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平成21年9月4日 神田雑学大学定例講座No.471

8.30選挙は“官僚主権国家”を改革する
キッカケとなるか?

官僚主権国家”を改革する<br>キッカケとなるか 講師、磯浦康二

講師 磯浦康二



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講師プロフィール
1.はじめに
2.政官の現状
3.自民党は「冬虫夏草」
4.「政」「官」は並ぶものではない。政と官の実態
5.政と官のバランスは?
6.形骸化している三権分立
7.最高裁は高級官僚の天下り先
8.官僚ステムの特徴とは?
9.官僚システムは自己利益追求集団
10.この国を統治して来たのは官僚システム
11,政権交代で民主党はどこまでやれるか?
12.法律を骨抜きにする官僚システム
13.形式主義で既成事実を作る
14.どうすれば官僚支配を変えられるか?
15.重要なマスコミの役割
16.官僚システムのエトス(習慣、倫理観)を変える



講師プロフィール

磯浦講師の写真 生まれ:昭和7年11月、東京都
学 歴:上智大学文学部新聞学科卒
職 歴:NHKアナウンサー、国会議員政策担当秘書、上智大学新聞学科講師、NHK文化センター講師
その他:日本の近現代史研究、健康ヨーガ師範、ボイストレーナー
著 書:『OLきれいな言葉づかい』徳間書店刊
『話す技術 聞かせる技術』三笠知的生き方文庫
『ひとりで出来る気功養生法』実業之日本社刊

1.はじめに

 先週の選挙ではあんなに民主党が勝つとは予想していなかったという話をこの席でもお聞きしましたが、最初に今回の民主党の大勝といいますか、自民党の大敗といいますか、これについて皆さんがどんな風にお感じになったか、ちょっと御意見をいただきたいと思います。ではどなたか?

●なるべくしてなったと思います。
●事前にマスコミの影響がかなりあり、私も今回は与党は危ないなと思っていました。こんなに数字的に離れるとは予測していなかったです。
●民主党の大勝で本当に政治改革が行われるのかもしれないという気がしています。官僚は悪いということを一貫して言って来た民主党が、本当に官僚を解体したら、日本はどうなるのかと心配にもなっています。なにせ明治以来優秀な官僚が日本の国を引っ張ってきたと洗脳されているものですから。
●私は民主党が勝ったというよりは自民党が負けたという選挙だったと思います。
●やっぱり今までの政治にあきたというのが本音です。うまくいくか、いかないはともかく一回変った方が良いということではないでしょうか。
●自民党の大物古だぬきが小選挙区で落選して喜んでいたのですが、知らないうちに比例復活しており、割り切れない思いです。比例復活にも年齢制限かなんか設けられないのかと思いました。
●日本人の一番いいところと悪いところが出たという感じです。ワーッとこちらに流れ、ワーッとあちらに流れる、KY民族ですね。
●新聞やテレビの世論調査、特に出口調査があまりにも高い確率で当たるのには驚きました。出口調査はどうやって行われるのですか?

磯浦:新聞社はその各開票所に人を派遣して出てきた人に質問するのです。全国に3000選挙区くらいありますね。一カ所当たり100人くらいは質問していますから、全部で30万人くらいの方々に直接聞いているので、統計的に確度が上がっているのです。

●開票速報を朝まで見ていたのですが、NHKの開票速報が他の民放に比べて非常に遅いですね。テレビ朝日がすごく速かったですね。なぜなんですか?

磯浦:テレビ朝日は朝日新聞からデータを貰っているので早くて確度が高いのでしょう。
普通放送局は各地にそんなに人間がいませんが新聞社は各地に支局がありますから、その人たちが動員出来るのです。そしてNHKがなぜ遅いか?NHKは慎重なんですね。それにNHKは選管の発表を見て発表する姿勢ですから民放にはかないませんね。勿論、開票状況と事前の票読み、出口調査などの結果を見て当確を打ちますから、選管よりは早いのですが、やはり慎重なんでしょう。
 では、このくらいで本題に移りましょう。皆さんが何か変化を期待して喜んでいらっしゃる雰囲気は感じました。
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2.政官の現状

 さて、2009年8月30日の衆議院議員選挙は、民主党が308議席を獲得し、歴史的大勝利となり、自民党は119議席と大きく議席を滅らし、大物議員が落選し壊滅的敗北を喫しました。思い返せば16年前の1993年 (平成5年)8月、細川護煕内閣が「政治改革」を旗印に8党派連立政権がスタ―トしましたが、8力月余で挫折しました。
 16年前を「改革」の第1幕とすると、今回の民主党大勝利は、「改革」の第2幕の幕開けと私は思っています。あれから16年が過ぎ、「第2幕」ではどのような展開となるのでしょうか?

