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平成20年7月11日
神田雑学大学定例講座N0415



英語を楽しむ  第一部:ライブシアター 古典落語「皿屋敷」を日本語と英語で  講師 大空メイ



目次

 メニューの先頭です 1.はじめに講師紹介
2.まずは準備運動・笑いの小噺
3.古典落語「皿屋敷」を通訳つきで
4.創作1「その後の皿屋敷 あべちゃん」
5.創作2「そしてその後の皿屋敷 ふくちゃん」




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1.はじめに講師紹介


今回は神田雑学大学の講師陣のなかで今まで英語にかかわる講座をお願いしました2人の女性講師に、日本人と英語にか かわる話しを2部に分かれてしていただきたいと思います。

第一部の大空メイさんは、元日本航空の客室乗務員を長くなさった方ですが、現在は本格的に古典落語に挑戦中の落語 家であります。 日本の落語の面白さを外国人にも分ってもらいたいと、古典落語の数々をご自分で英語化なされ、パネルシアターという表現 形式を使いながら、アメリカンスクールなどで数々の講演をなさっています。

今日は古典落語で名高い播州皿屋敷を日本語と 英語で語り、最後に大空講師創作の新作落語「その後の皿屋敷」をお楽しみください。

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2.まずは準備運動・笑いの小噺

今回は3回目のライブです。第一回目は寿限無、第2回目は転失気でした。 そして3回目の今回は皿屋敷を日本語と英語で聞いていただきます。

英語といえば、日本人の英語は中学校から大学卒業まで10年間でどうして物にならないのでしょうか?その謎を解いてくださる 方を今日はご紹介したいと思いまして、私の落語は前半45分とさせていただきます。

その前に「パネルシアター」という言葉をご存知ないかたに少し説明させていただきますと、これは、特殊な布にこちらの特殊な紙 に自分で絵を書いて色をつけ切り取って作ったものを貼り付けながらお話しをしていくという、現代版紙芝居です。

パネルシアターの始まりです

たとえば、この話しはいつも最初に使うのですが、
『オバーマさんがある日デパートのエスカレーターに乗っていました。すると突然誰 かがスボンのベルトをつかんだので、びっくりして後ろをふりむくと、場内アナウンスが「皆様、エスカレーターにお乗りのせつは、ベルト につかまりください!」』
こんなふうにパネルシアターを利用しながら落語をするのです。

今日は落語、つまり日本の笑いの話ですが、世界中で笑いが注目されています。
イギリスの心理学者、リチャード・ワイズマンが世界中からジョークをインターネットで募集したそうです。およそ30カ国から4万を越 えるジョークが集まり、その中で一番になったのがこれだそうです。
英語の分かる方も多数いらっしゃるようなので、最初は英語で。

There are two hunters out in the woods. And one of them falls to the ground. He doesn’t seem to be breathing and his eyes are rolled back in his head.
The other hunter calls the emergency service. And he says to the operator, “My friend is dead! What can I do?”
The operator says in a calm voice, “Take it easy. I can help. First, let’s make sure he is dead.”
There is a silence then a shot is heard.
The hunter’s voice comes back on the line and he says, “OK. Now what.”

つぎにこれを日本語で。 二人のハンターが森に狩りに出かけました。
しばらくすると、一人が倒れてしまった。息が止まっているようで、白目をむいていた。
もう一人の男は携帯電話で救急病院に連 絡をし、「友達が死んだ!どうしたら良い?」
オペレーターは落ち着いた声で言った。「落ち着いてください。大丈夫です。まず 、死んでいるかどうか確認しましょう」
しばらくの沈黙の後、銃声が聞こえた。
男は再び電話口に戻ってきて「確認したよ!」。

英語のジョーク
              
この笑いの要素は「Make sure he is dead!」に二つの意味があるということ。
一つは、死んでいるかどうか、確認しろ、という意味と死んだことを確かなものにせよ、という意味があります。つまりズドンっとダメ押 しをしてしまったということですね。
ちょっと日本人には分りにくいですかね。

私は個人的には2位になったのが、好きですね。
シャーロックホームズとワトソン君がキャンプに行きまして、テントで寝ていると、シャーロックホームズがワトソン君を起こして言いまし た。
「おい、ワトソン君。星が見えるよ」
ワトソン君は、ホームズが事件のクイズを出したのだと思い、星に何がかくれているのだという と、「ばかだね。星が見えるということはテントが盗まれたんだよ」

今日は英語で落語をということで、落語につき物の「まくら」も英語についての笑い話もすこし。
この人、Mのつく日本の首相だった人。
ある日アメリカに行くことになりました。事前に英語の特訓。
「首相。この人に(クリントン) 会ったらまず、Hello, how are you? お元気ですか?と聞いてください。
すると相手はI’m fine, thank you. And you? 私は元気です。あなたは?と答えますから、そうしたら、Me, too. 私も、と答えてください。

さて、ホワイトハウスに言ったこの人、あがってしまって、口に出した言葉は間違えて、Who are you?  あなたはだれですか ? すると、相手は天下のクリントン。
すかさず、I’m Hillary’s husband.  私はヒラリーの夫です。
Mさん、思わず、Me, too.(私もです)。  おいおい、あんたはヒラリーの夫かよ?

