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平成21年9月25日 神田雑学大学定例講座No.474


       返還後の香港、マカオ            講師 塩崎哲也




目次

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メニューの先頭です 講師プロフィール紹介
1.はじめに
2.香港、マカオの歴史と地理的位置
3.両地域の体制
4.返還前の両地域市民の意識
5.香港
5−1.市民の満足度
5−2.香港経済の変遷 成長率
5−3.1人当りのGDP
5−4.香港経済の特徴
5−5.貿易動向
5−6.中国との経済関係
5−7.物価
5−8.株式市場
5−9.不動産
5−10.観光
5−11.香港ディズニーランドの誤算
6.マカオ
6−1歴史
6−2.地理
6−3.経済
6−4. 観光客
6−5.カジノ
6−6.マカオ経済の問題点
6−7.進行中、計画中の大型プロジェクト
6−8.治安問題
6−9.物価高騰
6−10.金融危機



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講師プロフィール紹介

塩崎哲也講師 神田雑学大学で講座テーマ選定を担当しています吉田です。
塩崎さんは帝人の技術者だったそうですが、定年退社後、ご経験買われ、中国国内の会社に頼まれ、つい最近まで10年間も現地でお仕事をなさっていた方だそうで大変な中国通のお方です。
去年の12月に初めてお話をいただきましていろいろなジャンルのお話を頂き今日が5回目になります。もう一回12月にお願いして6回シリーズを完成させる予定です。
今までのホームページに収録された講座録を印刷編集するだけで一つの本が出来上がるのではないかというぐらい中身の濃いシリーズでありました。
塩崎さんがお辞めになったあとも、塩崎さんを慕う中国の元部下の方々が、中国のホットニュースを届け続けてくれているそうで、塩崎さんのデータベースはますます増強されているのであります。

 
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1.はじめに

今年はマカオが1999年12月に返還されて10年経ちます。ご存じのように香港は1997年7月に返還されました。
両方とも返還時に多くの人が色々な心配をなさっていたことをよく覚えております。そのことを中心に今どうなっているのかということをお話しさせていただきたいと思います。
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2.香港、マカオの歴史と地理的位置

香港、マカオの位地 香港、マカオは日本メーカーも沢山進出している大工業地帯である珠海デルタの入り口両岸に位置し、現在の人口は香港700万人、マカオ53万人であります。両地域とも1都市であるため人口密度が非常に高いのが特徴です。
歴史的にはマカオは16世紀初頭のポルトガルの東貿易の拠点で、1887年に中国から租借し植民地となりました。一方、香港は1842年のアヘン戦争の結果、イギリスの植民地となりました。
中国への返還は、香港が1997年7月、マカオは1999年12月でした。
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3.両地域の体制

香港とマカオの比較 公用語は両地域とも中国語とかっての宗主国の言葉である英語、ポルトガル語です。ただし、英語、ポルトガル語を話せるのは1部大学卒のエリートのみのようです。
行政長官の任期は5年、最長2期でありますから、両地域とも3代目(マカオは12月就任)となっています。
通貨は香港ドル(HK$)、マカオパタカ(MOP)で、アメリカドル固定性(1US$=7.8HK$)であり、パタカの方がやや弱く1HK$=1.04MOPです。マカオ内では香港ドルはそのまま通用(1:1)しますが、香港ではパタカは通用ません。
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4.返還前の両地域市民の意識

返還前、中国最高指導者ケ小平氏は英国サッチャー首相に返還後50年間は「1国2体制」を堅持することを約束しましたが、天安門事件の後でもあり、両地域市民(特に返還が2年早い香港市民)はケ小平氏の約束に信頼を置けなかったようでした。
天安門事件と返還10周年記念レセプション 特に強く不安を感じた点は;
*自由経済が維持され、更なる経済発展が期待できるか
*私有財産保全の不安、人権が護られるのか
*マカオのマフィア(黒社会)の抗争が激化しないか
の3点で、多くの裕福層が宗主国英国の承認の下、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの国籍を得るべく移民を決意したのです。
移民数は84年の返還が決定後、暫くは増えることはあいませんでしたが、87年頃から3〜4万人になり、89年の天安門事件のあと6万人以上に急増しました。
結果、85年から97年までの間に60万人以上が香港を離れており、移民先は、全体の半分以上がカナダであり、その他米国、オーストラリア、ニュージーランド、英国の順であります。
しかし返還2,3年後、移民者が再び香港に戻ってくる「回流」が急増します。「回流」の割合は01年には約8%、02年に16%、03年には30%近くに跳ね上がったのです。
理由として、移民先で永住権を取得し、いつでも香港を脱出できる「保険」を掛け終わったこと、移民先の雇用情勢が厳しいことなどがあげられますが、それ以上に香港に対する中国の対応がサッチャー首相との約束が守られ、経済状況も発展を続けている現状を確認できたためであろうと思われます。
現在、香港市民690万人のうち、約90万人が外国のパスポートや永住権いう移民のための選択肢を確保できた状態にあるというデータが出ています。
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5.香港

