手を貼っていません。色を塗りました。桶は焦げ茶色の切手。

ふるさと
笹舟で無邪気に遊ぶ少年と少女

ふるさとカレンダーから。手持ち10年分だから絵は120枚ある。背景の緑は千切り絵ようの和紙を使用。
太郎―鬼退治
ご存知の昔話から  赤鬼 青鬼、黄色鬼と様々。

桜井の駅の別れ
楠木 正成親子の別れの宴

新田義貞
新田義貞

南北朝時代に活躍した武将、越前藤島にて馬が敵の矢を受け転倒、左足が下敷きになり、自害して果てた。

大黒様
大黒様

これはお目出度いときの飾り絵。お腹の辺りは年賀切手。後ろの俵に銀色の切手を使いました。花の部分はふるさと切手の花の一部。太陽は200円の普通切手の赤。小判は一枚の切手で、二個しか取れません。この絵で使った切手は、全部で200枚くらいでしょう。

紫式部
源氏物語を執筆している場面。ことしは源氏物語千年紀ですから、この絵を皮切りに数点作りかけています。

美人画
美人画と着物の柄拡大図柄

この美人画は指の具合も良くできて、気に入っている絵です。この美人は、どこを触っても文句を言わないから、いいですね。男冥利につきるというものです。

花嫁御寮
鬼隠しは白ですが、白い切手はありません。真珠の柄でお目出度を表現しました。

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古切手アートの回覧

絵を展示会に出展のために送るとき、剥がれたりしないように硬化のりを塗ります。すると、光沢が出て、切手本来の色と変わることがある。絵が若干締まってきます。

気に入っている絵は、江戸博物館展示のボストン美術館から里帰りした浮世絵から8点。
高畠華宵の63人の美人画のうち8枚。今日持参しませんでしたが、写真があります。

制作過程で、女性の髪の毛を表現するのが最も難しい。また、しなやかな手、指の感じを表現するときの、切り絵の切り方が大変でした。女の色気は、顔と手に半々にあります。自分の指を見ながら、切り絵、貼り絵は日常の視覚と逆になりますから、切り方を研究するのです。足の指も難しい。

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著作権問題

古切手アートは、売り買いする物ではありませんので、著作権には引っかかりません。
新聞社が報道する場合でも、元絵全部は出さないように配慮しています。

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原料(古切手)

切手は自分が昔収集したものや、商品の古切手を使います。
古切手は市役所やボランティアグループなどが使用済み切手を集めています。それが慈善団体に寄付され、種類ごとに分類されてから商品化されます。それが切手屋さんに渡ります。
個人から買うと、集め方に個人の癖があるので、傾向が偏ります。10kg入りの段ボール一箱で一万四千円くらいです。年間、二、三箱購入しますが、面白いことに未使用の切手がたくさん入っているのです。貼ったあとで、封筒の宛名書きを失敗すると、切手を貼りなおさずに、新しい封筒に正しい宛名を書いて、それに切手を貼るような金持ちが大勢いりのです。

そのような切手を取っておいて、後で切手屋さんに売りに行くと、二万円位になります。つまり、自分で趣味の古切手絵を作ったあと、一万四千円で買った古切手が、二万円になるから悪くないですね。

古切手は、封筒から切り取ったままでは貼り絵に使えないから、いったん水に漬けて紙から剥がします。そのとき、美人画などで消印が付いてないモノが目に入ると、掬いあげておきます。乾いた状態で切手屋さんに送ると、「糊落ち切手」という商品で定価の70%で引き取ってくれます。古切手アートは本来ならゴミとして捨てるモノを再生するのですから、切手のリサイクル運動のひとつです。いい遊びではないでしょうか。

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教えるところ

このような趣味の講座はありますか?作品を見て、「これはいいや」という方はいるんです。
しかし、やって見ると面倒くさい。切手をダンボールで買う。その中で貼り絵に使える切手は20%くらいで、あとは捨てることになります。選ぶ作業も大変で、手首が腱鞘炎になることもあります。選んだものをバケツに入れて、2、3時間水に漬ける。糊が溶けて切手が沈む。

切手を掬いあげて、碁盤の目状の枠に分類しながら乾燥する・・・・・という面倒がある。
私は、いまでこそ、7.8年やっているから、どの構図にどの色の切手ということが直ぐ頭に浮かびますが、最初のころはナニがドコにあるか思い出させなくて、大混乱でした。
ということを言うと、誰も寄ってきません。私は、じっとしていられない性分でしたから出来ましたが、細かいことが好きで、根気よく続けられる人ならいいでしょう。根気が大事です。

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馬場講師その他の楽しみ

私は、古切手アートの他に、紙ヒコーキの趣味を持っています。ゴムのカタパルトから飛ばす方式のものです。風がなくて上天気の日に、作品を自転車に積んで、武蔵野市の原っぱ公園へ出かけます。この公園は、一般の公園につきものの築山や松や楓などの樹木や、池がなく、ひたすら広い原っぱです。

ここでは、元少年のおじさん達が、天に向かって銘々の紙ヒコーキを飛ばしています。紙ヒコーキは20秒か30秒で地上に落ちますから、飛ばした人は、それを回収しなければならない。随分遠くまで、歩くことが多いので、結構いい運動になっています。なんと言っても、心は少年ですよ。

もう一つ、弓道をやっています。弓を引き絞るのに、力が要ります。胸の筋肉と背筋の強化に役立っています。日常は、自転車を乗り回していますが、歩くことが好きですから、この年で山歩きをしています。家内も元気で、いまだに就職して働いていますから、普段は家におりません。私は、ごらんの通り、日に焼けて色が黒い。お陰さまで忙しく、医者にかかる暇がありません。

終わり


文責:三上卓治
会場写真撮影:橋本 曜
HTML制作:和田節子

本文はここまでです



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