英語の発音で失敗した人も多いようですね。
以前、というか、半世紀も前の話。海外旅行がまだ珍しかった頃、旅なれていない 、こんなおじさんや、こんなおじさんが団体でやってきますと、ツアーコンダクターのこんな人が、旗を持って大声でどなってます。

「みな さーん、皆さんがこれから行こうとしているところは日本ではありません。
日本の常識が通用しませんからね。バッグとか手から離し たら盗まれちゃいますからね。
ちゃんと持っていてください。肩にかけてはだめですよ。かけるのなら斜めにかけてください。
それから、パ スポートね。パスポートなくしたら日本に帰れませんよ。
行く前からドキドキしちゃって、大丈夫かなあ。
心配しちゃって、あわてて 空港のトラベラーショップに駆け込んでね、パスポートを入れるこんなめっしゅの腹巻を買ってきて、そこにパスポートを入れてね、服 を全部脱がなくっちゃいけないところにかくして「さあ、これで安心だ」と、思ったとたん、「はい、皆さん。パスポートを出してください。 集めますよー」
「ええっ?ここで?」あわてて皆の前で服を脱いでパスポートを出すと、パスポートが体温でホカホカ。ちょっと湿り気の あるパスポートをこの人が気持ち悪そうに集めて入国カードなどいろいろのものを挟んでくれるのです。
そんなおじさんたちはアメリカ に着いてからが大変。

英語落語に聞き入る聴衆、笑っている余裕がない

「英語?大丈夫。まけせておいて。中学、高校、大学と10年も習ったんだもの」とニューヨークからボストンまで列車に乗ることに なりまして、切符売り場のところで
「ボストンまでは to Boston 前置詞は to だな。よーし。トウーボストン」「ヒアー ユー  アー」
出てきたのは2枚の切符。
「あれっ?そうか to ではなくって for だ。よーし、フォーボストン。」「ヒアー ユー アー」
今度は4枚の切符。「あれっ?えーと、えーと。」困っていると今度は8枚の切符が出てきたりして。

おまけにもう一つ。サンフランシスコには日本食を食べさせてくれるところが多くあります。このひと、今度はうどん屋へ。
「さて、何を 食べようかな?」と壁を見ますと、いろいろと書いてあります。
「Egg with vegetable. ああ、卵と野菜の入ったうどんか 、つまり、野菜はねぎだ。
月見うどんだな。」 これは容易に理解できましたが、次の「Age with vegetable. なんじゃこれは。エイジは年、年輪。野菜の年輪?あ あ、たまねぎかいな」と思って注文してみると、出てきたものは きつねうどん。
Age ではなくて アゲだったなんて、とんだあげあしを とられたものです。

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3.古典落語「皿屋敷」を通訳つきで

それでは古典落語「皿屋敷」を通訳つきでパネルシアターで聴いていただきます。
皿屋敷といえば、ご存知幽霊の話です。

私たちが知っている「ゆうれい」はたいていほっそりとしていて(髪の毛が長くて、いわゆる べっぴんです。映画の中でもこういうきれいな人がなっています。(仲間ゆきえの絵)
不思議ですね、恨みを持って出てくるのが幽 霊。でも、恨みを持って死んだ人が皆別嬪かと思えばそうではありません。
たとえば、こういう人かて、こういう人かて(研なおこの似顔 絵)、恨みを持って死ぬかもしれません。でも、こういう人は幽霊にはなりません。
では、いったい何になるのですかと、ある物知りに 聞きましたら、こういう人は「おばけ」になるそうです。

さて、昔、播州、今の姫路でございますね、「青山鉄山」という代官がいたんだ そうです。江戸時代だそうです。
そこのお屋敷に「お菊」という腰元が働いていたんだそうです。たいそう別嬪やったそうです。
「べっぴん」ですから、鉄山、当然お菊 に思いを寄せました。つまり、好きになったのでございます。
手を変え、品を変え、くどいたんでございましたが、どうしても言うことを聞きません。それもそのはず、お菊には「三平」という、いい なずけがおりました。つまり、婚約者です。三平に操をたてて、お菊さんは鉄山をこばんだのでございます。
いくらくどいても、言うことを聞かないものですから、鉄山、腹が立って仕方がない。
なんとか、お菊を苦しめてやろうと、考えました。
鉄山とお菊

そこで思いついたのが、10枚一組になりました「葵の皿」。
青山家代々伝わる家宝のお皿を取り出しまして、「こりゃ、お菊。これはみどもの先祖が将軍家より拝領の大切な宝物。これをお 前に預けるとする。
だが、万一のことあるならば、鉄山、身に代えて申し訳せねばならない。
くれぐれも粗相のないように」と、突 然言われてお菊さんびっくり。
でも、主命はもだしがたし。「かしこまりました」とお受けして、部屋に戻りました。