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5−1.市民の満足度

香港大学が定期的に香港市民の生活の満足度を「自由度」、「公平性」等12項目に亘り調査して発表しています。
毎年まずまずの満足度を示す結果を得ているようですが、09年は一層満足度が向上しています。
 09年の調査結果;
・レベル2:ポイント 7.5〜8.0
         「自由」
・レベル3: 7.0〜7.5
         「治安」、「社会秩序」
・レベル4:6.5〜7.0
         「安定」、「清潔」、「繁栄」、「法治」、「効率」
・レベル5:6.0〜6.5
         「福利」、「民主」、「平等」 6.0〜6.5
・レベル6: 5.5〜6.0
         「公平」 
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5−2.香港経済の変遷 成長率

右のグラフをご覧ください。
香港のGDPと成長率 ●1998年は金融・経済危機により初めてマイナス成長(−5.5%)となった。 

●2000年は10.0%の高成長を記録したものの、01年、02年は、厳しい雇用・所得水準等を反映し、消費及び投資が落ち込み低成長に留まった。

●03年3月、SARSの発生により、香港経済全体に再び大きな打撃を与えたが、終息と共に経済活動は回復し、影響は一時的なものにとどまった。

●03年7月の中国人の香港個人旅行の解禁や04年1月施行の中国本土との経済自由化協定(CEPA)の締結などによる、中国本土との緊密化に伴い、香港経済は急速に回復し、04年はプラス8.6%を達成した。続く05年、’06年、07年も引き続き高成長を維持できた。

●08年前半も安定した成長を見せていたが、9月の国際金融危機の発生後、世界的な景気後退の影響を受け、08年のGDP成長率は、+2.5%と大きく減速した。
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5−3.1人当りのGDP

香港の一人当たりGDP推移 香港はここ数年、毎年6,7%の経済成長率を維持しており、それに伴って1人当りのGDPも順調に伸びています。
08年は29,650US$で、先進国の基準と言われる30,000$まであと僅かに迫りました。かって1980年前後、韓国、台湾、香港、シンガポールの4ヶ国(地域)はNIES(経済新興工業国)と呼ばれましたが、その後30年経過し、各国の順位はシンガポール(35,103$)、香港、韓国(19,751$)、台湾(16,606)で、香港の成長はまずまずと言えるのではないでしょうか。
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5−4.香港経済の特徴

返還後の香港経済の特徴は下記のように言われています。
GDP支出別構成比と産業別構成比 ●伝統的に規制が少なく、東アジア諸国・地域の中では比較的自由な経済体制(低税率:法人税率16.5%)。また、対外依存度が高く開放的である。

●香港は過去2度の経済構造の転換を経験(1回目は70年代の中継貿易から繊維産業を中心とする製造業への転換、2回目は90年代の製造業から金融センター、物流基地への転換)。
近年、経済のグローバル化、珠江デルタを中心とする華南地域との経済一体化が進行中である。

●製造業拠点は90年代前半までに中国本土への移転が進み、貿易、金融、不動産、観光、流通などのサービス産業がGDPの約9割を占めている。

●近年、上海、深せん、広州などの中国本土の経済都市の急速な発展により、中国本土への玄関口としての香港の優位性は低下しつつあり、今後、香港が国際金融センターとしての機能をどのように維持・発展していくかが大きな課題である。
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5−5.貿易動向

財貿易収支とサービス貿易収支 香港は上述の如く、90年代に経済構造を製造業から金融・サービスに転換し、製造拠点は本土に移転させました。その結果、生産設備、原料を本土に輸出し、本土で加工、生産された製品をアメリカ、EUへ再輸出する貿易中継基地となっています。
そのために貿易収支は財(設備、原料、製品)貿易は赤字であり、それをサービス(倉庫、運輸、金融)貿易の黒でカバーしている状態といえます。
再輸出シェア―、貿易相手国シェア―、コンテナ取扱量比較
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5−6.中国との経済関係

香港にとって成長する中国経済は最大の成長要因です。まとめると下記のようになると思います。
● 香港にとって中国本土は最大の貿易相手先
・対中財貿易 (08年)
   輸出:1兆4107億香港ドル(対前年比6.0%増)
     輸入:1兆3704億香港ドル(対前年比4.7%増)
    ・対中(サービス)貿易 (07年)
   輸出:1614億香港ドル(対前年比17.8%増)
     輸入:879億香港ドル(対前年比14.9%増)
  注)中国本土にとって香港は、EU、米国、日本、ASEANに次ぐ第5位の貿易相手先

