神田雑学大学11月19日

わたしが犬と暮らす理由

                     講師 吉田 悦子

目次

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まえがき・講師ご紹介

第一部「わたしが犬と暮らす理由」

犬がいてわたしがいる ジョニーとの11年間
秋田犬・ジョン万次郎の想い出
犬も人間も幸せに
十代の若い読者からの手紙の紹介
ビデオ上映 映画「黄色い老犬」
スライド写真

第二部「男たちがペットと暮らす理由」

癒しのブームの中で
愛犬の死に号泣する企業戦士
妻子より、ずっとかわいい
もうひとりの伴侶と暮らす定年後の日々

第三部「人間本来の姿を取り戻すために」

ニッポンの犬と生きる人々

付録


まえがき・講師ご紹介

第一部「わたしが犬と暮らす理由」


第二部「男たちがペットと暮らす理由」


第三部 人間本来の姿を取り戻すために


私が子供の頃、コリーという犬が沢山いた。しかし、今は激減している。 わが国では、業者がコリーを大量に繁殖させて、飼い主に売った。結果、 躾が出来ないまま、狭い家屋の中で、ストレスが溜まったコリーは吠えまくる。 コリーはバカ!だという汚名まで、きせられてしまったのである。 日本犬は、洋犬との雑種化など、何度か絶滅の危機を迎えた。第ニ次世界大戦の とき、犬に食べさせる食料はない、人間だけが生き残ればいいという命令が政府 から出た。昭和三年、日本犬保存会の創立に参加した平岩米吉という学者は、 「人間以外の動物の生態を知って、初めて人間を理解できる」と記した。
私自身、長い間、犬と暮らしてきて、その心を知る事で、人間が見えてくるとい うことがたくさんある。人間も犬も、基本的に同じ地球上で生命を共有している。 それに気づき、互いを必要とするもの同士の、いきいきとと生きられる共生関係 を築くことができたとき「ペットに癒される」立場を超えて、人間本来の力を取 り戻しているといえるのではないか。
犬との暮らしは、豊かな時代の希薄な人間関係、自然とやすらぎを求める現代人 の性にとどまらず、人間本来のあり方をいま一度取り戻そうする試み、都市化と ともに失われてしまった自然への、ひとつのノスタルジーとして、今後ますます 迎えられることだろう。

   (終)