The Haunted Plate House Here’s a classical story called “Haunted Plate House”
There once was a man who was rich and cruel. His name was Tessan Aoyama.
In his house, a beautiful maid was working. And her name was Okiku.
She was so beautiful that Tessan fell in love with her at first sight.
He told her that he loved her. He told her that he wanted to be with her. He told her that he wanted to marry her.
But Okiku didn’t want to marry Tessan. Because Okiku had someone in her heart.  His name was Sanpei, and Okiku wanted to marry Sanpei.  
But Tessan said, “Okiku, be my wife!”
“Oh, no! I can’t. I can’t do that.”
“Okiku, be my wife!”
“I can’t!”
“Be my wife!”
“No!”

Tessan got angry with her very much.
Tessan couldn’t believe that a woman, particularly a woman so beautiful-could refuse him. He vowed revenge.
He brought out the family’s collection of precious plates.
There were ten of them. And asked Okiku to keep them in a safe place in her room.

さて、青山鉄山、それからどうしたかといいますと、お菊が部屋を出たすきに、そうっとしのびこんで、卑怯にもお皿を一枚持ち出し たのでございます。

パネルシアターの始まりです

そうしておいて、何くわぬ顔をして、「こりゃ、お菊。先日その方に預けし品、急に入用だ。これへ、持って来い。数をあらためて 受け取ろう」
何も知らないお菊さん、「かしこまりました」と、それへ持ってきて1枚、2枚と数えましたが、一枚足りません。そりゃそうでしょう。 一枚抜いてあるわけですからね。一枚足りないわけです。
これ、1枚、2枚、と数えていって10枚あったら面白いでしょうね。で も、そんな、ばかなことありませんね。

お菊さん何回数えても、一枚足りない。
コリャどうしたことかと泣き崩れるお菊さん。
そんなお菊さんを冷ややかに見下ろして、鉄山 、「これ、お菊。そのほうこの青山家にたたりをなさんとして、皿を一枚かすめ取ったに相違あるまい。さあ、誰に頼まれてどこにかく した?まっすぐに白状いたせ。」
もとより身に覚えのないお菊さん。知らぬ、ぞんぜぬの一点張り。
「おのれ強情な女め。この上は痛 い目にあわせても、白状させて見せる。こっちへ来い!」

髪の毛を引っ張って、ずるずるズルズル。井戸端に引きずって来ると、荒縄で縛り上げ、ひもでつるして井戸の中へ頭からザブっ!
あげたり下げたり、さげたりあげたり。
「例えこの身は引き裂かれても、盗みの汚名はかなしゅうございます。
今一度皿の数を数えさせてください。」というのを、耳にもか けず、家中の見せしめとばかりざくっと荒縄を切ったからお菊さんはそのまま井戸の中にざぶっーん。無残な最期。

And one day, when Okiku was out, Tessan sneaked into Okiku’s room and took one of them and hid it.
A few days later, Tessan came to see Okiku and said, “Okiku, I want to see my plates. Bring them out!”
Okiku brought them out and started to count. “One, two, three, four, five, six, even, eight, nine…
.Oh, I’m missing one plate. Let me count again. One, two, three, four, five, six, seven,  eight, nine”

“Okiku, what did you do to my plate?” “Oh, I don’t know. I don’t know what happened to it. “Okiku! Did you steal my plate?” “No, never! I would never do such a thing!”
“Okiku! You are a liar! You stole my plate. You refused to marry me.
For all those sins, I must cut you up and dump you in the well.”
“Oh, no! It’s a mistake. Please let me count again.”
“Shut up! Stay still!”(Basaaaaaaaa)
He killed her, and threw her body into the well.

「はっはっは。これで腹の虫がいえたわい」と、鉄山は部屋へ。
部屋にとって返すと、冷酒をぐーっとあおりつけ、ごろっと横になって寝 てしまう。
腰元たちがあたりを片付けてそれぞれの部屋に引き取ってしまうと、あたりはシーン。
時移りて、流れる水も一時は止まろうかという 丑三つ時。

枕元に立つお菊の幽霊

お菊の沈んだ井戸から青い陰火が一つボオー!
火の玉のような尾を引いて鉄山の部屋のほうへ飛んでいった。
寝ていた鉄山、胸 元を締め付けられるような苦しみにふっと目をさますと、枕元にお菊の姿が・・・・「おのれ、惑うて出てきたな。」 刀を取り寄せるなりずばっ!と切りつける。と、影も形もない。

「ハーハーハー、気のせいか。下腹が急に痛くなった。便所に参ろう」鉄山、用を足そうと便所の戸を開けると、中にお菊の姿。
さ すがのことに・・・・・・・ 鉄山とうとう半狂乱。狂い死にしてしまった、と、こういう話しや。 「どうや、分かったか?」

And that night, when Tessan was sleeping, the ghost of Okiku came out of the well and went into the room where Tessan was sleeping. “Tessan,Tessan.”
A ghostly voice woke him up. “One, two, three, four.”
“Who’s there?” Tessan cried terrified.
“Five, six, seven….” Continued the voice.
“You! Okiku! Ghose Okiku! Get out of here!”
Tessan stuck her with his sword. But the voice continued. “Eight, Nine,”
Next morning his servants found him dead.
Every night after that the ghost of Okiku would rise from the well and count the plates.