● 香港の再輸出のうち、中国本土への再輸出が48.9%を占める。また、中国産品の香港を経由した再輸出は62.5%を占める 。

● 香港にとって中国は最大の投資元
07年中国からの直接投資額:1042億香港ドル
  注)香港は中国にとって最大の投資元

● 07年末時点で香港株式市場に上場する中国企業数(H株又はレッドチップを発行する
 企業)は243社で時価総額は5兆6077億香港ドル(シェア54.4%)
              注)レッドチップとは、大株主が中国本土資本の香港企業株式

● 中国の地方政府との経済会議
  ・広東省香港協力会議:1998年から2008年まで年一回開催。
  ・汎珠江デルタ地域協力発展フォーラム(9+2):04年から08年まで年一回開催。
   参加地域:広東、広西、 福建、湖南、江西、貴州、雲南、海南、四川、香港、マカオ
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5−7.物価

2000年代初の物価の値下がりは、不動産バブルの崩壊の影響です。また05年以降じりじりと上昇していますが、これは中国本土の豚肉、鶏卵を主とする食料品の異常な高騰の影響であります。 香港の物価は本土の影響を強く受けています。
消費者物価指数推移と香港のスーパー豚肉売り場

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5−8.株式市場

BBC 香港の株式市場は連日の中国株の高値の更新で、05年以降、2年半に亘り一本調子の上げ相場を続けましたが、世界金融危機には勝てず本年3月には従来高値の1/3を割込んでしまいました。現在はやや持ち直し、従来高値の60%程度まで回復しています。
中国株価の推移と株式時価総額比較

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5−9.不動産

深せん郊外の新居住区と駅バスターミナルから出る現地見学用バス" 香港は不動産価格が高いことでよく知られていますが、不動産バブルの崩壊で、03年にはピーク時(97年)の5割位まで下がりました。現在では回復して、ピーク時の70%水準まで戻っているようです。高い不動産価格は世界的にも高い水準の家賃をもたらし、東京のほぼ1.5倍となっています。
香港人の本土への疎開は02、03年がピークでした。それ以前、香港人の意識は本土を見下し、深?の大手企業へといえども就職することを「都落ち」と考え忌避していました。
それが不動産バブルに耐えきれず、これまでのエリート意識を捨て、購入価格が15〜20分の1で済む深?の新型マンションの購入に向かったのです。
その裏には、香港人の気質を知り尽くした香港系デベロッパーのすばらしい商魂があったと言われています。すなわち下記に見られるような高級一大コミュニティの創出が計画的に行われたのです。
(1)快適な居住環境
・各棟エレベーター完備(当時本土の住宅高層建築物ではエレベーター設備なし)
・域内に小中高一貫教育の学校を付設。中には全授業英語でとの学校もあり
・大型近代マーケットを付設(ウォールマートさえ進出団地あり)
・近代的な診療所付設
・緑、花が溢れた環境。要所々々に小公園、豊富な街路樹
(2)交通
・近くの繁華街、交通ターミナルへ無料シャトルバス運行
(3)治安
・地域全周を塀で囲み、ガードマンが24時間体制で警備
(4)投機商品として
・将来必ず値上がりする投機商品
   03年当時、2LDK(70u):25万元
  3LDK(85u):30万元
   確かに現在では6,7倍にはなっている。
しかし不便な点もありました。
実は私もこれらの居住区の1画を借りて住んでいたことがありますが、02、3年に建てられた居住区では駐車場のスペースが十分でなく駐車場確保に苦労しました。当時、デベロッパーはこんなに早く車社会が到来するとは思っていなかったのでしょうね。
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5−10.観光

09年世界観光・旅行競争力と香港への観光客数 本土から香港への個人旅行解禁は03年の広東省を皮切りに、その後1年間で、北京、上海のほか、江蘇省、浙江省の主要都市など32都市までが解禁となり、その対象人口は1億5千万人に上りました。
個人旅行のことを本土では“個人遊”、香港では“自由行”と呼んでいて、余裕の出て来た人たちの大きな楽しみになっています。
個人旅行解禁当時の背景にはSARSの流行が関わっていました。03年3月SARS が蔓延した影響で、香港への旅行者が減少し、香港のサービス業をはじめ経済は大きな打撃を受けました。これを受け、中国中央政府は香港の経済を活性化させる目的で、香港への個人旅行を解禁したのです。
最初は広東省の中山市他の4都市で、対象は約1千万人程度でしたが、現在では49都市にまで広がっています。
昨年末に中央政府は新たな政策を発表しました。それは、深センに居住している非戸籍住民(他省から出稼ぎで来ている人たち)も、香港へのビザを申請することができるようになるというものです。
今、深センには640万人の非戸籍住民がおり、申請さえすれば、これらの人々が香港に来ることが出来る。これが実現すれば、消費により将来的に30億香港ドル(約350億円)の経済効果を香港にもたらすことになると言われています。
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5−11.香港ディズニーランドの誤算