 もし民主党などが目指している「官僚主導政治」を「政治主導政治」に変えることが出来れば、明治以来120年以上続いてきた「官僚統治システム」が崩壊することになります。
 その時、国民は明治以来初めて、この国の統治に実賓的に参画することができることになると思います。 新聞やテレビによりますと小沢さんが幹事長に就任し、二重権力構造になるのではないかとか、いろいろ書いてありますね。私から見るとそういう議論は見当外れだと思います。問題は官僚機構とどう対峙するかということがポイントだと思います。
 ここではっきり申し上げますが「自民党」は政党のように見えますが政党ではないと私は思っています。「自民党」は霞ヶ関の官僚システムの「永田町出張所」に過ぎません。

 私は平成5年、いまから16年前、細川内閣が成立した年に、細川さんと大学の同窓だという縁もあり、細川さんの勧めで参議院議員になった小島慶三さんという方の政策担当秘書をすることになりました。平成5年から10年まで5年間、永田町で仕事をしました。
 その時の感想は「国会はほとんど機能していない」ということでした。
なぜかというとその頃、法案の9割は霞が関で官僚が作って持って来るのです。それに国会では全く手をつけられないのです。やれるのはせいぜい最後に「付帯決議」を付けることぐらいです。付帯決議なんてのは「屁」みたいなもので実態がないんです。反対していた野党側の多少の慰めになるというくらいのものです。

 皆様、覚えているかどうか分かりませんが、例の日の丸君が代の国旗国歌法案で「付帯決議」には「強制しないこと」と書いてあるのです。でも東京都などでは強制していますよね。付帯決議に書いてあるじゃないかと言っても法的には全く関係ないのです。

会場風景

 私が感じたのは、永田町(国会)というのは巨大な寺院で、そこに衆参合わせて当時750人の僧侶(議員)がいる。そこに、官僚が霞が関で法律案を作って黒塗りのお盆に載せて、しずしずと持ってくる。それをお寺(国会議事堂)の真ん中に置いて、周りを僧侶が囲んでお経をあげるのです。そして、チーンと鳴らして一丁上がり・・・なんです。

 国会では本当に一字一句直せないんです。「討論」という名のやり取りはあります。でも質問に答える「官僚」は木で鼻をくくったような、そっけない無感動な答弁で、議論は全く噛み合わず通ってしまうのです。
 これは全部の委員会でも本会議もそうです。たとえ「討論」があっても審議の結果に影響は全くありません。勿論、与党には事前に根回しが行われています。兎に角、一度霞が関のどこかの役所で作った(神聖な)法律案は、国会では一字一句も変えられないのです。

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3.自民党は「冬虫夏草

 今の「自民党」というのは「冬虫夏草」だと思います。ご存じと思いますが、「冬虫夏草」とは、蝉の幼虫などが土の中にいて、それにキノコの菌糸が付きます。すると、いつのまにか、中の動物質の部分を菌糸が食ってしまって、全部キノコになってしまうというものです。地表にひょろひょろと葉っぱのようなものが出てきますが、地中の部分は元の蝉の幼虫の形のままです。実態はキノコになってしまったのです。 自民党は政党の格好をしていますね。でも中を切ると全部「族議員」とか「官庁OB」とかそういう人たちで出来ていて「各官庁の手先」となっています。ですから、セミの幼虫実はキノコ、つまり「霞が関の官僚システムの永田町出張所」なのです。

 官僚システムが、いかにえげつないかの例ですが、平成8年でしたかの予算案に、予算委員会で「付帯決議」がついたことがあります。この予算を執行する際の条件みたいなことで、ほんの一行なんですが、兎に角ついたのです。
 そのことを私は覚えていましたから、予算案が本会議を通ってしばらく経ってから官報に出たので確かめてみたのです。
 たしかに「付帯決議」があったなと「予算書」の表紙から見ていきましたが無いんです。 裏表紙まで見たんですが無いんです。おかしいなーと思い何の気なしにひっくり返して遠くからみたら、裏表紙の一番下のところに、シミのような筋があるのに気が付きました。極細のボールペンで書きこんだような細字で一行書いてありました。それが、「付帯決議」でした。

 確かに、載ってることは載っていました。これを見て「大蔵官僚の根性見たり」と思い、ゾッとしましたね。たかが「国会議員」風情にオレたちの作った「神聖な予算書」を汚されてなるものか!という声が聞こえてくるような気がしました。そのくらいのものです。
 国会がどのように運営されているかということは意外に知られていません。私は中に5年間いましたから、ある程度判りますが、新聞記者なんか全く判っていないのです。
 新聞記者の関心は「政局」です。誰と誰がくっついて誰と誰が離れたかというようなことには関心があり良く知っています。確かに人事は重要ではあります。ですが国会の中で具体的に何が行われているか、日本という国がどういう方向に向かっているかなどには全く関心がないようです。記事にも殆ど載りません。
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4.「政」「官」は並ぶものではない。政と官の実態

 官僚システムの効率化と官僚の人数を削減しろという話と相まって、政官はすべて定数を削減しろという議論が盛んです。選挙前の新聞にも笹川洋平さんが国会議員定数削減を訴えた記事が大きく載りましたし、民主党のマニフェストにも載っています。
 私は国会議員の定数削減には反対です。つまり「政官」と一緒にみなさんは言いますが、「政」と「官」は並ぶものではないのです。基本的に「政」は我々国民の代表です。「官」はたまたま試験に通った人たちがなっているに過ぎません。国民が選んだ人たちではありません。ですから根本的に違うのです。

講演中の講師  「政」は国民が選んで、国民の代表として国を主導するという気持ちを持った人々の集団です。「官」はパブリックサーバント(公僕)であって国民の僕(しもべ)です。主人と僕(しもべ)を一緒くたにして減らすというのは、全くおかしな話です。

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5.政と官のバランスは?