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4.創作1「その後の皿屋敷 あべちゃん」

「ヒャー、怖い話でんなあ。でも、それってよほど昔の話でしょう」
「話しはよほど昔やがね、幽霊は今でも出るよ」
「おっ。今でも出るんですか」
「毎晩、時刻違えず車屋敷の井戸から出るよ」
「あらっ。車屋敷?ご隠居さんさっき皿屋敷、皿屋敷というてはったんとちがうんですか?」
「お菊さんが出てきて皿の数を数えるようになっったんで、ぞくに皿屋敷というがね、あんたらがいつも車屋敷、車屋敷というてる 城下のはずれの古い屋敷あと、あれがそうや」

皿屋敷談義

「あらあ、あれがねえ。出るんですか。今でも。ほう。なあ。みんな。今晩見に行こか?」
「行くのはええけど、行くのやったら、よほど 気いつけていかなあいかんで」
「えっ?何に気つけるんですか?」
「お菊の幽霊ね、出ると必ず皿の数を読むんねん。9枚という声を聞いたら、いかんねん。9枚という声を聞いたら、ガタガタ、ガ タガタとふるえがきて、三日三晩わけの分からん熱出して、四日目の明け方にことっと 皆死んでしまうねん」
「そんな、ばかな」
「ばかなことないよ。今までに何人もの人がそう言って行っては同じ目におうてんねん。こらあ、うそやない」
「本当ですか」
「ものの道理を考えてみい。皿ちゅうもんはこう重ねてあんねん。それを一枚、二枚、三枚と七枚くらいまでは、九枚あるか、十 枚あるか分からへん。これが、八枚になり、九枚になってはじめて、なぜもう一枚ないの?なぜももう一枚ないの?と恨みがは いるじゃないか」
「あっ、そうか。ものの道理ですね。」

「そいじゃー、その九枚という声をきかなけりゃーいいんでしょう」
「どういうこっちゃ」
「ですから、七枚でピャーっと。九枚を聞かないで七枚でピャーっと逃げたらええんでしょう?」
「おお、それは今まで気がつかなんだなあ」
「そうでしょう。皆、今晩行こ、なっ!」

「チョ、チョ、チョットお待ちを。」
「なんや、あべちゃん」
「私は行きません」
「どうしてや。又止め癖かいな」
「そうやありません、物事そううまくいきますかいな」
「どういうこっちゃ」
「相手は幽霊ですからね。一枚、二枚、三枚とこう順にいきゃいいよ。ひょっとしてみょうな読み方をしたらどうします?」
「妙な読み方ってなんや?」
「こっちが七枚くらいで逃げて帰ろうと思うていると、ごまーい、ろくまーい、7,8,9枚」
「そんな馬鹿なこと」
「そんなこと分かりません。私はやめときます」
「行かなかったら、次の選挙に出られませんよー」

なんて、しょーもない話しがトントントンと決まりまして、日が暮れますと、ゾーロゾーロ集まってまいります。
まだ少し早いというのでチビチビと飲みかけたわけですがね、ご存知の通り、酒なんちゅうもんは、楽しいときに飲めば楽しい気持ち になりますが、これから幽霊を見に行くちゅうですからね、だんだん陰気になって
「酒、もうええ。大分飲んだけど、飲めば飲むほど 陰気になるでしょう?そんなことより、ボチボチ出かけましょう」
「そうしよう」

“Understand?” the retired man said. “I didn’t know that. So do you think she is still doing that every night? It was a long time ago, wasn’t it?”  
“Of course, it was a long time ago. But Okiku comes out of the well every night.”
“Really? It’s cool! Everybody, let’s go to see Okiku tonight!”
“Wait! Wait! You can go to see Okiku tonight, but never stay until she counts to nine. You should leave at the count of seven.”
“Why?”
“Because otherwise, she will catch your soul and you will be dead!”
“OK. OK. Retired man. We will be careful. We’ll leave at the count of seven. Don’t you think it’s cool. It’s exciting! Everyone, let’s go to see Okiku tonight!”
“Well, I don’t think I’m coming.”
“You! Scary cat!”
“No! I’m not. What will you do if she surprises us?”
“What do you mean?”
“As long as she counts slowly, one, two, three, four…we are safe. But she may counts five, six, 7,8,9” “Stupid! She will never do such a thing. Let’s go, everybody!”
“Yeah! It’s cool!”
“Wait! Look. It’s a little bit too early.
Let’s go get some drinks and go afterwards.” So those guys went for some drinks and after a while they’ve started walking towards the Haunted Plate House.