香港ディズニーランド 香港ディズニーランドは、東京ディズニーランドの大成功にあやかり、アジアでの2匹目のドジョウの期待を背に05年9月、華々しく開園しました。まもなく4年になるのですが、来園者数は当初予測を大きく下回わり、閉演の噂が出るほど苦境に立たされています。
入場者数は、1年目こそ520万人(目標570万人)まずまずの成功を収めたのですが、2年目以降、約400万人と、目標の550万人に遠く及ばない状態が続いています。
  同園では業績低迷により銀行からの借入金を繰り上げ返済する必要に迫られており、2015年を返還期限とする2億84百万US$の借入金があるのですが、借入契約時の規定により業績低迷を理由に09年までに返還する必要に迫られているそうです。
ちなみにアメリカのウォルト・ディズニー社によると、08年末時点で世界5か所のディズニーのテーマパークのうち、唯一香港だけが赤字を計上しているとのことです。
08年の来園者の内訳をみると、中国本土からの来園者は07年比5%増の160万人、香港住民127万人、台湾、シンガポール他の外国人123万人であったそうです。
08年、本土からの香港入境者は前年比10%増の1700万人でありますから、ディズニー来園者は入境者の10%弱に止まるわけです。また香港人の来園者は06年には42%でありましたが、08年は31%に減少しています。すなわち、リピーターが少ないこと。この辺に来園者数の伸び悩みの原因がありそうです。
一方、ディズニーランド側では、入場者減の経営危機を入園料の値上げでカバーすべく20%の値上げを実施しました。
同園では入場料の値上げの理由について、「金融危機による不況が原因。同園の値上げは香港の市場経済の状況を考慮してのこと」と説明し、値上げで更に来場者の減少も懸念されますが「来場者は時間のあるときに同園を訪れる。価格の変動で客足が遠のく心配はない」と話し、価格改定後も来場者数に影響は出ないとの自信を示しているそうです。
その一方で赤字を少しでも改善すべく設計・企画部門等のスタッフのリストラを断行中とのことです。
以上が香港のことですが要するに一言で言うと返還時自由経済が守れるのかとか私有財産が守れるのかと色々な意味で不安があったのですが、その後一国2制度の約束は守られており心配は杞憂だったという結果になっています。
日本と少し違う点は、私がはじめ行った1975年から85年頃は製造業中心の経済だったのを、製造業は中国に移して、物流や商社機能だとかITなどに特化した経済を作ったというのが香港の特徴で、香港の人たちも中国の政府も結果としては良かったという状況にあるのではなかったのでしょうか。
中国政府が上手に対処したということができるのかもしれません。
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6.マカオ

1999年12月、マカオはポルトガルから中国に返還されました。
先に返還された香港と同様、「特別行政区」として「1国2制度」の下、返還後50年はポルトガル統治時代と同様の社会・経済体制を維持すると約束されている地域です。
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6−1歴史

フランシスコ・ザビエル 1513年、ポルトガル人が初渡来しました。
以降、有名なフランシスコ・ザビエルがマカオを拠点に東南アジア各地でキリスト教の布教活動を行います。そして1557年 ポルトガル人居留区となります。
1887年、アヘン戦争後、ポルトガルが中国清朝からこの地を租借し、ポルトガルの植民地になりました。
1999年、中国へ返還され『特別行政区』となりました。
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6−2.地理

マカオは、広東省珠海市に隣接するマカオ半島と2つの島(タイパ島・コロアネ島)からなっています。
旧市街地であるマカオ半島部とタイパ島は橋で繋がれています。
タイパ島とコロアネ島間は埋め立てられ、コタイ地区と呼ばれる現在最も開発が進んでいる地域を形成しています。
返還前と後のマカオ

マカオの面積は、埋め立てが進んだ現在でも28.6ku(福岡市の面積の1/12)と非常に小さく、マカオ市民53万人と、年間2,700万人にものぼる旅行客が滞在するため、世界で最も人口密度の高い地域の一つとなっているのです。
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6−3.経済

マカオのGDP推移と一人当たりのGDP推移 マカオの経済は、経済規模が小さいといというせいもありますが、驚異的な伸びを見せています。
経済成長率は2桁を大きく超え、1人当たりGDPも上昇を続けており、香港、台湾を抜き、昨年にはついに日本をも超えました。
カジノ営業権の外資への開放の成功が最大の要因であると言われています。
02年に米ラスベガス系カジノ運営企業が本格参入し、04年からは、カジノを併設したホテルの建設ラッシュが始まっっています。
貿易収支のマイナスの増加は、ホテル建設に伴う建築資材の輸入によるものです。
マカオの産業構造は、サービス業に従事する割合が9割を占めており、中でもカジノ・観光産業がGDPの約5割を占めています。
カジノ収入とマカオへの入境客数は比例して増加しており、外資へのカジノ開放がマカオ経済発展の大きな原動力になっていることが分かります。
さらに、大規模なホテルの建設・運営は、地元の雇用面を大きく改善してきています(失業率の幅低下)。
ホテル・カジノの建設は、今後も続く予定であり(既にオープンしたホテルの多くは本格開業のため工事は継続中)、カジノ好景気はしばらく続くと見られています。
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6−4.観光客