 では、現在の「政」と「官」はどういうバランスになっているかご存じでしょうか?
 日本は一応「三権分立」の国ということになっています。つまり「立法」(政冶)、「行政」(官)、「司法」(裁判所)がそれぞれ独立してバランスを保っているということですね。それが、常識的には3:3:3位の比率だろうと、なんとなく思っている人が多いのではないでしょうか。
 何でも物事をやるには「ヒト」「モノ」「カネ」が必要です。では、この3権の「ヒト」「モノ」「カネ」の現状はどうなっているのでしょうか?

 まず「ヒト」です。私が勤務していた当時、「官」の総本山霞が関には国家公務員8万人がいました。国家公務員は全国に120万人がいたのですが、その後国立大学や国立病院などが「独立行政法人」になって減りました。それでも霞が関の「政策立案部門」には、今でも6万人位の国家公務員がいます。

 では「政」の永田町はどうか?議員は衆議院480人と参議院242人で合計722人です。
 それぞれに公設秘書が3人ですから、ざっと計算しても3,000人前後です。それから衆参両院の国会職員がいます。衆議院が1,800人で参議院が1,400人です。それに国会図書館の職員が800人くらいですから、全部合わせても8,000人くらいでしょうか。
 「官」は組織された6万人、「政」は組織されない8千人です。マンパワーでは「政」「官」にはこんなに差があるのです。

 では「カネ」はどうか?国会関係の予算は全部で3千億円弱です。行政機関が使う80兆円〜90兆円の予算に比べると3,000億円というのは異常に小さく0.0037%です。
 また、皆さんは特別会計ってご存じですか?私は平成5年に永田町で仕事をするまで恥ずかしながら知りませんでした。当時の議員の方も実態が判らなかった方が多かったと思います。院内で予算関係の勉強会の時に参議院調査室の人に教えてもらいました。
 「新聞に出る一般会計は、表に出ているけれど、本当の予算は表に出ない特別会計なんです」と言うのを聞いて「えっ?」となったのを覚えています。現在は時々新聞にも載りますが、約210兆円と言われていますね。これを3千億円と比べると0.0014%ということになります。これが日本の民主主義を守るコストというわけです。

 国会議員はカネを持っていると一般には思われていますが、与党(自民党)の領袖と言われるような人は献金とかパーティーで集めた金があるのでしょうが、陣笠は与野党含めてお金はありません。永田町にはお金はないのです。政治家の場合は選挙にはお金をかけますが、政策立案にかけるお金などないのです。ですから「政策担当秘書」の給与をごまかして、安い賃金でアルバイトの女性を3人を雇ったりするのです。なんとみみっちい話ではありませんか!それほど永田町にはお金はありません。

   国会予算3千億円といっても殆どは人件費です。議員の歳費は2千数百万くらいです。秘書の給与も職員の給与もありますね。ですから永田町で「政策立案」に使えるお金なんて殆どないのです。歳費2千数百万円と言っても月に直すと200万円を切ります。それで生活もしなければなりません。永田町には、お金が沢山あって無駄使いしているというようなことを新聞やテレビで報じていますが全くのウソです。議員定員を削減しても経費節減には全くなりません。

 ではモノはどうでしょうか?モノというのは「政策立案」に必要な「情報」です。例えば、今、失業率はどうか?出生率はどうなっているか?というような情報です。こういうデータは全て官庁にあります。霞が関に100%あり永田町には0%です。何にもありません。何故か?それは、集める手段がないからです。例えばアンケート調査一つやろうと思っても人も金もかかります。比例区の議員はともかく選挙区出身の議員は地方の地元にも事務所を持ったり、電話番の女性を雇ったりしなくてはなりません。

 多くの人は、議員はお金があると思っているかもしれませんが、殆どの議員は本当にお金がないんです。では、情報を集めたい時にはどうするか?衆参両院には「調査室」というものがあります。これは各省庁に対応していました。そこに専門の調査員がいるのです。調査室へ行って資料を注文すると、調査室はどこかの省庁から貰ってくれるのです。あるいは新聞か週刊誌のコピーです。国際的な資料は国会図書館に行って調べて貰うこともできます。したがって永田町でオリジナルの情報収集はほとんど出来ません。