ご存知でございましょう?姫路というところはただいまは誠に繁華なところでございます。新幹線も止まります。
ところが昔は田舎の 城下町でございます。 さびしいことは言うまでもございません
真っ暗な空の中天にかまを研いだような月が・・・松林、竹やぶ、畑、たんぼ。
その間を細― い道が一本続いている。これを5-6人の男が一塊になってとーぼ、とーぼ。

ふくちゃんあべちゃん車屋敷へ

「ふくちゃん。ふくちゃん。あそこに見えてきたのは車屋敷の塀ではないですか?」
「そのようですな」
「なんやしら、ゾクゾクとしてきませんか」
「そう言われてみれば、どことのう・・・」
「するでしょう?ぞく、ぞくっと。ちょっと、皆さん。ちょっと話しを聞いてえな」

「なんや、アベチャン。」
「悪いんだけど、私だけ、ここから帰らせてもらいます」
「なんでや」
「なんでって。塀を見ただけで、こうゾクゾク寒気がするんねん。あん中入ったら、ガタガタ、ガタガタ振るえがきて、ポッポッポと熱が出 てことっと死んでしまったらいかんさかい、私だけ帰らせてもらいます」
「けど、あんた昼間行くいうたで」
「あれ、はずみやんねん。つい、言ってしもうたけど、あれからずっと反省しとるねん。悪いけど帰らせてもらいますわ」
「ヘイヘイヘ。帰れ!帰れ!ボケ、カス、ヒョットコ。これから道でおうても、友達だってな顔だけはしてくれるなよ。お前みたいな腰 抜けが仲間にいると思うだけで腹がたつ。帰れー。帰れー」 「ほな、友達からはずされるのつろうございますけど、命には代えられませんので帰らせてもらいます。けど、ひょっとして、気が変わり はったらたまには 遊んでちょうだいね。どなた様もお先に失礼―」   
 
「ちょっちょっ、ちょっとお待ち。帰るのやったら気をつけて帰りいや」
「なんに気をつけるのですか」
「幽霊じゃ。幽霊なんてもんは、大勢いてる井戸端よりも誰もいないさびしい所の方が出やすいちゅうもんじゃ。」
「どういうことですか」
「つまりな、さっき通って来たあの竹やぶのところ、あのさびしいとこのほうがよほど出やすいちゅうもんじゃ。それでも帰るか」
「帰らん。帰らん。つれてって」
「あったりまえじゃ。ついてこーい」
わあわあわあわ言いあいいながら、やがて車屋敷へやってまいりました。

“I’m really excited to see Okiku.”
“Yeah! Me too. Okiku is the beautiful one right?”
“Yeah! Look! I even stole a plate from the bar. See. While Okiku is counting, I’m going to throw this one….to the well. So she will be happy.”
“Don’t do that. That will confuse her.”
“Look! There is a Haunted Plate House.”
“Oh, I’m getting chills.”
“It’s really scary. Oh, look! There is the well. Speak quietly and wait for Okiku to come out.”

出たー。お菊の幽霊だー。

今か今かと待っておりますと、やがて丑三つ時でございます。
お菊の沈んだ井戸の中からスースースー。
「うらめしやー、鉄山どーのー」
「でたー!」
「でました!」
「一枚、二枚、・・・」
「やっぱり、話しの通りや。数読み出した。しっかり聞いときやー」
「三枚、四枚」
「ちゅうことは七枚まで、後三枚やで。おい、ぼちぼち尻あげときいや」
「五枚、六枚、七枚」
「そらっ!逃げろ!うわあ、痛い!あほ。こけてんのに、上からふむな!」

「ああ、怖かった。ああー怖かった。こんな怖いの生まれてはじめてや。 ああー、怖かった。明日の晩も行こ」
「あんた、何考えてんや。そないこわかったらいかいでもええやないかい」
「そういうけどね、逃げしなにパッと後ろを振り返ってお菊さんを見たんや。お菊さんて、別嬪だったよ。あんな別嬪、見たことないわ。 明日の晩も行こ」
「あほや、こいつ」

そういうやつもあくる晩も行く。七枚で逃げて帰る。 何事もない。
そうなってくると面白くなってきたんです。そりゃそうでしょう。こんな面白いことありません。
別嬪の顔は拝めるわ、七枚 で逃げて帰れるかどうかの冷や冷やは味わえるわ、命には別状ないわ。こんな面白いことはございません。

「面白そうでんなあ。私も一緒に行きまっせ」
「私も一緒に行きまっせ」
と毎晩毎晩車屋敷に行く人数が増える一方でございます。うわさは、どんどん広まりまして、近郷近在からもやって来る。そのぅ ちには東北や九州からも団体で見物に来るようになりまして、ワアワアワアワア。