マカオへの観光客数 03年のSARSショックの救済策での中国人観光客の増加、05年世界遺産登録で世界各国からの観光客の増加等で順調に拡大を続けてきましたが、08年は大きく落ち込みました。
これは08年後半からの金融危機の問題と、中国政府の中国人のギャンブルへののめり込みを防止するためのビザ制限(むしろこの影響が大)の影響のためです。

●マカオへの入境制限(賭博へののめり込み防止)
08年8月1日から、▽大陸からの観光客が澳門特区に滞在できる期間を14日から7日に短縮 ▽他の地域に行かず再度(2回目訪問)マカオ特区に入境する場合は最大2日間の滞在を認める ▽特区への三度目の入境は許可されないという規制が交付されました。

●マカオへの入境ルート
マカオへの移動方法別入境者数  マカオに入るルートには香港からフェリー(水中翼船、高速船の2種)で渡る方法、陸続きの珠海市から入るルート、外国から直接航空機にて入境する3ルートがあります。
 中国人観光客、ギャンブラーは主として珠海からの陸路経由であり、先の入境制限はこのルートの制限にあたります。
マカオへの入り口、海から空から
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6−5.カジノ

近年オープンしたホテルとカジノ、カジノ収入推移、2004年カジノ収入地域比較 ●外資の進出
02年に、従来、独占経営権を有していた、香港系のマカオ博彩股?有限公司 (SJM)の他、新規の外資企業2社(ギャラクシー(銀河)及びウィン(永利))がカジノの経営権を獲得しました。
またギャラクシーから経営権の一部貸与を受けたサンズが02年5月より、ウィン が06年9月よりカジノ営業を開始。07年8月にはベネチアン、同年12月 にMGMが営業を開始しました。
08年9月以降、国際金融危機の影響を受け、サンズが開発中のカジノリゾート施設の建設を中止するなど、現在は、 一時期のカジノの建設ラッシュが落ち着いた状況となっています。

●カジノ収入
外資によるカジノの本格営業は05、06年でその後売上げを急速に伸ばしています。もちろんお客様は大陸の一般市民です。
右図に世界各国のカジノ収入の比較を示しました。カジノの本場は何といってもアメリカラスベガスですが、06年のラスベガスの収入は60億US$であるのに対し、マカオはこの年73億US$を売上げ、世界一に躍り出ています。
ラスベガスがその後も伸び悩んでいるのに対し、マカオは快進撃を続け、08年にはラスベガスの2倍の140億US$近くを稼いだそうです。
また、右図枠内に1人当りの消費額を記しましたが、マカオの1回当りの最低掛け金は50パダカであるが、本土中国人の金離れがよく、カジノにとっては本土中国人は大切なお客様のようです。

カジノのあるマカオの高級ホテル
●中国人はギャンブル好き
公務員が公費による海外旅行でギャンブルに興じるのはよく知られているが、今では、地下銀行などを通じて資金を海外に持ち出しカジノで豪遊する者も珍しくないし、企業経営者が会社の金を使い込んでギャンブルにのめり込むケースも少なくないようです。
これだけの上客は見逃せないと海外のカジノは中国にオフィスを開き、顧客獲得やビザ申請の協力をしています。これらギャンブルによる資金流失は年に6000億元(約8兆4000億円)に達すると推定されています。

●ギャンブラー率高し昨年賭け事した人は7割以上―香港
香港人のギャンブル 09年3月、香港紙・文匯報による賭け事に関する調査が行われました。
香港では71.3%が過去1年以内にギャンブルをしており、34.2%が18歳未満で既に賭博経験済みであったそうです。
過去1年間のギャンブル経験者の内訳は「六合彩(日本のナンバーズに似たくじ)」(61.8%)、「麻雀やポーカー等の社交賭博」(34.2%)、「競馬」(17.1%)、「マカオのカジノ」(10.8%)、「トトカルチョ(サッカー賭博)」(7.7%)と続いています。
1ヶ月に使う金額は競馬が733HK$と最も多く、次いでトトカルチョ(700$)、マカオのカジノ(428$)、六合彩(90$)となり、01年の調査結果よりどれも大幅に増加していることが分かりました。
香港競馬場 問題視されるくらい賭け事にめり込んでいる人は2.8%、またギャンブル依存症の人は1.7%みいました。更にトトカルチョをする人は、ギャンブル依存の割合がしない人に比べて4.4倍に上ることがわかったそうです。
また競馬をする人は、中年層で中卒者が多く、トトカルチョやマカオのカジノに行ったことがある人は、青少年層、高卒または大学卒クラスの者が多いとのことです。