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6.形骸化している三権分立

 衆議院の調査室長は、長い間、霞が関のキャリア官僚の指定ポストでした。意味がわかりますか?調査室では、国会議員がどういう質問をするかということが全てわかるのです。そこの各室長、例えば「大蔵調査室長」は大蔵省のエリート官僚が交替で2〜3年ずつ来るのです。つまり国会議員は、質問をしようとする段階から、霞が関に完全にコントロールされるシステムになっていたんです。
 国会議員が何か質問に必要な資料が欲しい時は、この調査室に頼るしかありません。それが全部官僚に筒抜けです。
 イギリスの場合は官僚は閣僚と直接話をしてはいけないというルールがあると最近新聞に出ていましたね。日本では行政官が完全に立法府の中にシステムとして入り込んでいるのです。その上、自民党の族議員は各省庁の手先の役割をしています。

 私は、議員の代理でいろいろな会議に出ました。例えば、ある「補助金」をカットしようという話になった時、次のようなことをいう元自民党議員がいました。「この補助金をカットするのは難しい。実はこの団体が使うんではなく、その団体から、ある県のある団体に流れることになっている。その団体ではかつて大失敗があり、財政的に大穴をあけてしまった。しかし、そこには天下りしたこの官庁のOBが行っているので、本省で何とかしようとしたが、直接補助金を出すわけにいかない。そこで、別の団体に補助金をだしてそこから迂回して別の名目で、その県の団体に流すことになっている。損失は10年かけて埋めることになっていて、今はその途中だから切れないし、切ると問題が発覚して天下りの人に迷惑がかかることになる」というのです。
 竹の根が地中深く絡み合っていて外からは見えませんが、官僚は勝手なことをやり、「天下り」先のOBを守っているんですね。その実態はなかなか表には出ません。詳細を知り、全体の実態を把握しているのは、その官庁でも総務課長一人位だと思います

 各省庁が持っている特別会計の詳細についても、たぶん会計課長一人くらいしか全貌を知らないでしょう。国会議員が知らないだけではなくて、官僚の偉い人たちも全員が全貌を知っているわけではありません。 ですから民主党がバサッとやると、いろいろなところで血が出るでしょう。でもしょうがないですね。こうなってしまっては・・・。勿論、官僚側も総力を挙げて阻止しようとするでしょう。野党をたきつけて倒閣運動もやるでしょう。また民主党を取り込もうして、あらゆる術策を弄してくるでしょ。民主党がマニフェストに書いたことを潰しにかかるのです。それを受けてマスコミは「民主党はだらしがない」と書きたて、国民の支持を失わせようとするでしょうね。細川内閣の時と同じことが起こると思います。

 永田町はヒト、モノ、カネの全てで、霞が関には敵いません。しかもシステムとして霞が関は永田町のなかに入り込んでいるのですから、これを変えるのは本当に難しいのです。
 官僚システム改革を進めようとすれば、内閣が5つか6つ潰れてもおかしくありません。
明治時代から整備されてきた「官僚システム」はそれほど強力です。しかも明治時代と現在が違うのは、官僚システムのバックにアメリカがついていることです。

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7.最高裁は高級官僚の天下り先

 今度は司法に行政が入り込んでいる話しをしましょう。
 最高裁判所の裁判官は15人います。下記の図は、時系列で15人の裁判官の出身を色別に示しています。表の色でブルーが裁判官で、赤が検察官、黄色が弁護士、緑色が大学教授です。空色が行政官、ピンクが外交官です。こういう構成になっているのです。
 これで見ると空色の行政官とピンクの外交官も行政官です。ですから15人の裁判官の中に、現在も2人の行政官が入っているのです。

最高裁判事の構成

 先年、横尾和子さんという最高裁の裁判官が辞めたと新聞に出ましたね。この人は、平成6年から約2年間、社会保険庁長官を務めています。平成9年1月に「基礎年金番号」が導入されたので、横尾さんは長官として「基礎年金番号」の導入に参画したはずです。この時が、国民に不安を与え「消えた年金」という“大犯罪”になりました。

 その人が、何とまあ司法のトップである最高裁判所裁判官になっていたのです。新聞報道によれば、任期前に辞めたということですが、何故この時期に辞めたかと言うと、社会保険庁の係長が架空の障害者を作って1,000万円以上を横領した事件があったにもかかわらず当時の横尾長官は、何故か告発しなかった。他にも社会保険庁は収納率をアップさせるために、保険料を滞納していた中小企業の社長などに、保険脱退を勧めたりして大きな問題になりました。そういう犯罪が疑われる役所のトップにいた人が、何と司法のトップにいたわけです。それが大きく問題視されると最高裁の権威にかかわるというので、任期を残して辞めたと報じられました。

 こういう事実を見ると「行政」が「司法」を侵食している、と言うより「乗っ取られている」と言わざるを得ません。皆さんご存じのように「行政訴訟」となると国民は国になかなか勝てません。
 例えば、社会保険に関する行政訴訟などでも地方裁判所では勝ったとしても上級審に行くに従って、特に最 高裁になると国民の側は、まず負けるのです。行政有利の判決が多くなるというのも、このような裁判官の中に「行政官」が入り込んでいるからだと考えざるを得ません。

 私は最高裁の裁判官には行政官は入れないことにするべきだと思います。最高裁を司法試験も通っていない高級官僚の「天下り先」にしてはならないのです。
 そして、現在行われている無印は○にするという欺瞞としかいえない「国民審査」は廃止すべきです。現在のやりかたでは×が半数を超えるなんてことはありえませんから。

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8.官僚ステムの特徴とは?