ガイドするこいずみちゃん

「迷ってはだめですよ!この旗、この旗ですよ!」
そのうち、「ちょっと、大将!井戸端のええ席二枚のこってますよ。たったの一万 円。まけて5000円。どうです?」
「あんただれや?」
「ちょっとピョンヤンから出稼ぎに」
「あほか。お菊さん見つけたのわしらが一番や。ここは、わしらの席じゃ」
「大将!大将!」
「あんた、だれや?」
「へえ、あのつく有名な関取。自慢じゃないけど、わたしねえ、今日まで10日、一日も休まず、きてますよ。お菊さん別嬪ですネ エ」
「自慢しなさんな。私ら一月というものずっと仕事を休んで来てますでえ」
「国会の仕事どうなってますねん?」
「いいの、いいの。たいしたことしていないんだから」
「それにしても、今夜は出が少し遅いのと違いますか」
「それ、それ。それ、お供えもんですわ」
「おそなえもん?」
「そう、昨日ね私剣菱の上等なやつ、井戸端においときましたんねん。ひょっとしたらお菊さんいける口かもしれませんなあ。女の 幽霊仲間の おみつさんや、おいわさんとゴクゴクゴクゴク。今日は二日酔いかもしれませんなあ。」

ワイワイワイワイいうてますうちに、お菊さん青い陰火をしたがえてそれへズーズーズー。

After a while, with a white gleaming light, the ghost of Okiku came out of the well.
“One, two, three, four…”
“Ah, that’s the ghost of Okiku. It’s a real ghost!”
“Five, six, seven” “Oh. She counted seven. We have to go! Run!”

幽霊見物で車屋敷は大賑わい

“Oh! That’s very scary. Very, very scary but that was kind of fun, too.
“Year, that was kind of exciting. Okiku was really beautiful!”
“I like her voice. I think it’s kind of sexy.”
“Let’s go tomorrow night!”
So the next night they gathered more people and sent to see Okiku.
The night after, they gathered even more people to see Okiku.
Okiku was becoming popular.
Soon the crowds became so big that the ticket booths were set up outside the house.
Pople had to book months in advance to get in. Stalls appeared, selling everything from Okiku dolls and Okiku cakes, to Okiku plates.  

“Look! What is that?”
The sign says, Okiku’s fun club.
“Hey, Mr. I have a special ticket, just by the well. It’s 100$。Would you like to buy?”
“Shut up! We found Okiku first. We have the right to see her in front. Excuse me! Move away!
Oh, there is the well. I can finally see the well.”
“Everybody! Be quiet! Okiku is coming out of the well”

「でましたーっ!」
「待ってました。お菊さん!日本一!」
「おこしやす」
「今日もええ声でお願いしますよー」
「よろしゅうございます。力いっぱいやらせていただきます。うらめしや、鉄山殿」
「そこそこそこ。たまりませんなあ」
「一枚、二枚、三枚」

「ちょっと、ちょっと。お菊さん。こんな事言ってなんですが、あんた今日は声の調子おかしいのとちがいますか?」
「やっぱり分かります?すんません。風邪引いてますねん」
「幽霊でも風邪ひきますかいな」
「四枚、五枚、六枚、七枚」
「それっ!逃げろ。うわあ、押したらいかん、押したらいかん。」
「わたい、押してませんがなあ。後ろから押してきますんねん」
「八枚、九枚、十枚、11,12,13,14,15,16,17,18枚、おしまい!」
「おい、おい、おい、皆、戻っておいでえな。逃げることないでえ。私が代表で言います。
こらっ、お菊!お前何考えておるねん。皿 の数が九枚しかないから、それがうらめしいというて、出てくるねん。
こっちは七枚で逃げて帰れるかどうか冷や冷やを味わいにき ているんねん。
それを、九枚を通りこして18枚まで言うたぞ!こらっ!仕事をおろそかにして、お前も仕事なら仕事にもっと精を 出せ!」
「ポンポンポンポンいいなさんな。わてかて、皿屋敷のお菊どっせ。あんさんのおっしゃることちゃんと存じてますわ」
「ほな、知っていてなんでそんなにたくさん皿の数読んだんじゃ?」
「先ほども言いましたように、風邪引いてますねん。二日分読んでおいて、明日の晩お休みしますねん」

“Ladies and gentlemen. Welcome to my show. Can you see me back there?
Now are you ready? Put your hands together! Come on, everybody! Come on!
One, one plate two, two, two plate three, three, three plate four, four, four plate five, five, five plate…”
“Stop! Stop it, Okiku! What kind of entertainment is this?
What is she? A big star now?”
“Six, six plate seven, seven , seven plate …..”
“Oh, it’s the count of seven. We have to go! Everybody, move back!
She counted seven already. Come on! We are going to die. Come on, everybody! Move!
Move back!” The crowd yelled and tried to run out of the garden.
But because there were more people than usual, they stuck. They couldn’t get out.
“Eight, eight plate nine, nine, nine plate ten, 11,12,13,14,15,16,17,18.”
“What’s going on? Okiku, what are you doing? You are not supposed to be counting passed nine.”
“Well, I’ve been working every night and I’m tired now. So I want to count up to 18 and take a night off tomorrow.”