●カジノで豪遊
深?発展銀行の支店長で、預金の不正流用事件で当局に拘束された羅苑棠被告に対する初公判が1日開かれ、羅被告は起訴事実を認めました。
羅被告はカジノで大豪遊し、3400万元も負けたといいます。羅被告は、マカオでカジノにおぼれ、莫大な借金を抱え、預金4千万元を不正流用して返済に充てたとされています。
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6−6.マカオ経済の問題点

マカオの経済発展は、利点ばかりではなくさまざまな弊害も引き起こしています。弊害の一例を挙げてみましょう。

人気のある職業、カジノのディーラー ●経済と社会はカジノに過度に依存しています。経済の約9割はカジノと関連しており、財政収入に賭博税は76%も占めているのです。
マカオ政府は、カジノ依存からの脱却を図ろうしている。コンベンション、物流など非カジノ事業を発展させることによって、カジノによる経済の貢献を現在の90%から5年後の70〜80%、将来的には50%以下に引き下げたいと言っています。

●労働力不足。マカオには労働力は30万人しかいない。カジノ、観光業の発展により、労働力の不足が深刻になっている。
マカオ政府は8万人の外国人労働者を導入し、移民も受け入れているが、労働力不足が簡単に解消できない。

●高成長に伴い、不動産価格、賃金、物価などはいずれも上昇し、企業のコストの上昇をもたらし、地場産業の経営が圧迫されている。
中でも最大の問題点は、労働者不足だと思われます。ホテル・カジノなどの建設工事の増加に伴い、建設現場で働く労働者が不足しているという単純な問題ばかりではなく、給料のいいカジノ関連産業への就職希望者の増加が、他の産業の労働力不足を招いているのです。
本土からマカオへの出稼ぎ人数推移 現在、マカオで人気の職種はカジノのディーラーで、地元の人に所得について話を聞いてみると、高校を卒業したばかりの人で14,000パタカ(約21万円 ⇒ 一般的なマカオ市民の平均所得の2倍)、また少し経験を積めば、18,000パタカにもなるとのことであります。
このため、高校では進学を希望する生徒が激減し、勉学に対する集中力が欠けるなど、授業が成り立たなくなってきているとか。また、教員、消防士、警官、市バスの運転手などの公務員が減り、市民サービスにも影響が出始めているそうです。
街中を散策すると、商店には『招聘営業員』と書かれた、従業員募集の貼り紙をよく目にします。観光客が増加し、売上が伸びているにも拘らず、従業員を確保できないため廃業を余儀なくされたという話も珍しくありません。
このような労働者不足を解決するために、中国本土からの移民を受け入れるべきであるという意見もありますが、賃金低下を引き起こすことを危惧し、労働者の移民認可は現在のところ大幅には増やしていないのが実情です。
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6−7.進行中、計画中の大型プロジェクト

進行中の建設決定済み案件 マカオ国際空港から車で5分の地に‘ラスベガスそのもの’を作る計画が進行中です。
本家ラスベガスからは、ベネチアンリゾートが、世界の名だたる高級リゾートホテル、「ベネチアン・マカオ・リゾート」、「フォーシーズンズ・ホテル」、「シャングリ・ラ・ホテル」「トレイダーズホテル」、「シェラトン・ホテル」、「ヒルトン・ホテル・マカオ」「コンラッド・ホテル」等がカジノを含めた複合施設を備えて、コタイ地区に続々と建設中、或いは計画中で、一大カジノリゾートが出現しようとしています。
カジノをはじめ、イベント展示場、劇場、ショッピング・モールなど多くの複合施設の建設が既に始まっており、09年には世界有数のエンターテイメント事業が展開される予定になています。その投資金額は、最終的には1兆円に達するとのこと。
このような世界的なホテルチェーンによる複合開発により、マカオは世界的な観光地としてだけではなく、世界の国際会議場として、また世界の見本市やコンサート等の開催地へと変貌するでありましょう。
もちろん、今回のように10数個の大プロジェクトが同時に1つの巨大プロジェクトとして行われるのは世界的にも過去にも類を見ないものです。しかも、それはラスベガスでは数十年かかったことを3年で成し遂げようとする、かつてない規模の一大プロジェクトなのです。
世界的規模の大型都市開発の推移
ラスベガスがコンベンション誘致を積極的に行い、エンターテイメントを重視した長期滞在型宿泊客を多数確保しているのに比べ、マカオはホテル料金が高く、平均滞在日数も短いなど「質」の面でまだ追いついたと言えない状況です。
そこで、新しく建設されたカジノ併設のホテルでは、ラスベガスの経営手法を取り入れ、「NBAの試合」や「有名歌手のコンサート」、「大規模コンベンション」の誘致等に力を入れ始めており、総合エンターテイメント産業の確立を目指しています。今後は、「質」の部分での改善も期待できることでしょう。
一方、マカオ政府は、主体をカジノ・観光産業に置きつつも、産業の多角化を目指しています。法人税率の引き下げ(現在12%)などの施策を行い、製造業、貿易業などを積極誘致しており、また、マカオ半島中心部とホテルの建設ラッシュが続くタイパ島コタイ地区を結ぶ鉄道を2011年に運行させるなど、交通インフラの整備にも力を入れています。
(以上、福岡銀行 香港駐在員事務所 平松氏からの情報です)
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6−8.治安問題