 官僚主義の特徴は3つあります。まず「縦割りタコつぼ」です。縦割り行政とよく言われますね。横の連携はまったくなく無駄が無数にあります。もう一つは「形式主義」です。
 形式さえ合っていれば現実に合わなくてもOKなので。もう一つは「前例主義」です。前例があれば現実に合っても合わなくてもOKです。しかし、いかに現実には必要であっても前例がなければNOとなります。
 私が、永田町で実際に見聞きしたところでは、例えばある社会現象があったとします、そのために法律が作られます。しかし5年も10年も時間が経つと社会現象自体が変わってきます。役所でもその法律を作った頃の人は誰もいなくなっています。でもその法律を現実に合わせようとはしません。その部課はその法律を変えようなどとはせず、既得権益をしっかり守るのです。権益などないようなものでも「権限」のあるものは手放そうとはしません。

 私が政治の内情をまだ知らなかったNHKにいたころ感じたことをお話しします。私はいろいろ地方放送局に勤務していたのですが、各地に農水省の下部組織の「農林統計調査事務所」というものがありました。今は名前が変わっているようです。
 これは、昭和20年代の食糧事情の悪い時に出来た組織で全国の都道府県にあります。
 例えば、どこの県では、お米の出来がどの程度なのかということを調べる役所です。当時はコンピュータなんかはありませんから人力でやったのです。それで、当時は非常に早いスピードで本省に情報が集まり天候異変や病虫害などに、すぐに対策を立てることが出来て、当時は大事な部門でした。

 それが昭和60年代になって食糧事情が全く変わっても、まだあるのです。すでに各県の農林部などの機能が充実して、きちんと情報を把握しているのです。しかし屋上屋を重ねる形で「統計調査事務所」の組織は存続していたので、取材に行って話を聞いたことがあります。彼等は、巨大な「紙屑製造システム」でした。必要がないんですから存続する意味がないのですが、全国に大勢の職員がいます。

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9.官僚システムは自己利益追求集団?

 時代は、すでに輸入食品が増加し、検査官が必要とされていたのですが、配置転換をするという発想が官僚システムにはないのです。民間の会社なら、必要のない部署は廃止して、必要なところには人やお金を回します。こっちはもういらないから止めて、こっちへ回せばよいと考えますね。しかし官僚は違うのです。「私の眼の黒いうちはこの組織は潰さないぞ」と高級官僚が大見えを切るという世界なのです。「輸入食品検査官が足りなければ増員すればいい」というのが官僚システムの発想です。ですから際限なく人員は増えていきますし、いくら税金があっても足りないのは当たり前です。でも、予算を伴う増員は簡単にできませんから不十分な仕事しかできないことになります。

 それでも国民が困ろうが被害がでようが関係ありません。行政訴訟になっても最高裁がついてますから、心配はいりませんね。既得権益に胡坐をかいていれば良いのです。
 増やす分を減らせばいいという当たり前のことが通らないのが、前例主義、形式主義、縦割りタコツボの「官僚システム」で、変えることが出来ないのです。勿論、税金の無駄使いを止めようなどという発想は全くありません。自分の守備範囲ではないことには全く無関心だからです。

 彼等の目的はまず「自己の利益」と「権限の拡大」です。そして「自分の所属する組織の拡大と権限の拡充」です。更に「自分の所属する組織関連の業界の利益」です。以前から「部益あって局益なし。局益あって省益なし。省益あって国益なし」と言われてきましたが、私が永田町に5年間勤務して感じたのは、見事なまでにその通りでした。国民のためとか、国全体のことを考えている人は霞が関には一人もいません。個人的には考える人はいるかもしれませんが「官僚システム」という「システム」がそうなっているので、個人がどう思うかは全く関係ありません。自分のところだけの「自己増殖」を図るのが官僚システムです。

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10.この国を統治して来たのは官僚システム

 前回お話しした「昭和の軍部」というのは「軍事官僚システム」でした。この前申し上げましたが、例えば陸軍と海軍は全く別々に戦争をしていました。共同作戦なんかほとんど無かったのです。また、海軍の中でも「軍艦派」と「飛行機派」があって、それぞれ争っていたのです。陸軍も「大陸派」と「南洋派」とありました。もっと細かく言えば沢山の派があってそれぞれ「縦割りタコツボ」で戦争をやっていたのです。
 これも、この前お話ししましたが、同じ軍需工場で海軍の兵器と陸軍の兵器を受注していても、お互いの情報は絶対に漏らさない流さないことが、厳重に行われていました。工場の入り口も出口も別で、内部は厳重に塀で仕切られ材料の融通は勿論、工員の配置も別々で、どちらかが忙しくて一方がヒマでも絶対に融通はしないよう厳命されていました。