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5.創作2「そしてその後の皿屋敷 ふくちゃん」

さて、さて、皿屋敷その続きでございます。
風邪を引いたお菊さん、当然風邪が治ったら、また丑三つ時井戸から出てきまして、一枚、二枚、三枚と皿の数を数え始めま した。

1,2,3,4,5,6、7枚、それっ逃げろ!相変わらずの大人気。
「よっ!別嬪。今日もいい声でお願いしますよ!」
「よろしゅうございます。でも、気を許したらあきまへんで。てっさんの二の舞でっせ」
「ほんまかいな。ほんまに死ぬんかいな?」

ふくちゃん勇気を出して本当に死ぬか試す

「試してみます?最近皆さんとてもぬけめなく ちゃんと7枚で逃げますやろ?本当に亡くなりますかどうか、私にも分かりません」
「そういえば、最近は整理券が出てますので、逃げ遅れる人がいなくなりましたなあ。」
「大将!」
「またあんたかいな。」
「それにしても、本当に9枚の声を聞くと、死ぬのですかネエ」
「知りません。私はいつも7枚で逃げてますからね」
「あなたそれでも大将ですか?どんな質問にも答えないと支持率が下がりますよー」
「私は有能ですよ。誰がなんと言おうとね」

と、言ったものの、一人になるととても悩む性格で、「そうだ、やはり試してみよう」と馬鹿なことを決心いたしました。
次の晩、仲間と離れてお菊さんを待ちました。やがて出てきたお菊さん。
「お待たせしました」
ふくちゃんを見てなぜかにたっ!。
「はじめますわよ。一枚、二枚・・・・・七枚」
「それっ、逃げろ!」
「八枚、九枚。あらっ。矢張りね。いいんですか?知りませんよ。」
「いいんです。いいんです。私指導者ですから。経験しておかないと」
「そうお・・・では、お大事に。さようなら」

それからどうしたかって、ふくちゃん予定通り、三日三晩、うーんうーんうなって四日目の朝、こっとと、死んでしまった。

三途の川を渡った福ちゃんを待っていたのは 閻魔大王。
「ちょっと、そこの人。勝手に通ってはいけません。」
「勝手って、あそこに見えるのはお花畑でしょう?私はあちらに行きます」
「お花畑に行くか行かないかは私が決めます」
「そんな、私に命令するのですか、失礼な。私は大将ですよ!反対はこわーい所でしょう?いやですよ」

閻魔大王と交渉するふくちゃん

「どこの国にも法律はあるでしょう?ここではここの法律に従ってもらいますよ」
「法律って?」
「 つまりお金を払うんです。まあ、年金みたいなものですね。これからずっと養っていかなければいかないのですからね」
「へー。いくらですか」
「できるだけ沢山」 「そんなこといっても無理ですよ。お金なんか持ってきてないんだから」
「だったら、働きなさい。働いてためてからいらっしゃい。」
「働けって、何をするんですか。私は幽霊ですよ。幽霊がどうやって稼ぐのですか?」
「幽霊だって考えりゃあ何か一つくらい仕事があるでしょう。一月あげましょう。一月たってもお金持ってこなかったらそのときは、まあ 、あきらめなさい」
さあ、困ったのなんのって。
「まあ、とりあえず、家に帰って考えよう」というわけで、真夜中になるのを待って、寝ている奥さんのまくらもとにすーっと。
これが夫を亡くした女房かと思うようなだいたんな寝姿
思わず「ちょっと、ちょっと。お前なんちゅう格好をしてねてるんや」

急に胸苦しさをおぼえて、目を覚ました女房。
枕もとの夫を見てびっくり。
「お前さん。なにをまどうて でてきたん?あんた、死んだんとちがうん?」
「よう分かりません。本当に死んでるのかどうか、」
「相変わらず、はっきりしない人ネエ。ちょっと立ってみいな。足があったらあんたはまだ生きている人、足がなかったらあんたは・・・・ あっ、ゆうれいやー。ない、ない。はっはっは。足がないわ。あんた、本当のゆうれいでっせ」
「ちょっとお伺いしますがね。私が死んで悲しくないのですか?」
「悲しい?どうして?最近あんた人気落ちていたでしょう。肩身が狭かったのよ。でも、近頃ね、みんなやさしいの。夫が死んでか わいそうだって。はっはっは。」
「そんなに、うれしいですか?」
「そうでもないかも」
「でしょう?本当は私が死んで悲しいでしょう?」
「っていうか、困っているの。あんた、もっとお金残しておいてくれたかと思っていたら、なによ。」 「分かった、分かった。働くよ。働くよ」
「働くって、どうやって?」
「ゆうれいって、柳の下に出るんでしょう?」
「まあな。」
「だったら柳の下ではたらけばいいじゃん」
「柳の下でなにをするの」
「あったりまえでしょう。そばや」
「そばや?」