マカオの犯罪発生件数 返還前の97、98年当時、変換後の縄張りの引き直しをもくろみ、マフィア間の抗争が激烈を極めました。
市民の不安は返還後もこの抗争が続くのではないかということでしたが、中国当局のカジノ利権の既存グループの締め出し、海外解放などマフィアにとって信じられない変化が起こり、その後の状況を見る限り、中国政府のマフィアの押さえ込みは成功したと見て良いでしょう。
市民のもう一つの危惧は言論の自由の抑え込みであったが、これとても香港同様、西側諸国並みとは言えないまでも、たとえば集会の自由、デモについても中国本土よりは格段に緩やかな規制ですんでいます。
1例を紹介すると08年7月18日、予定されていた「人権聖火リレー」は当局に阻止されました。
イベント開始の30分前に、マカオ警察はイベントの司会者、自由の女神役の女性二人、共同主催者の利建潤氏とイベントを応援する市民の一人、計5人を連行しました。
人権聖火リレー騒動
人権聖火は点火された直後に、警察に消火器で消されてしまいました。
しかしリレー参加に集まった市民は「マカオ警察は国内外のメディアの前で、公然と人権を踏み潰した」と非難を声高らかにクレームしました。
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6−9.物価高騰

貿易収支とCPIおよびマカオの物価色々 カジノの外資開放後、04年から、カジノを併設したホテルの建設ラッシュが始まり、これを受け、貿易収支のマイナスが急激に増大しました 。
これに伴い消費者物価(CPI)も上昇するのは当然の帰結です。
07、08年のCPIの上昇が激しいが、これは中国全土で豚肉、鶏卵をはじめとする食料品が大幅に上昇したためであります。
たとえば、08年1月、CPIは前年年の同期比8.3%上昇しましたが、主に「食物と非酒精飲料」が14.4%、「住宅・燃料」が4.3%、「医療」が12.5%上昇。中でも豚肉の値上がりが激しく6割の上昇を示しました。
マカオ政府はCPI上昇による住民の支出負担を支援するために、総額8億1400万MOP(約700億円)の臨時経済補助を決定。
08年4月〜09年3月の間、全区の約18万世帯に1世帯当たり150元の電気代を毎月補助。
また、40歳以上、月給4000元以下など、条件に該当する住民には月給4000元までの補助を発動しました。
1世帯当りの平均電力代は右表に見る如く、230MOPであるから、そのうち150MOPの援助であるわけですから市民は大歓迎です。
また珠海の税関は午前10時半と午後4時半からの約1時間、珠海で野菜を中心とした買い物をした主婦でいつもごった返します。
この時間帯に出入境する人の8割は女性で、野菜や日用品が入った手提げ袋を両手いっぱいに持っています。
時間が集中するのは、昼食と夕食の買い出しのためです。ある日の統計によると10時半からの1時間で1万1000人が税関を通過し、そのうち88%がマカオ市民で、主婦がほとんどあったそうです。彼女たちはマカオよりに比べて圧倒的に物価の安い本土側に買出しに行くのです。たくましいですね。
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6−10.金融危機

●米系カジノ産業の危機
金融危機の影響を受ける米国系カジノ  米ラスベガス系カジノである「サンズ」、「ベネチアン・マカオ」他が金融危機の影響をもろに受け、危機に瀕しています。
「資金調達に成功しなければ、事業継続に疑問が生じる」。米ラスベガス・サンズは先週、米証券取引委員会に提出した報告で経営破たんの可能性に言及しました。
本体が倒れれば、同社が巨額を投じて進めているマカオ開発事業も水泡に帰してしまいます。
カジノに依存するマカオ経済に計り知れない打撃を与えることは必至と言われています。

●マカオの公的支援 マカオの何厚?行政長官は記者会見で、サンズが資金繰り悪化ので、マカオにある営業拠点の拡張計画を延期することについて「公的支援を行う予定はない」と言明。
現在、シャングリラのホテル棟とシェラトン・ホテル棟、カジノ3カ所の建設などが既にストップしていることも公表されています。