 また、戦時中、日本でも原子爆弾の研究を始めていたそうです。理研の仁科博士が小型のサイクロトロンなどを作って研究していた話は有名ですが、ここでも陸軍と海軍は別々にやっていたのです。それぞれが学者の奪い合いをしていました。
 一方アメリカは「マンハッタン計画」を国を挙げて、もの凄いお金をつぎ込んでやりました。アメリカに太刀打ちできるわけありませんし、絶対に勝てない戦争でした。  官僚システムにとっては、自分の目先の利益のためには、国が滅びようと国民が困ろうと関係ないのです。国がなくなっても自分たちの組織(官僚システム)が残れば良いと思っています。

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11,政権交代で民主党はどこまでやれるか?

 今回の政権交代で、民主党はどこまでやれるでしょうか?たとえば少子化対策です。これまでも自民党には少子化担当大臣がいました。しかしその大臣の下に手足はありませんでした。小渕恵三元首相のお嬢さんが名前だけ大臣になっていましたが実態はその下に手足になる実働部隊はなかったのです。
 各省庁がそれぞれ施策を立てています。厚生労働省はこんな施策、文部科学省はこんな施策と別々に予算を立てて別々にやっているのです。骨太の方針なんて言っていますが、そんなものは全くありません。それは「縦割りタコつぼ」だからです。横の連絡はないんです。少子化担当大臣は「各省庁の調整」などと言っていましたが、連絡協議会を開いても全く機能しませんでした。みな自分の役所の権限を広げたい、他からは侵食されたくないという、それだけで集まっているのですから・・・。民主党がこのような、ばらばらで捉えどころのない「官僚システム」とどう取り組むかですね。とても一朝一夕では出来ないと思います。
 細川さんの時代とよく比較されます。私もその頃は永田町にいましたが、真の敵が「官僚システム」だとは気が付きませんでした。5年間永田町で仕事をした後、辞めてからようやくいろいろなことが見えてきたのです。私だけでなく日本新党の方々も本当に相手にしなければいけなかったのは「官僚システム」なんだということは判りませんでした。

 細川さんには秘書が4人いました。その人たちはどこから来たか?一人は大蔵省、もう一人は警察庁、そして外務省と経済産業省から来た官僚でした。総理は官僚に囲まれていて、秘書官の前で何か言えばその省庁に筒抜けになるのです。
 たった一人、成田憲彦さんという人が国会図書館にいて細川さんと親しいというので政策秘書官として5人目に入りました。細川さんは成田さんしか信用出来る人はいなかったと思います。他の各省から来ている秘書官を通すと筒抜けになるのです。例の暁の記者会見の時、例の消費税、あの時は「国民福祉税」といいましたが、あれを夜中の1時に記者会見をして発表しました。
 あれは与党の代表者会議が大蔵省と組んで決めて、細川さんはその事実を発表の5時間前に初めて知ったと手記に書いていますね。それは官邸と代表者会議の二重構造だったからです。

 当時は第一党が社会党で、代表者会議は7党と1会派の8頭立ての馬車のように運営され、これを小沢一郎さんが仕切っていたのです。これが細川さんの官邸と分離してしまったのです。当時としてはこれはやむを得なかったと思います。
 また、細川さんは8頭だての馬車のコントロールに追われて超多忙で、出身党である日本新党の国会議員でも、細川総理となかなか会って話しが出来なかったことを思い出します。今から思えば八頭立ての馬車のバックには実は「官僚システム」がいたのですね。細川さんの言葉を借りれば「代表者会議と官僚が一緒になって攻めてきて、私はどうにもならなかった」と後年になって言っています。

 細川さんは熊本県知事の時、県庁前のバス停を50m動かすのに県庁の職員を3回東京に出張させて、当時の運輸省に陳情して、やっと半年後に実現したと言っていました。細川さん自身は行政改革をしたかったのですね。でも、外堀まで全部埋められて身動きができなかったというのが実情でした。
 そうした「行政改革」をやるにしては日本新党は余りにも弱体でした。日本新党は、豊臣秀吉の「一夜城」のようなもので、見かけは政党ですが裏へ回れば張りぼての舞台装置と同じでした。政治家としては、官僚の扱いもよく判らない全くの素人集団でした。