てなわけで、この人がはじめたのがそばや。
「えー、そば、そばはいかかですか」 
「おっ、あそこの柳の木の下にそばやだ。前からあったかね」
「いやあ、昨日はなかったようなきがするけどね」
「へーい。いらっしゃい。」
「あれっ、どこかで見た顔。あんたもしかして、ふくちゃん?いやあ、そんなばかな。あの人はお菊さんのところで死んだはずだ」
「そう、馬鹿なことしたひとね」

ふくちゃん幽霊の蕎麦屋繁盛

「へーい、いらっしゃい。何になさいますか」
「あついのを、ふたつね」
「へーい。」
「それにしても、あんたのその手、幽霊みたいにたれてるよ。どうにかなんないの?気持ちが悪いよ」
「アイム、ソーリー」
「なんで、あやまるのよ」
「私はソーリーですから」
「それにしても、そばやなんてものは何代も続いているのがいいっていうけど、あんたのところは、出てきたばかりでしょう?」
「ご冗談を。こうみえても先祖代々続いていますよ。先代はたけお。ごぞんじない?まっ、いいでしょう。お待たせしました」
「あれっ、これ何はいっているの?」
「すんぼうし。」
「すんぼうし?」
「ここだけのとっておき」
「ズー!あっ、うまい!」
「でしょう?うまいでしょう?」
「このそばなんていうの?」
「ゆうれいそば、この白い三角とくにうまいでしょう?他ではやってないしなですからねえ」
「ゆうれいそば?柳の下でね。ゆうれいそばとはいいねえ。ところでいくら?」
「ヘーイ。16文。こればかりは昔から変わりませんで。ところで、お客さん。細かいのでお願いします。」
「細かいの?いいよ。いくよ。1文、2文、3文、4文、5文、6文、7文、8文、お客さん。今なんとき?」
「へ、5時で」
「ありがとう。続けてください」
「6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16文」
「へえ、おおきに!」
「へっへっへ。ここで3文得しちゃった」

ぬけめない商売でお金がたまる一方。蕎麦屋のほうがよほど性分にあっているようですな。
お客もそばがうまいから うわさがうわさを よんで 増える一方。

10日もたった頃、「ようし、そろそろ数えてみよう。」といって、お金を入れてあるつぼをひっくり返してみてびっくり。
「あれっ。こりゃあどうしたことか?」 つぼの中はからっぽ。
「おーい、かみさん。この中に入れておいたお金を知らんかね」
「ああ、あれねえ。今日デパートに行っていろいろ買っちゃった。ルイピトンでしょう、シャネルでしょう。私だって欲しいのよ。みんなと 会うでしょう。みすぼらしいかっこうしたくないのよお」

奥さんのはっぱでふくちゃんますます蕎麦屋に専念

「おい、おい、よしてください。私は天国にいけなくなっちゃうよ。」
「だったら、またかせげばいいじゃない?」
「しょうがないなあ。働きますよお、でも今度は手をつけちゃいけませんよ」
「大丈夫。大丈夫。安心して働いてきておくれ」
次の晩から又柳の木の下で、「えー、うどん、そばー。ゆうれいそばはいかが ですか」
「おっと、これ、これ。このすんぼうしがねえ、うまいのって、なんのって」
うしみつどきになると、どこからともなく人が集まってきて、やがて行列の出来るそばやなんて、週刊誌にものるようになりました。

でも、悲しいかな幽霊ですからね。夜が明けるまでには消えなきゃあいけない。
大勢の人の前で消えるのが一苦労。
「ちょ、ちょっと、みなさーん。ちょっと後ろを向いてください」みんなが後ろを振り向いたとたんに ぱっと。

そして、えんまさんと約束した夜。
「おーい。かみさん。わしゃもう行かなくてはいけない。つぼの中の金を持っていくぞ」とひっくり返してびっくり。
「おい、おい、金がないぞー!お前どこへかくした?」
「あっ、あれっ?銀行にあづけたわよ。これからの生活費ないと困るのよお」
「 なんてことしてくれるんだ。今夜あれを持っていかないとわしゃ死ぬ」
「何いってんの。あんたもう死んでいるんでしょう」
「そうじゃなくって、あれがないとわしゃ地獄じゃ」
「たのんでみたら?」
「たのむって?」
「つまり、お金はないけど天国につれてって。くもの糸じゃないけど あんたも一つくらいいいことしたでしょう。サミットを成功させたとか 。」
「そんな・・・・」と最後まで言わないとちゅうで、ぱっ。 気がつくと、えんまさんの前。

私は幽霊でおあしがございません

「これ、金を持ってきたか」 「はーはーはい。あのお、私はゆうれいで、おあしがございません」。

終わり


文責:臼井良雄
会場写真撮影:橋本 曜・臼井良雄
HTML制作:臼井良雄

本文はここまでです



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