●直近の状況
マカオの直近経済データ  マカオの賭博収入は金融危機の影響で大幅減少しているようです。
10月の総収益が73億5千万MOPで前月(98億9千万MOP)より25億4千万MOPも激減。マカオ政府の賭博税収も10億MOP減少したとのことです。
カジノによる収益は08年9月まで毎月平均90億MOPを維持し、4月は104億MOPという驚異的な収益であったのですが、08年後半になり、ベネチアン・マカオが米国発金融危機の影響を受けて融資が頓挫し、1万1千人の労働者を削減することでカジノ産業一極集中の経済成長は大幅に鈍化し、10月以降、急下降しているのです。
 サンズはマカオで1万5千人を雇用しており、倒産すれば社会的な影響も極めて大きいです。
マカオ日報によると、エドムンド・ホー行政長官は、施政報告後の記者会見で、「絶対に1社たりともカジノ企業の営業停止は認めない」と強調。ベネチアン、サンズの名指しは避けながらも、「もしどこかの企業が倒産したなら、直ちに事業を政府管理下に置く」と述べたそうです。
金融危機によってカジノ企業は軒並み打撃を受け、マカオで事業展開しているラスベガス系の株価(11月12日終値)は、52週高値との比較でサンズが95.8%、ウィン・リゾーツが67.6%、MGMミラージュが89.2%ダウン、それぞれ暴落しています。

●珠江デルタの不況も波及
逆風は企業の資金繰りだけにとどまりません。
10月のカジノ収入は73億MOPにとどまり、前月比27%も減少しました。これは中国政府の入境ビザ制限で一般カジノ客の減少に加え、全カジノ収入の7割を占めるVIPルームの売り上げが落ち込んだことによる影響が大きいのです。
これについてアジア・ゲーミングの渡邊章太郎社長は「ジャンケットの貸し渋りが起きている」と解説しています。
講座風景
ジャンケットとは、カジノから手数料を取って集客を請け負う仲介業者のことで、マカオではVIP客のほとんどがジャンケットが連れてくる客で、ほとんどが本土からの客であるそうです。本土では海外旅行の際の外貨持ち出しが5,000US$までと制限されているため、高額を賭けるVIP客に対してはジャンケットが融資を行うシステムが出来上がっているのです。
ところが、金融危機の影響で珠江デルタの工場倒産が相次ぐなど、上客たちの懐具合が悪化。貸付金が不良債権化するなどリスクが高まったわけです。
ジャンケットが本土客への融資に慎重になれば、カジノの集客と収入に影響が出る。また、ジャンケットに対してカジノが融資資金を提供している場合もあり、貸し倒れのリスクはカジノ自身も負わなければならないという連鎖が起きているわけです。
ウィンはこのほど発表したマカオの7〜9月期決算で、初めて不良債権に備え1,100万米ドルの引き当てを行ったと発表しました。
本土資産家の失速がジャンケットの貸し倒れを増やし、最終的にカジノ企業の業績に反映されている現状を浮き彫りにした形になっています。
さらに、本土からマカオへのビザ制限が、VIP以外の客足も鈍らせています。
カジノ経済の過熱に危機感を持つ中央政府は、以前は2週間に1回申請が認められていたマカオへの個人旅行ビザを、5月中旬から1カ月に1回、7月からは2カ月に1回に制限し、9月からは香港入境ビザでのマカオ入境も禁止。この影響により、9月の個人旅行客は前年同月比24.6%の大幅減となってしまいました。

●リストラ
 人口約53万人のマカオでは、ラスベガス・サンズが金融危機の影響で融資が阻まれ、11月には第5期、6期の工事の中断を発表しています。
中国本土労働者労働者5千人、香港人労働者4千人を含む計1万1千人の建設労働者をリストラしました。
また、ベネチアンリゾートも外国人労働者のリストラを検討していることが香港メディアで繰り返し報じられています。
 ベネチアンマカオでは3カ所の系列カジノ場に勤務する従業員のうち、月給1万MOP以上の約7千人に対し、09年から1カ月に4日の無給休暇(10%減給に相当)を通告。大幅リストラへの序章と受け止められています。

●先行きは楽観
急拡大を続けてきたマカオのカジノ経済はバブルがはじけたのでしょうか。
アジア・ゲーミングの渡邊社長は「業界関係者はそれほど悲観していない」と話しています。
08年のカジノ収入は1,000億MOPを超す見通しで、07年比20%の高成長を維持する。09年は金融危機とビザ制限の影響から07年水準まで落ち込むとの予想もあるが、それでも毎月70億MOPの収入があれば、事業免許を持つ6社全てが利益を出しながら共存できるというのが政府、専門家の共通認識であるとのことです。
11月のカジノ収入は89億MOPと再び上向き、市場の底力を見せました。金融危機の影響を考慮し、中央政府が近くビザ制限を緩和するとの観測も強まっています。
マカオ大の馮所長は、今回の危機を乗り切ればカジノ産業はさらに発展すると予測し、こう付け加えた。「マカオには市場がある。中国人はギャンブルが好きだからね」。

今日はこの辺でおしまいにしようと思います。ご静聴ありがとうございました。
(拍手)                                  


文責:塩崎哲也
会場写真撮影:臼井良雄
HTML制作:臼井良雄


本文はここまでです


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