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12.法律を骨抜きにする官僚システム

 当時、細川政権が通した法律で大きな成果の一つとされていた「行政手続法」という法律があります。これは、許認可権を持つ官僚の裁量にまかせず、法律に基づいて許認可を行うようにすることを目的とした法律です。この法律が通って、これまで不透明だった役所の「許認可」がルール通りスムーズに出来るようになったと思っていました。
 法律が通ってから1年程後、「議員の勉強会」の時、参議院の調査室の係の人が説明してくれたのを聞いて驚きました。調査室の人は「行政手続法が出来たといってもいろいろ適用除外がありますから・・・」と言ったのです。

 それで部屋へ戻って早速調べてみますと、法律の本文は10数ページあるのですが、その数倍も厚い「適用除外集」がついていたことに初めて気がつきました。
 それを見るとほとんどの法律が「適用除外」になっているのですね。どうでもよい許認可は法に従ってやるようにと書いてあるのですが、一定以上に重要な許認可は全部「適用除外」にされていました。「官僚システム」にはほとんど影響を受けない法律になっていたのです。官僚は涼しい顔で法律を通したのですね。日本新党の議員たちも、当時は素人集団でしたから私同様全く知らなかったのです。これが「官僚システム」の恐ろしさです。
 今回の「政権交代」は細川内閣の時とは違い、民主党1党で大きな勢力を持っていますから、あの時のようにはならないとは思いますが、官僚システムの壁は厚いのです。

 この前も言いましたが、菅さんが厚生大臣になった時、官僚は、例のHIV患者の書類が無いと言っていましたが、大臣が兎に角探せと局長級に命令しましたが出てきませんでした。そこで菅さんは一計を案じて、課長級のメンバーを集めて、特命の追跡隊を作ったのです。そしたら出てきたんです。
 また菅さんの時、「薬害訴訟」が相次ぎ、天下りが問題になりました。そこで「薬品会社に厚生官僚のOBが天下るのは良くないので、今後はそういう関連のところに天下りはさせない」という大臣の記者会見をやりました。「天下りは今後させません」と言って「会見要旨」を配ったのですね。そしたら記者の一人が手を上げて、「大臣、当分の間、天下りはしない、と書いてありますが、当分の間とはどのくらいなんでしょう?」と聞いたんです。菅大臣は「えっ、ずっとだよ。「当分」なんてどこに書いてあるんだ?えッ、誰だこんな文言を入れたのは」と言って怒ったという話があります。実は総務課長がこっそり入れたのです。一度、ペーパーを配ってしまへば既成事実化するということを見越した、官僚の巧妙な手口でした。

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13.形式主義で既成事実を作る

 今度もそうです。民主党政権になる前に予算をつけておこうと、一種の「駆け込み」をやっていますね。駆け込みで既成事実を作ってしまおうというわけです。麻生さんが「先端技術」に対して相当に助成すると言い、その対象絞り込みを秋に行われる予定を前倒ししましたね。民主党政権になる前に、30くらいの案件が内定しました。麻生さんが自分のやったこととして残したかったのか、役人からこれだけはやっておいて欲しいと頼まれたのか分かりませんが、民主党政権が誕生する前に既成事実を作ったわけです。

 どうやって財源を生み出すかという補正予算の中でも30くらいの基金があって、4兆円くらい出すわけですが、今日の新聞では6割は決定済みと出ていましたね。前に決まっていたものですから仕様がないと言えば仕様がないんですが、ここに来て明らかに政権交代が起きたにもかかわらず既成事実化をはかったものもあるのでしょう。官僚システムとは、そういうものです。実態は別にして「形式が整っていればよい」のです。「前例」に従っていればよいわけです。

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14.どうすれば官僚支配を変えられるか?

 ではどうすれば、それを変えられるのでしょうか? たぶん民主党はマニフェストに書いてあることはやろうとするでしょう。しかし色々な官僚のサボタージュが行われると思います。テレビで「民主党政権になっても落とし穴は教えないよ!」と官僚が言ったという話をしていましたね。

 まず民主党として一番やらなくてはいけないのは「情報公開」でしょう。つまり全て明るみに出しながら、過程も見せながら万事を進めていく。誰が反対しているかということを、国民に見せなければなりません。田中秀征さんという方が新聞に書いていますが「人事権をちゃんと政治家が掌握する」ことが大切です。 昨日の新聞にも官僚が民主党にアプローチをしている記事がありましたが、菅さんのところにどこかの省庁の事務次官が訪ねて来たとき、菅さんが「事務次官会議は廃止するよ。政治の中身については官僚が考えなくて良いから」と言ったと短い記事があありました。

 民主党がいかに漏れなく布石をしていくかがポイントです。田中さんも書いていますが、民主党政権は国家戦略局というものを作ろうとしています。それから行政刷新会議というものも作ろうとしています。これがきちんと機能するようにするべきだと言っていますが、その通りだと思います。オーストラリアで同じような行政改革をやった経験談が出ていましたが、そこではトップは官僚とは話もしないし電話も受けない、そのくらいにしないと出来ないということを言っています。

 事務次官の人事権を大臣から首相に移すべきだという意見もあります。大臣ですとどうしても身近にいますから情状が働くのかもしれません。小池百合子さんが防衛大臣だった時に次官を更迭して大騒ぎになりましたね。
 そのだいぶ前にも熊谷弘通産大臣が次期事務次官と目されていた局長を更迭して、新聞が大騒ぎして大問題になりました。あの頃、私は何であんなに騒ぐのか意味が分からなかったのですが、マスコミも官僚統治のなかにどっぷり浸かっていたわけです。
 それを変えようというのですから、余程のことが起きてもある程度は仕様がないと思わなくてはなりません。混乱はやむを得ません。本当にやれば、方々に血が出るでしょう。
 我々も血をかぶるかもしれませんが、それはある程度やむを得ません。「明治以来初めて官僚支配が変わるかもしれないという時代だ」と思って対処すべきと思います。

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15.重要なマスコミの役割

 最後にマスコミの役割が大変重要だと思います。新聞を見ていますと明らかにおかしいなと思う記事がたくさん載っています。端的に言えば、政局情報です。「民主党早くも内部亀裂か?」「小沢、幹事長に就任、権力の2重構造か?」とか・・・。そういう記事は面白いですよ。ですがそれだけで本当にいいんでしょうか?
 私がマスコミに対して感じていることは三つです。
 第一は「マスコミのトップと政界の癒着」です。テレビ局の社長なんかは与党の幹事長あたりとツーカーの関係で政界人事にも驚くほど顔が利くことを私は実際に見ました。
 マスコミは、まずテレビで騒ぎ週刊誌であることないことを書き、新聞でとどめを刺すような形で世の中を動かそうとしています。新聞社と放送局と週刊誌がどういうふうにつながっているか。これに注意が必要です。

 第二は「新聞社自体を動かすような動きもある」ということです。これは私が経験したことですが、細川政権が発足した平成5年中は、まずまず、日本新党に好意的な記事が掲載されていました。しかし、年を越して平成6年の2月頃になって、日本新党を回っていた記者が各社申し合わせたように一斉に配置変えになりました。それで論調が、がらっと変わり日本新党に冷たい記事ばかりが出るようになったのです。
 また日本新党が何かをやっても紙面に載らなくなりました。誰かと誰かが、どこかで話し合い日本新党シンパと目された記者は変えられたなと内部で私たちは話していました。

 また、第三には「新聞記者を信じてはいけない」ということです。これも私の経験です。
 平成5年の12月、日本新党が勉強会をやりました。在京の各新聞社のデスククラスの記者を呼んで、日本新党に関係することでいろいろな意見を聞くという会合でした。
 そのなかで印象に残っているのは某社の記者が、「これまでは自民党と社会党の言うことを両方聞いて、大体真ん中を書いていれば問題なかった。でも、日本新党になってからどこに基準を置いて書いていいのか困っている」と言ったのです。

 皆さん、新聞なんて、その程度だと思ってください。彼らには理念もなければ歴史的認識も世界情勢も関係なく、受けそうだなということで政局記事を書いているのです。
 ですから皆さんがマスコミを監視しなければいけません。信じてはいけないのです。
 皆さん、問題を感じたら投書しましょう。悪いことばかりでなく良いと思ったことも投書をしてほしいのです。

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16.官僚システムのエトス(習慣、倫理観)を変える

 「千と千尋の神隠し」という映画をご覧になりましたか? あの中に「川の精」が温泉に入りにくる場面がありました。皆が騒ぐ中を、汚いものを沢山引きずって廊下を歩き、風呂にザブーンと入ると、そこいら中に汚いものが飛び散って、千尋がお湯を入れて一生懸命洗ってやります。するといろいろの汚いものを吐き出すのです。大きいものはブルトーザーの壊れたものとか、捨てられた諸々の廃棄物などを吐き出し、すっきりすると翁の面になり「やあ、さっぱりした」と言って帰っていくのですが、それは「川の精」でした。川が汚れているということを表現したのですね。
 今の霞が関の「官僚システム」は、まさにこの「汚れた川」です。いっぱい汚いものを溜めこんでいます。また先程、言いました地下茎であちこちに繋がり合いながら、汚いものを飲み込んでいます。それを吐き出させて本来の官僚システムに戻すことが必要なのです。

 「官僚破壊」などと新聞は書きますが、「官僚システム」自体は必要です。「官僚システム」が本来の「パブリック・サーバント」(公僕)として、「自分のためでなく」国民のために働くような「システム」に変えることが必要なのです。肥大化し立法や司法にまで侵食して「己の利益」だけを追求し、既得権益を守ろうとする「官僚システム」を変えなければ日本の将来はありません。官僚組織を破壊すると言っているのではありません。 官僚システムの中にある「エトス」(習慣や倫理観)、DNAと言っても良いのですが、それを変える強力な施策を民主党にして欲しいものだと私は願っております。(拍手



文責:磯浦康二
会場写真撮影:橋本 曜
HTML制作:大野令治


本文はここまでです


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